6.3%)に臨床検査値異常を含む有害事象注2) が認められている。最も発現頻度の高かった有害事象は注射部位反応222例(82.5%)17,755件であり、その主な内容は、注射部位紅斑161例(59.9%)6,689件、注射部位疼痛143例(53.2%)3,751件、注射部位腫瘤96例(35.7%)2,725件、注射部位そう痒感95例(35.3%)1,979件、注射部位浮腫81例(30.1%)1,382件等であった。また、注射直後反応は111例(41.3%)420件に認められ、その内容は、血管拡張64例(23.8%)117件、呼吸困難50例(18.6%)90件、胸痛48例(17.8%)143件、動悸32例(11.9%)51件及び頻脈15例(5.6%)19件であった。その他の主な有害事象として、疼痛81例(30.1%)144件、悪心58例(21.6%)89件、発疹48例(17.8%)138件、不安42例(15.6%)62件、多汗症28例(10.4%)44件等が認められている。
注2)本剤との因果関係の有無は問わない事象
重大な副作用
1. 注射直後反応(41.3%)注3)
本剤投与後の数分以内に注射直後反応(血管拡張、胸痛、呼吸困難、動悸又は頻脈)があらわれることがある。これらの症状のほとんどは一過性であるが、投与のたびに発現し、重症化することもあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
2. 注射部位壊死(頻度不明)注4)
注射部位壊死が報告されており、重度の場合、壊死組織の切除及び皮膚移植などが必要になる場合がある。患者に複数の病変があらわれたときには、治癒がみられるまで投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. 過敏性反応(頻度不明)注4)
アナフィラキシー等の重篤な事象を含め、呼吸困難、気管支痙攣、発疹、蕁麻疹又は失神等の過敏性反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
重大な副作用の注意
注3)外国臨床試験に基づく発現頻度
注4)外国における自発報告等
その他の副作用
次のような副作用があらわれることがあるので、このような場合には適切な処置を行うこと。
精神神経系
5%以上注5)
不安、振戦
精神神経系
5%未満注5)
失神、神経過敏
精神神経系
頻度不明注6)
痙攣
消化器
5%以上注5)
悪心、嘔吐
循環器
5%以上注5)
血管拡張、動悸、頻脈
呼吸器
5%以上注5)
呼吸困難
感染症
5%以上注5)
腟カンジダ症
感染症
5%未満注5)
単純ヘルペス
皮膚
5%以上注5)
発疹、多汗症
皮膚
5%未満注5)
皮膚良性新生物
眼
5%未満注5)
眼の障害
投与部位
5%以上注5)
注射部位反応(紅斑、疼痛、腫瘤、そう痒感、浮腫、炎症、過敏症)、局所反応
投与部位
5%未満注5)
萎縮
その他
5%以上注5)
リンパ節症、疼痛、胸痛、顔面浮腫
その他
5%未満注5)
悪寒、体重増加、浮腫
その他
頻度不明注6)
白血球数異常、肝酵素上昇
その他の副作用の注意
注5)外国臨床試験に基づく発現頻度
注6)外国における自発報告等
高齢者への投与
一般に高齢者では腎機能、肝機能などの生理機能が低下しているので、副作用の発現に留意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避けること。やむを得ず投与する際には授乳を中止させること。[ヒト母乳中への移行については不明である。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1. 投与経路
皮下にのみ投与すること。
2. 投与部位
(1)
投与部位は腹部、上腕部、大腿部又は腰部のそれぞれ左右を選び、同一部位への反復投与は避けること。
(2)
原則として同一部位への投与は7日間あけること。
(3)
皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等)には投与しないこと。
3.
投与の際には専用のプレフィルドシリンジ用注入補助器を使用すること。また、使用にあたっては添付の使用説明書を必ず読むこと。また、本剤(プレフィルドシリンジ)は1回使用の製剤であり、再使用はしないこと。
その他の注意
ラット26週間反復投与毒性試験及びサル52週間反復投与毒性試験において、腎糸球体に補体第3成分を伴うグラチラマー酢酸塩の沈着が認められている。しかしながら、ラットを用いたがん原性試験(2年間投与)では腎糸球体での免疫複合体の沈着は認められていない。
薬物動態
In vitro試験及び健康成人における限られた臨床試験データから、本薬を皮下投与すると、その大部分が皮下組織及び筋肉組織において速やかに分解することが示されている。1,2)
(1) 蛋白結合
[125I]グラチラマー酢酸塩を10μg/mLの濃度でヒト血液に添加したときの蛋白結合率はヒト血清アルブミンで89%を超え、ヒト血清で約97%である(in vitro)。
(2) 代謝
グラチラマー酢酸塩は皮下組織及び筋肉組織で加水分解される。
臨床成績
1. 国内臨床試験3)
再発寛解型多発性硬化症患者(17例)を対象にグラチラマー酢酸塩として1日1回20mgを36週間皮下投与したとき、主要評価項目であるT1ガドリニウム(Gd)増強病巣数の総数の投与前後での変化率は65.66%(両側95%信頼区間:33.19,82.35)であり、変化率の95%信頼区間の下限値(33.19%)が事前に設定した有効性評価基準値(25%)を上回った。(表1)
なお、投与前と投与後の評価例数を揃えて実施した追加解析では、変化率の95%信頼区間の下限値はいずれも事前に設定した有効性評価基準値(25%)を下回った。(表2)
2. 外国臨床試験
(1) 第III相試験[1]