がある場合には,性腺に対する影響を考慮すること。なお,シクロホスファミドの総投与量の増加により,男女とも性腺障害のリスクが増加するとの報告がある 5)。
5. 二次性悪性腫瘍(急性白血病,骨髄異形成症候群,悪性リンパ腫,膀胱腫瘍,腎盂・尿管腫瘍等)が発生したとの報告があるため,本剤の投与終了後も長期間経過を観察するなど十分注意すること。なお,シクロホスファミドの総投与量の増加により,発癌のリスクが増加するとの報告がある 5)。
相互作用
相互作用の概要
本剤は,主に肝代謝酵素CYP2B6で代謝され,活性化される。また,CYP2C8,2C9,3A4,2A6も本剤の代謝に関与していることが報告されている。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
ペントスタチン
コホリン
臨床症状・措置方法
骨髄移植の患者で,本剤投与中にペントスタチンを単回投与したところ,錯乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫等が認められ,心毒性により死亡したとの報告がある。また,動物試験(マウス)においてペントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とシクロホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるイホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき,それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた 1)。
機序・危険因子
明らかな機序は不明である。本剤は用量依存性の心毒性があり,ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する。両剤の併用により心毒性が増強すると考えられている 1)。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤
アロプリノール
放射線照射
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので,異常が認められた場合には,減量,休薬等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
共に骨髄抑制作用を有する。
2. 薬剤名等
フェノバルビタール
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強することがある。
機序・危険因子
フェノバルビタールの酵素誘導により本剤の活性型への変換が促進される。
3. 薬剤名等
副腎皮質ホルモン
クロラムフェニコール
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン,クロラムフェニコールは肝における本剤の代謝を競合的に阻害し,活性化を抑制する。
4. 薬剤名等
インスリン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用が増強されることがある。
機序・危険因子
本剤がインスリン抗体の生成を阻害するため,遊離のインスリン量が多くなり,血糖降下作用が増強される。
5. 薬剤名等
オキシトシン
臨床症状・措置方法
オキシトシンの作用が増強されることがある。
機序・危険因子
機序は不明
6. 薬剤名等
バソプレシン
臨床症状・措置方法
バソプレシンの作用が減弱されることがある。
機序・危険因子
本剤がバソプレシンの排泄を増加させる。
7. 薬剤名等
アントラサイクリン系薬剤
ドキソルビシン塩酸塩,エピルビシン塩酸塩等
臨床症状・措置方法
心筋障害が増強されるおそれがある。また,これらの薬剤との併用療法終了後に遅発性心毒性が発現したとの報告があるため,治療終了後も長期間経過を観察するなど十分注意すること。
機序・危険因子
明らかな機序は不明であるが,共に心筋障害を有する。
8. 薬剤名等
脱分極性筋弛緩剤
スキサメトニウム等
臨床症状・措置方法
脱分極性筋弛緩剤の作用が増強され,遷延性無呼吸を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤がコリンエステラーゼによる脱分極性筋弛緩剤の分解を阻害すると考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
エンドキサンP錠※の承認時における安全性評価対象例42例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は32例(76%)に認められた 6)~8)。
(※:エンドキサンP錠は本剤の旧販売名)
重大な副作用
1. ショック,アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,呼吸困難,喘鳴,蕁麻疹,不快感等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2. 骨髄抑制(頻度不明):汎血球減少,貧血,白血球減少,血小板減少,出血があらわれることがあるので,本剤投与期間中には末梢血液の観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与間隔の延長,減量,休薬等の適切な処置を行うこと。
3. 出血性膀胱炎,排尿障害(頻度不明):出血性膀胱炎,排尿障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量,休薬等の適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
4. イレウス,胃腸出血(0.1~5%未満):イレウス,胃腸出血があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 間質性肺炎,肺線維症(0.1~5%未満):間質性肺炎,肺線維症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. 心筋障害,心不全(0.1~5%未満):心筋障害,心不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
9. 肝機能障害,黄疸(頻度不明):肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,肝機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
10. 急性腎不全(頻度不明):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,腎機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適