適用部位出血
臨床検査 血小板数増加
傷害・処置 皮膚擦過傷
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
[妊婦に対する安全性は確立していない]
小児等への投与
3歳未満の幼児等に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
適用上の注意
1. 皮膚以外の部位(粘膜等)には使用しないこと。また、眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意すること。
2. 創傷、皮膚感染症又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位は避けて塗布すること。
その他の注意
モルモットの皮膚光感作性試験において、光線過敏様皮膚反応を示すとの報告がある1)。
薬物動態
1. 日本人結節性硬化症患者30例(成人17例、小児13例)において、本剤を1日2回12週間塗布し、投与開始から4週後及び12週後に血中シロリムス濃度を測定したところ、以下のとおりであった2)。(表1参照)
2. シロリムス経口剤が併用されていない日本人結節性硬化症患者93例(成人43例、小児50例)において、本剤を1日2回塗布し、投与開始から52週後まで血中シロリムス濃度を測定したところ、以下のとおりであった3)。(表2参照)
薬物動態の表
表1
測定時期 対象集団 測定例数 検出例数 血中シロリムス濃度(ng/mL)
平均値±S.D.*
4週後 成人 17 15 0.24±0.08
4週後 小児 13 12 0.19±0.07
12週後 成人 17 11 0.27±0.12
12週後 小児 13 10 0.21±0.09
*:定量限界(0.1ng/mL)未満の症例は集計から除外した。
表2
測定時期 対象集団 測定例数 検出例数 血中シロリムス濃度(ng/mL)
平均値±S.D.*
12週後 成人 40 31 0.44±0.64
12週後 小児 48 37 0.27±0.21
26週後 成人 38 28 0.25±0.21
26週後 小児 49 35 0.28±0.29
39週後 成人 39 25 0.24±0.16
39週後 小児 49 35 0.28±0.30
52週後 成人 38 17 0.29±0.15
52週後 小児 49 29 0.25±0.14
*:定量限界(0.1ng/mL)未満の症例は集計から除外した。
臨床成績
日本人結節性硬化症患者62例(成人35例、小児27例)を対象としたプラセボ対照二重盲検試験(国内検証試験)において、本剤又はプラセボを1日2回、12週間塗布した。 なお、投与量は病変部50cm2(両頬の面積に相当)あたり0.125gを目安とし、年齢に応じて1日あたりの上限(5歳以下0.4g、6~11歳0.6g、12歳以上0.8g)が規定された。 また、各年齢区分の標準的な体格(体表面積)から大きく逸脱する場合は、体表面積に応じた塗布上限(体表面積0.8m2未満0.4g、0.8m2以上1.3m2未満0.6g、1.3m2以上0.8g)とされた。 主要評価項目である12週後の血管線維腫の改善度(中央写真判定)の分布は表のとおりであり、プラセボ群と比較して本剤群で有意な改善が認められた(Wilcoxon順位和検定p<0.001)。2)(表3参照)
臨床成績の表
表3
群
(例数) 改善度
例数(%)
著明改善 改善度
例数(%)
改善 改善度
例数(%)
やや改善 改善度
例数(%)
不変 改善度
例数(%)
やや悪化 改善度
例数(%)
悪化 改善度
例数(%)
評価不能
本剤
(30例) 5
(16.7) 13
(43.3) 11
(36.7) 1
(3.3) 0 0 0
プラセボ
(32例) 0 0 5
(15.6) 26
(81.3) 0 0 1
(3.1)
薬効薬理
ヌードマウスの結節性硬化症モデルにおいてシロリムスを経皮投与(軟膏剤を局所塗布)したとき、シロリムスは腫瘍増殖抑制作用を示すことが報告されている4)。
有効成分に関する理化学的知見