適切な処置を行うこと。
10. 神経障害
末梢性ニューロパチー(1.1%)、ギラン・バレー症候群(0.5%)等の神経障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
11. 重症筋無力症
重症筋無力症(頻度不明注4))があらわれることがあるので、筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与する等の適切な処置を行うこと。また、重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。
12. 重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明注4))、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注4))、多形紅斑(0.3%)等の重度の皮膚障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
13. 腎機能障害
急性腎障害(0.3%)、腎不全(頻度不明注4))、尿細管間質性腎炎(頻度不明注4))等の腎機能障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
14. 筋炎、横紋筋融解症
筋炎(頻度不明注4))、横紋筋融解症(0.2%)があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
15. Infusion reaction
Infusion reaction(0.8%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。また、重度のInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
注4)各事象の発現頻度は、OAK試験の頻度を記載し、OAK試験以外で報告された副作用については頻度不明とした。
その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
(頻度不明は※)
1. 精神神経系
1%以上~5%未満
頭痛、不眠症、味覚異常、浮動性めまい、錯感覚
2. 眼
1%未満
眼乾燥
3. 消化器
5%以上又は頻度不明注4)
悪心(8.7%)、食欲減退(8.5%)、下痢(7.7%)、嚥下障害※
4. 消化器
1%以上~5%未満
便秘、嘔吐、口内炎、腹痛、口内乾燥
5. 循環器
1%未満
潮紅、低血圧
6. 呼吸器
1%以上~5%未満
咳嗽、呼吸困難、上気道感染、胸水、肺炎
7. 呼吸器
1%未満
低酸素症、鼻閉
8. 皮膚
5%以上又は頻度不明注4)
発疹(6.9%)、そう痒症(6.2%)
9. 皮膚
1%以上~5%未満
皮膚乾燥、斑状丘疹状皮疹
10. 皮膚
1%未満
ざ瘡様皮膚炎、そう痒性皮疹、乾癬、紅斑、寝汗、蕁麻疹
11. 筋骨格系
1%以上~5%未満
関節痛、筋肉痛、筋骨格痛、背部痛
12. 筋骨格系
1%未満
四肢痛、筋骨格系胸痛、筋痙縮
13. 膵
5%以上又は頻度不明注4)
アミラーゼ増加※、リパーゼ増加※
14. 泌尿器
1%未満
血中クレアチニン増加
15. 血液
1%以上~5%未満
貧血、血小板減少、リンパ球減少、好中球減少、白血球減少
16. 代謝
1%以上~5%未満
低ナトリウム血症、低アルブミン血症、低カリウム血症、高血糖、低マグネシウム血症
17. 代謝
1%未満
高カリウム血症、脱水、低リン酸血症、血中甲状腺刺激ホルモン増加、低カルシウム血症
18. その他
5%以上又は頻度不明注4)
疲労(14.3%)、無力症(8.4%)、発熱(8.2%)
19. その他
1%以上~5%未満
体重減少、インフルエンザ様疾患、末梢性浮腫、悪寒、けん怠感、粘膜の炎症
20. その他
1%未満
過敏症
注4)各事象の発現頻度は、OAK試験の頻度を記載し、OAK試験以外で報告された副作用については頻度不明とした。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
本剤の妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊法を用いるように指導すること。[本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。本剤を投与すると、胎児に対する免疫寛容が妨害され、流産率又は死産率が増加する可能性がある。また、ヒトIgGは胎盤を通過することが知られており、本剤は母体から胎児へ移行する可能性がある。]
2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[本剤のヒト乳汁中への移行性については不明であるが、ヒトIgGはヒト乳汁中に排出されることが知られている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
1. 調製時
(1)
調製時には、日局生理食塩液以外は使用しないこと。
(2)
調製時は静かに転倒混和すること。
(3)
用時調製し、調製後は速やかに使用すること。
2. 投与時
(1)
0.2又は0.22μmのインラインフィルターを使用すること。
(2)
点滴静注のみとし、静脈内大量投与、急速静注はしないこと。
その他の注意
1.
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
2.
カニクイザルに本剤50mg/kgを週1回、26週間反復投与した毒性試験において、雌動物に月経周期異常が認められたとの報告