状態を十分に観察し、必要に応じて心電図検査、血液検査、胸部エコー等を実施すること。心疾患を合併している患者に投与する際は、定期的に心電図検査を行いその変化に注意すること。
13.
本剤と他の抗リウマチ生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。また、他の抗リウマチ生物製剤から本剤に切り替える際には、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
14.
*本剤の2週間隔投与の有効性は点滴静注用製剤と比較し低い可能性があることから、本剤の2週間隔投与で十分な効果が認められない場合には、1週間まで投与間隔を短縮又は点滴静注用製剤等への切り替えを考慮すること(【臨床成績】の項参照)。
15.
**高安動脈炎及び巨細胞性動脈炎の臨床試験において、本剤と高用量の副腎皮質ステロイド薬を長期に併用投与した場合の安全性は確認されていない。本剤投与後は、患者の状態に応じて副腎皮質ステロイド薬の減量を考慮すること。
16. 自己投与における注意
(1)
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
(2)
自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者に指導を行うこと。
(3)
使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
**,*関節リウマチを対象とした国内第III相臨床試験(2週間隔投与)における安全性解析対象症例のうち、初回投与24週後までに、本剤の2週間隔投与下の173例において、144例(83.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染55例(31.8%)、コレステロール増加31例(17.9%)、LDL増加24例(13.9%)、注射部位反応21例(12.1%)、トリグリセリド増加18例(10.4%)等であった。(初回承認時)
関節リウマチを対象とした国内第III相臨床試験(1週間隔投与)における安全性解析対象症例のうち、本剤の1週間隔投与下の38例において、27例(71.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染9例(23.7%)、肺炎2例(5.3%)、蜂巣炎2例(5.3%)、コレステロール増加2例(5.3%)、白血球減少2例(5.3%)、好酸球数増加2例(5.3%)、腹痛2例(5.3%)等であった。(用法・用量の一部変更承認時)
高安動脈炎を対象とした国内第III相臨床試験における安全性解析対象症例36例のうち、18例(50.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染7例(19.4%)、胃腸炎4例(11.1%)、肺炎2例(5.6%)、皮膚感染2例(5.6%)、紅斑2例(5.6%)、感染性胃腸炎2例(5.6%)、腟感染2例(5.6%)等であった。(効能追加承認時)
巨細胞性動脈炎を対象とした海外第III相臨床試験における安全性解析対象症例149例のうち、78例(52.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染18例(12.1%)、膀胱炎6例(4.0%)、帯状疱疹5例(3.4%)、ALT(GPT)上昇5例(3.4%)、好中球減少5例(3.4%)等であった。(効能追加承認時)
重大な副作用
1. **,*アナフィラキシーショック(頻度不明注3))、アナフィラキシー(0.3%)
血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等があらわれることがあるので、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。また、投与終了後も症状のないことを確認すること。
2. **,*感染症
肺炎(3.6%)、帯状疱疹(2.8%)、感染性胃腸炎(2.3%)、蜂巣炎(2.1%)、感染性関節炎(0.2%)、敗血症(0.3%)、非結核性抗酸菌症(0.3%)、結核(頻度不明注3))、ニューモシスチス肺炎(頻度不明注3))等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。本剤投与後は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
3. *間質性肺炎
(頻度不明注3))
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、CT及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。
4. 腸管穿孔
(0.2%)
腸管穿孔が報告されている。本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。
5. **,*無顆粒球症(頻度不明注3))、白血球減少(7.3%)、好中球減少(6.4%)、血小板減少(1.8%)
無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
6. *心不全
(頻度不明注3))
心不全の報告があるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、休薬・中止など適切な処置を行うこと。
1. *抵抗機構
頻度不明注3)
創傷感染
2. 抵抗機構
1%以上
ヘルペスウイルス感染、インフルエンザ
3. *抵抗機構
1%未満
口腔カンジダ症、耳下腺炎
4. *呼吸器
頻度不明注3)
咽頭不快感、喀血、咽頭紅斑、鼻出血、気管支拡張症、鼻閉
5. **,*呼吸器
1%以上
上気道感染〔鼻咽頭炎、上気道炎等〕(41.5%)、副鼻腔炎、気管支炎、咽喉頭疼痛、咳嗽、鼻