意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
利尿剤
フロセミド等
臨床症状・措置方法腎障害が発現,悪化するおそれがあるので,併用する場合には腎機能に注意すること。
機序・危険因子機序は明確ではないが,利尿剤による細胞内への水分再吸収低下のため,尿細管細胞中の抗菌薬濃度が上昇するとの説がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及び効能・効果の追加承認時における安全性評価対象例3314例中,副作用は78例(2.35%)に,また臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例3054例中,334例(10.94%)に認められた2)。再審査終了時における安全性評価対象例27651例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は810例(2.93%)に認められた3)。(副作用の発現頻度は,承認時,再審査終了時の成績及び自発報告等に基づく。)
重大な副作用
1. ショック,アナフィラキシー(0.1%未満):ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,喘鳴,全身潮紅,浮腫等)を起こすことがあるので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。2. 急性腎障害(0.1%未満):急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。3. 汎血球減少,無顆粒球症(0.1%未満),血小板減少,溶血性貧血(頻度不明):汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少,溶血性貧血があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。4. 偽膜性大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には,直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。6. 間質性肺炎,PIE症候群(0.1%未満):発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎,PIE症候群等があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。7. 肝機能障害,黄疸(頻度不明):AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP,LAP等の上昇,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症注1 0.1~5%未満 発疹
過敏症注1 0.1%未満 蕁麻疹,そう痒,発赤,発熱,顔面潮紅,皮膚感覚異常感
血液注1 0.1~5%未満 貧血(赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少),好酸球増多,顆粒球減少
血液注1 0.1%未満 血小板減少又は増多
腎臓注1 0.1%未満 BUN上昇,クレアチニン上昇,蛋白尿
腎臓注1 頻度不明 乏尿
肝臓注2 0.1~5%未満 AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,γ-GTP上昇
肝臓注2 0.1%未満 黄疸,LAP上昇
消化器0.1~5%未満 下痢
消化器0.1%未満 軟便,悪心,嘔吐,腹部膨満感
菌交代症0.1%未満 口内炎,カンジダ症
ビタミン欠乏症頻度不明 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
その他0.1%未満 頭重感,全身倦怠感,尿道異和感,血清アミラーゼ上昇,尿アミラーゼ上昇
注1:症状(異常)が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
注2:異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者には,次の点に注意し,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
1. 高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。2. 高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児(未熟児)では,腎が発達段階にあるため血中濃度の半減期が延長し,高い血中濃度が長時間持続するおそれがあるので,慎重に投与すること。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項及び「薬物動態」の項参照]
臨床検査結果に及ぼす影響
1. テステープ反応を除くベネディクト試薬,フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
適用上の注意
1. 調製時:調製後は速やかに使用すること。なお,やむを得ず保存を必要とする場合でも,室温保存では6時間以内に,冷蔵庫保存では24時間以内に使用すること。
ただし,キット製品の場合は残液は決して使用しないこと。2. 静脈内注射時:静脈内大量投与により血管痛,静脈炎,灼熱感を起こすことがあるので,これを予防するために注射液の調製,注射部位,注射方法等について十分注意し,その注射の速度はできるだけ遅くすること。
その他の注意
本剤の投与に際しては,定期的に肝機能,腎機能,血液等の検査を行うことが望ましい。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 健康成人4)(静注,点滴静注時の血清中濃度及び薬物動態パラメータ)