すること)
1. 薬剤名等
ジギタリス
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される。
2. 薬剤名等
カルシウム製剤
乳酸カルシウム水和物
炭酸カルシウム 等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
3. 薬剤名等
マグネシウム含有製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム 等
臨床症状・措置方法
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤は腸管でのマグネシウムの吸収を促進させる。
透析中の患者[腎よりのマグネシウムの排泄が低下している。]
4. 薬剤名等
フェニトイン
フェノバルビタール
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
代謝酵素活性を誘導し、本剤の代謝を増加させるおそれがある。
5. 薬剤名等
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
ヒドロクロロチアジド 等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
カルシウムの尿中排泄を減少させる。
6. 薬剤名等
PTH製剤
テリパラチド
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
相加作用
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までの調査680例中272例(40.0%)に381件の副作用が認められた。主な副作用は、高カルシウム血症191件(28.1%)、そう痒感50件(7.4%)、血清カルシウム上昇48件(7.1%)、血清リン上昇20件(2.9%)、好酸球増多12件(1.8%)等であった。(承認時)
市販後使用成績調査1,198例中255例(21.3%)に281件の副作用が認められた。主な副作用は、高カルシウム血症(血清カルシウム上昇を含む)215件(17.9%)、高リン血症(血清リン上昇を含む)14件(1.2%)、そう痒感7件(0.6%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
高カルシウム血症
(24.2%)
本剤には血清カルシウム上昇作用が認められるので、血清カルシウム値は定期的(少なくとも2週に1回)に測定すること。血清カルシウム値が医療機関の血清カルシウム値の基準値上限を1mg/dL超えた場合には、直ちに休薬すること。また、高カルシウム血症に基づくと考えられる症状(そう痒感、いらいら感等)の出現に注意すること。投与の再開については、休薬により血清カルシウム値が、医療機関の血清カルシウム値の基準値まで低下したことを確認した上で、休薬前の投与量を参考に、減量等も考慮して投与すること(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。
その他の副作用
本剤投与中にあらわれる以下のような副作用には、高カルシウム血症に基づくと思われる症状が多いので、定期的に血清カルシウム値を測定すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項を参照)。
次のような副作用があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
(頻度不明は※)
1. 消化器
0.1%~0.5%未満
嘔気、嘔吐、食欲不振、便秘、膵炎の悪化
2. 精神神経系
0.1%~0.5%未満
いらいら感、不眠、手しびれ感、めまい、頭痛
3. 精神神経系
0.1%未満
感情鈍麻(ぼんやり)、気分不良、うつ状態悪化
4. 循環器
0.1%~0.5%未満
高血圧、動悸、心房細動
5. 循環器
0.1%未満
QT延長、房室ブロック
6. 肝臓
0.1%~0.5%未満
γ-GTP上昇、AST(GOT)上昇
7. 皮膚
0.5%以上又は頻度不明
そう痒感、発疹※
8. 皮膚
0.1%未満
ざ瘡
9. 眼
0.1%未満
結膜充血
10. 筋・骨格
0.1%~0.5%未満
関節痛、筋力低下
11. 筋・骨格
0.1%未満
背部痛
12. 代謝
0.5%以上又は頻度不明
高リン血症
13. 代謝
0.1%~0.5%未満
LDH上昇
14. 血液
0.5%以上又は頻度不明
好酸球増多
15. 血液
0.1%~0.5%未満
リンパ球減少、血小板減少
16. 血液
0.1%未満
好中球増多、単球増多
17. その他
0.1%~0.5%未満
不快感(四肢、腰部、肛門)
18. その他
0.1%未満
顔面潮紅、胸部圧迫感
高齢者への投与
高齢者において認められた副作用の頻度及び種類は、非高齢者との間に差は認められていないが、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、補正カルシウム値に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で胎児毒性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ラットで、早期胚死亡率の増加、生存胎児体重の軽度減少(0.15μg/kg/日)、授乳中及び離乳後の摂食抑制、眼瞼開裂及び精巣下降の遅延(0.45μg/kg/日)が、ウサギで、生存胎児体重の減少(0.09μg/kg/日)が報告されている。]
2.
授乳婦に投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
1. 投与時
(1)
本剤を投与する場合は、他剤との混注を行わないこと。
(2)
開封後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
2. 投与速度
静注は約30秒間かけて緩徐に行うこと。
3. その他
本剤はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール