そう痒感19件(0.43%)、BUN上昇17件(0.39%)、血中クレアチニン上昇15件(0.34%)、AST(GOT)上昇14件(0.32%)、嘔気13件(0.30%)等であった。(再審査終了時)
本剤投与中にあらわれる以下のような副作用には高カルシウム血症に基づくと思われる症状が多いので、このような症状があらわれた場合には、血清カルシウム値を測定することが望ましい。 (頻度不明は※)
その他の副作用
1. 消化器
0.1%以上又は頻度不明
嘔気、下痢、食欲不振、便秘、嘔吐、胃不快感
2. 消化器
0.1%未満
胃痛、口渇、腹部不快感、心窩部痛、腹部膨満感、口内炎
3. 精神神経系
0.1%未満
いらいら感、不眠、頭痛
4. 循環器
0.1%未満
動悸
5. 肝臓
0.1%以上又は頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、LDHの上昇
6. 腎臓
0.1%以上又は頻度不明
BUN、クレアチニン、血中尿酸の上昇
7. 皮膚
0.1%以上又は頻度不明
そう痒感
8. 皮膚
0.1%未満
蕁麻疹、発疹、皮膚乾燥
9. 眼
0.1%未満
結膜充血
10. 骨
0.1%以上又は頻度不明
関節周囲の石灰化(化骨形成)※
11. その他
0.1%未満
脱力感、けん怠感、背部痛、カルシウム沈着、熱感、発熱、胸痛、月経不順、鼻出血、尿路結石、顔面潮紅、腰痛、下肢痛、四肢の冷え、浮腫
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[ラットで、胎児の化骨遅延(5.0μg/kg/日)、新生児の骨格異常(0.02μg/kg/日)、骨格変異(0.3μg/kg/日)が、ウサギで、胎児の臍へルニア(0.04μg/kg/日以上)、四肢異常等の複合奇形(0.08μg/kg/日以上)が報告されている。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。
[動物実験(ラット)でわずかに乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
1.
小児に投与する場合には、血清カルシウム値など観察を十分に行いながら少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならないよう慎重に投与すること。
[幼若ラット経口投与における急性毒性は成熟ラットに比べ強くあらわれている。]
2.
低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
高リン血症のある患者に投与する場合には、リン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げること。
薬物動態
<日本人における成績>
血中濃度
健康成人男子12例にカルシトリオールとして4.0μg※を単回経口投与したとき、カルシトリオールの血中濃度は投与後4時間で最高(101.0pg/mL)に達し、その後徐々に低下して投与後24時間でほぼ投与前値に復した。
血中濃度曲線(健康成人)
また、健康成人6例にカルシトリオールとして0.5μg/日を7日間連続経口投与したとき、投与期間中の投与後4時間のカルシトリオールの血中濃度はほぼ一定(63~83pg/mL)に保たれ、最終投与1日後にはほぼ投与前値に復した。
健康成人2例にカルシトリオールとして2.0μgを単回経口投与したとき、カルシトリオールの半減期は16.2時間であった。また、透析患者3例にカルシトリオールとして4.0μg※を単回経口投与したとき、カルシトリオールの半減期は21.9時間である。1)
※:承認された用量は1日0.25~2.0μgである
<外国人における成績(参考)>
(1) 血中濃度2,3)
健康成人6例にカルシトリオールとして0.5μgを単回経口投与したとき、カルシトリオールの血中濃度は投与後4~8時間で最高(約60pg/mL)に達し、投与後24時間で投与前値に復した。
血液透析を受けていない慢性腎不全患者6例にカルシトリオールとして2.0μgを単回経口投与したとき、カルシトリオールの血中濃度は健康成人4例に2.0μgを単回経口投与したときに比べ、最高血中濃度の低下と消失時間の延長が認められた。
(2) 分布・代謝・排泄4,5)
健康成人2例に3H-カルシトリオールとして1.0μgを単回経口投与したとき、24時間以内に尿中に投与放射能の約10%が排泄された。
健康成人7例に3H-カルシトリオールとして580pmol(28~2,320pmol)を単回静脈内投与したとき、投与後6日までに投与放射能の16%及び49%がそれぞれ尿及び糞中に排泄された。
(参考)ラットにおける成績6,7)
ラット(SD系)に3H-カルシトリオールとして0.4μg/kgを単回経口投与したとき、投与後4、24、72時間目の放射活性は消化管で最も高く、次いで肝臓、腎臓に血液よりも高い放射活性が認められた。また投与後72時間目までに糞中に30%、尿中に27%が排泄された。なお、0.4μg/kg/日を21日間連続経口投与した後の代謝物の組織残存性は低かった。
ラット(SD系)において本剤の代謝物として、胆汁中に1α,24,25(OH)3D3、1α,25(OH)2D3-26,23-lactone、1α,25,26(OH)3D3及びこれらの抱合体が検出された。
臨床成績
臨床効果
721例の臨床試験(二重盲検及び一般臨床試験を含む)の成績は表1のとおりであった。
臨床成績の表
表1 疾患別臨床効果
疾患名 例数 有効率(%)
有効以上 有効率(%)
やや有効以上
骨粗鬆症 205 47.3 80.0
慢性腎不全 334 65.6 86.2
副甲状腺機能低下症 141 91.5 99.