チオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
臨床症状・措置方法
セロトニン症候群があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強される。
5. 薬剤名等
フルボキサミンマレイン酸塩,シプロフロキサシン,エノキサシン(臨床用量でCYP1A2阻害活性を有する薬剤)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがあるので,本剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により,本剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤とフルボキサミンとの併用により,本剤の血漿クリアランスが減少したとの報告がある。[「薬物動態」の項参照]
6. 薬剤名等
三環系抗うつ剤
アミトリプチリン塩酸塩,ノルトリプチリン塩酸塩,イミプラミン塩酸塩等
フェノチアジン系抗精神病剤
ペルフェナジン
抗不整脈剤
プロパフェノン塩酸塩,フレカイニド酢酸塩
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがあるので,これらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
本剤のCYP2D6阻害作用により,これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤とCYP2D6基質であるデシプラミンとの併用により,デシプラミンのAUCが増加したとの報告がある。
7. 薬剤名等
パロキセチン塩酸塩水和物,キニジン硫酸塩水和物等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがあるので,本剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により,本剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤とパロキセチンとの併用により,本剤の血漿クリアランスが減少したとの報告がある。[「薬物動態」の項参照]
8. 薬剤名等
セロトニン作用薬
炭酸リチウム,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI),トラマドール塩酸塩,トリプタン系薬剤,L-トリプトファン含有製剤,リネゾリド等
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
臨床症状・措置方法
相互にセロトニン作用を増強することによりセロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがあるので,本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため,併用により,セロトニン作用が増強することがある。[「重大な副作用」の項参照]
9. 薬剤名等
降圧剤
クロニジン塩酸塩等
臨床症状・措置方法
降圧剤の作用を減弱することがあるので,本剤の用量を減量もしくはこれらの薬剤を増量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。
10. 薬剤名等
アドレナリン,ノルアドレナリン
臨床症状・措置方法
これらの薬剤(特に注射剤)との併用により,心血管作用(血圧上昇等)が増強することがあるので,本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため,併用により,アドレナリン作用が増強することがある。
11. 薬剤名等
血漿蛋白との結合率の高い薬剤
ワルファリンカリウム等
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強することがあるので,本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
本剤は血漿蛋白との結合率が高いため,併用により,本剤及びこれらの薬剤の血中遊離濃度が上昇することがある。
12. 薬剤名等
出血傾向が増強する薬剤
非定型抗精神病剤,フェノチアジン系薬剤,三環系抗うつ剤,アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤,ワルファリンカリウム等
臨床症状・措置方法
出血傾向が増強することがあるので,本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。
機序・危険因子
SNRI,SSRIとこれらの薬剤との併用により,出血傾向が増強すると考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
うつ病・うつ状態
国内臨床試験において,安全性評価対象例735例中,副作用(臨床検査値異常変動を含む)は663例(90.2%)に認められた。主なものは,悪心269例(36.6%),傾眠228例(31.0%),口渇168例(22.9%),頭痛154例(21.0%),便秘102例(13.9%),下痢87例(11.8%),めまい80例(10.9%),トリグリセリド上昇56例(7.6%),腹部痛52例(7.1%),ALT(GPT)上昇51例(6.9%),不眠50例(6.8%),倦怠感45例(6.1%),AST(GOT)上昇38例(5.2%),食欲減退38例(5.2%)であった。(承認時)
糖尿病性神経障害に伴う疼痛
国内臨床試験において,安全性評価対象例507例中,副作用(臨床検査値異常変動を含む)は374例(73.8%)に認められた。主なものは,傾眠106例(20.9%),悪心85例(16.8%),高血糖50例(9.9%),便秘49例(9.7%),めまい42例(8.3%),倦怠感34例(6.7%),口渇31例(6.1%),頭痛29例(5.7%),下痢24例(4.7%),ALT(GPT)上昇24例(4.7%),AST(GOT)上昇23例(4.5%),嘔吐21例(4.1%),γ-GTP上昇18 例(3.6%),Al-P上昇17 例(3.4%)であった。(承認時)
線維筋痛症に伴う疼痛
国内臨床試験において,安全性評価対象例265例中,副作用(臨床検査値異常変動を含む)は183例(69.1%)に認められた。主なものは,傾眠69例(26.0%),悪心55例(20.8%),便秘42例(15.8%),口渇17例(6.4%),めまい17例(6.4%),倦怠感15例(5.7%),食欲減退15例(5.7%),体重増加11例(4.2%),頭痛10例(3.8%),不眠10例(3.8%),腹部痛8例(3.0%),下痢8例(3.0%)であった。(承認時)
慢性腰痛症に伴う疼痛
国内臨床試験において,安全性評価対象例344例中,副作用(臨床検査値異常変動を含む)は175例(50.9%)に認められた。