を最大52週間投与した結果,長期間にわたり抗うつ効果が維持された。また,本剤40mgから60mgへの増量により改善した症例も認められた12)。
表6 HAM-D17合計評点及びベースラインからの変化量参照
2. 糖尿病性神経障害に伴う疼痛
(1) 二重盲検並行群間比較試験
糖尿病性神経障害に伴う疼痛の患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして40mg又は60mg)又はプラセボを12週間投与した結果,主要評価指標である24時間平均疼痛重症度スコア週平均値の変化量は表7のとおりであり,本剤(40mg及び60mg併合群)のプラセボに対する優越性が示された。また,本剤40mg群と60mg群で用量反応関係は認められなかった13)。
表7 24時間平均疼痛重症度スコア週平均値及びベースラインからの変化量参照
(2) 長期投与試験
糖尿病性神経障害に伴う疼痛の患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして40mg又は60mg)を最大51週間投与した結果,簡易疼痛調査一覧(BPI)-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの変化量は表8のとおりであり,長期間にわたり鎮痛効果が維持された14)。
表8 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
3. 線維筋痛症に伴う疼痛
(1) 二重盲検並行群間比較試験
線維筋痛症患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして60mg)又はプラセボを14週間投与した結果,主要評価指標であるBPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの14週時変化量は表9のとおりであり,主要解析(混合効果モデルによる解析)において,本剤60mgのプラセボに対する優越性は示されなかった。なお,副次解析であるLOCF(Last Observation Carried Forward)法により14週時の欠測値を補完した共分散分析では,群間に有意差が認められた15)。
表9 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
(2) 長期投与試験
線維筋痛症患者を対象として,本剤 (デュロキセチンとして60mg) を50週間投与した結果,BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの変化量は表10のとおりであり,長期間にわたり鎮痛効果が維持された16)。
表10 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
4. 慢性腰痛症に伴う疼痛
(1) 二重盲検並行群間比較試験
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の効果が不十分な慢性腰痛症患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして60mg)又はプラセボを14週間投与した結果,主要評価指標であるBPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの14週時変化量は表11のとおりであり,本剤60mg群のプラセボに対する優越性が示された17)。
表11 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
(2) 長期投与試験
慢性腰痛症患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして60mg)を最大50週間投与した結果,BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの変化量は表12のとおりであり,長期間にわたり鎮痛効果が維持された18)。
表12 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
5. 変形性関節症に伴う疼痛
(1) 二重盲検並行群間比較試験
試験開始前の3ヵ月間で月に14日以上の痛みを有する特発性変形性膝関節症患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして60mg)又はプラセボを14週間投与した結果,主要評価指標であるBPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの14週時変化量は表13のとおりであり,本剤60mg群のプラセボに対する優越性が示された19)。
表13 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
(2) 長期投与試験
試験開始前の3ヵ月間で月に14日以上の痛みを有する特発性変形性膝関節症患者を対象として,本剤(デュロキセチンとして60mg)を最大50週間投与した結果,BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコアの変化量は表14のとおりであり,長期間にわたり鎮痛効果が維持された20)。
表14 BPI-疼痛重症度(平均の痛み)スコア及びベースラインからの変化量参照
臨床成績の表
表5 HAM-D17合計評点及びベースラインからの変化量
投与群 n HAM-D17合計評点
ベース
ライン注1 HAM-D17合計評点
最終
評価時 変化量
ベースラインからの
変化量 変化量
プラセボ群との対比較注2
群間差
(95%信頼区間) 変化量
プラセボ群との対比較注2
p値
プラセボ群 145 20.4
±4.2 12.2
±7.0 -8.3
±5.8 - -
本
剤
40mg群 73 20.6
±4.4 10.1
±5.6 -10.5
±5.7 -2.17
(-3.83,-0.52) 0.0103*
本
剤
60mg群 74 20.4
±4.1 10.5
±6.2 -10.0
±6.4 -1.70
(-3.35,-0.05) 0.0440*
本
剤
併合群 147 20.5
±4.2 10.3
±5.9 -10.2
±6.1 -1.93
(-3.28,-0.58) 0.0051*
パロキセチン群 148 20.4
±4.8 11.0
±7.4 -9.4
±6.9 -1.29
(-2.64,0.07) 0.0623
注1:割付時(プラセボリードイン期終了時)
注2:投与群を固定効果,性,病型分類,投与前HAM-D17合計評点を共変量,治験実施医療機関を変量効果とした共分散分析
p:有意確率,*:有意差あり(p<0.05)
(mean±S.D.)
表6 HAM-D17合計評点及びベースラインからの変化量
評価時期 n HAM-D17合計評点 変化量
ベースライン 215 2