投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
6.
血尿(1%未満)、出血性膀胱炎(1%未満):血尿、出血性膀胱炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7.
急性膵炎(1%未満):急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.
消化管穿孔(1%未満)、消化管潰瘍(1%未満)、消化管出血(1%未満):消化管穿孔、消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 全身
1%未満
無力症、疲労、倦怠感
2. 皮膚
10%以上
発疹、そう痒症、皮膚乾燥、皮膚亀裂、ざ瘡等の皮膚症状
3. 皮膚
1~10%未満
爪の障害
4. 皮膚
1%未満
脱毛、皮下出血、皮膚血管炎
5. 眼注1)
1%未満
結膜炎、眼瞼炎、角膜炎、角膜びらん注2)、眼乾燥注3)
6. 消化器
10%以上
下痢
7. 消化器
1~10%未満
嘔気、嘔吐、食欲不振、口内炎
8. 消化器
1%未満
口内乾燥注3)
9. 血液
1%未満
白血球減少、血小板減少
10. 肝臓
10%以上
肝機能障害(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)
11. 過敏症
1%未満
血管浮腫、蕁麻疹
12. その他
1%未満
鼻出血、INR上昇注4)、出血注4)、クレアチニン上昇、蛋白尿、発熱
注1) 眼に異常があらわれた場合には、直ちに眼科的検査を行うなど適切な処置を行うこと。
注2) 症状は可逆的である。異所性睫毛に伴い起こる場合もある。
注3) 他の乾燥症状(主に皮膚症状)に関連して起こる場合もある。
注4) ワルファリンとの併用時にこれらの症状があらわれたとの報告がある。(「相互作用」の項参照)
発現頻度は特別調査「イレッサ錠250プロスペクティブ調査」1)から算出した。なお、本調査で認められなかった副作用については1%未満に記載した。
高齢者への投与
本剤の臨床試験成績から、65歳以上と65歳未満で血漿中濃度及び副作用発現率並びにその程度に差はみられていない。しかし、一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合は、本剤投与によるリスクについて患者に十分説明すること。[妊婦及び授乳婦における使用経験はない。動物実験で胎児重量の減少(ウサギ)、生存出生児数の減少(ラット)及び出生児の早期死亡(ラット)が認められている。]
2.
授乳中の婦人に投与することは避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]
3.
本剤投与中の婦人には妊娠を避けるよう指導すること。
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
海外で実施された化学療法歴のない進行非小細胞肺癌患者を対象とした2つの臨床試験において、本剤とビノレルビンとの併用により、重症の好中球減少や発熱性好中球減少がみられ、臨床試験が中止された。また、日本においても、本剤とビノレルビンとの併用で重篤な好中球減少、白血球減少、血小板減少が報告されている。
2.
国内で実施した特別調査「イレッサ錠250プロスペクティブ調査」1)における多変量解析の結果、喫煙歴有、全身状態の悪い患者、本剤投与時の間質性肺炎の合併、化学療法歴有が急性肺障害、間質性肺炎の発現因子として報告されている。また、全身状態の悪い患者、男性が予後不良因子(転帰死亡)として報告されている。
3.
国内で実施した「非小細胞肺癌患者におけるゲフィチニブ投与及び非投与での急性肺障害?間質性肺炎の相対リスク及び危険因子を検討するためのコホート内ケースコントロールスタディ」(V-15-33)4)において、本剤の急性肺障害?間質性肺炎発症の化学療法に対する相対リスクは、治療法間の患者背景の偏りを調整したオッズ比(調整オッズ比)で3.23(95%信頼区間:1.94-5.40)であった。
4.
国内で実施した1又は2レジメンの化学療法治療歴を有する、進行/転移性(IIIB期/IV期)又は術後再発の非小細胞肺癌患者を対象に本剤(250mg/日投与)とドセタキセル(60mg/m2投与)の生存期間を比較する第III相製造販売後臨床試験(V-15-32)2)において、全生存期間の中央値は、イレッサ群で11.5ヵ月、ドセタキセル群で14.0ヵ月であり(ハザード比:1.12、95.24%信頼区間:0.89-1.40)、全生存期間における本剤のドセタキセルに対する非劣性は示されなかった。
5.
海外で実施された1~2レジメンの化学療法歴のある再発又は進行非小細胞肺癌患者を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検第III相比較臨床試験(ISEL)5)において、腫瘍縮小効果では統計学的に有意差が認められたが、対象患者全体(HR=0.89,p=0.09,中央値5.6ヵ月 vs 5.1ヵ月)、腺癌患者群(HR=0.84,p=0.09,中央値6.3ヵ月 vs 5.4ヵ月)で生存期間の延長に統計学的な有意差は認められなかった。
6.
非臨床の一般薬理試験において、本薬が心電図検査でQT間隔の延長を示す可能性のあることが以下のように示唆されている。イヌプルキンエ線維を用いた刺激伝達試験(in vitro系)において、本薬は濃度依存的に再分極時間を延長させた。またhERG(ヒト電位依存性カリウムチャンネルのαサブユニットをコードする遺伝子)を発現させたヒト胚腎細胞を用いたin vitro試験において、本薬は遅延整流性カリウム電流を濃度依存的に阻害し、心筋の再分極阻害を示唆する結果が得ら