において本薬はCYP2C19の活性を阻害した(Ki値:7.9及び8.6μM)が、CYP2A6、CYP1A2、CYP2D6、CYP2E1、CYP2C9及びCYP3A4の活性については阻害しないかわずかな阻害作用を示した7),8)。
外国人のデータでは、ジアゼパム、フェニトイン又はワルファリン(R-ワルファリン)(以上、CYP2C19の基質)と本剤の併用により、ジアゼパム、フェニトインのAUCはそれぞれ81%、13%増大し、R-ワルファリンの血漿中トラフ濃度は13%上昇した9)。エソメプラゾールとクラリスロマイシン及びアモキシシリン水和物の併用により、クラリスロマイシン及びアモキシシリン水和物の血漿中濃度に影響しなかったが、クラリスロマイシンの14位水酸化代謝物のAUCτは増大した。また、エソメプラゾールのAUCτは非併用時の約2倍に増大した9)。キニジン9)、ナプロキセン10)、ロキソプロフェンナトリウム11)、アスピリン12)と本剤の併用では相互作用は認められなかった。
7. 血漿蛋白結合
エソメプラゾール(添加濃度:2又は20μmol/L)のヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は97%であった4)。
薬物動態の表
単回投与
投与量 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) AUC(ng・hr/mL) T1/2(hr)
10mg 245.2
(186.5-328.1) 2.50
(1.00-5.00) 552.6a)
(369.6-822.1) 1.05a)
(0.85-1.31)
20mg 490.5
(369.6-645.9) 2.75
(0.75-6.00) 1115.6
(801.3-1557.8) 1.08
(0.91-1.26)
Tmaxは中央値(最小値-最大値)、それ以外は幾何平均(95%信頼区間)、a) n=23
反復投与
投与量 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) AUC(ng・hr/mL) T1/2(hr)
10mg 376.5
(283.2-497.4) 1.75
(1.00-5.00) 822.1a)
(556.1-1219.3) 1.16a)
(0.94-1.43)
20mg 884.2
(670.1-1167.5) 2.25
(1.00-4.00) 2068.9
(1485.2-2880.6) 1.25
(1.06-1.46)
Tmaxは中央値(最小値-最大値)、それ以外は幾何平均(95%信頼区間)、a) n=23
幼児及び小児の薬物動態パラメータ
被験者の年齢及び体重 投与量(mg) n エソメプラゾールの薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)a エソメプラゾールの薬物動態パラメータ
Tmax(hr)b エソメプラゾールの薬物動態パラメータ
AUCτ(ng・hr/mL)a エソメプラゾールの薬物動態パラメータ
T1/2(hr)c
1歳以上10kg以上20kg未満 10 9 854(141.7%) 1.58(1.03-5.92) 2261(42.6%)d 0.80±0.18d
1~11歳20kg以上 10 10 537(110.4%) 1.52(0.92-6.00) 995(78.3%)e 0.97±0.55e
1~11歳20kg以上 20 10 1908(41.5%) 1.47(0.93-1.52) 3459(50.9%) 1.08±0.44
12~14歳20kg以上 10 9 311(91.7%) 1.57(0.93-2.95) 619(105.5%) 1.37±0.88
12~14歳20kg以上 20 10 981(51.3%) 1.75(0.95-3.00) 1918(33.6%) 1.06±0.25
a) 幾何平均値(変動係数) b) 中央値(最小値-最大値)
c) 平均値±標準偏差 d) n=7 e) n=9
臨床成績
成人
1. 逆流性食道炎
逆流性食道炎を対象とした二重盲検比較試験では、オメプラゾール20mg、エソメプラゾール20mg又は40mgが1日1回最大8週間投与され、投与8週時のそれぞれの治癒率[95%信頼区間]は87.4%(166/190例)[81.9%、91.4%]、87.3%(165/189例)[81.8%、91.3%]及び90.0%(171/190例)[84.9%、93.5%]であり、オメプラゾール20mgに対する本剤20mg及び40mgの非劣性が認められている13)。また、逆流性食道炎の治癒患者を対象とした二重盲検比較試験において、オメプラゾール10mgと比較したエソメプラゾール10mg及び20mgの1日1回24週間投与時における逆流性食道炎の再発抑制効果が認められている14)。
臨床成績の表「逆流性食道炎」参照
Kaplan-Meier法による逆流性食道炎の非再発率
2. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
消化性潰瘍の既往を有するNSAID継続服用患者を対象とした二重盲検比較試験においてエソメプラゾール20mgの1日1回24週間投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制効果が認められている15)。
臨床成績の表「NSAID投与時における再発抑制」参照
Kaplan-Meier法による胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の非発症率
また、消化性潰瘍の既往を有するNSAID継続服用患者を対象としたエソメプラゾール20mgの1日1回52週間投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の非発症率は以下のとおりである16)。
臨床成績の表「NSAID継続服用時における非発症率」参照
3. 低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
消化性潰瘍の既往を有する低用量ア