え)[リツキシマブ後続1]製剤を指す。
小児等への投与
1.
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎:低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
2.
免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患:低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
適用上の注意
1. 調製時
(1)
希釈液として生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液以外は使用しないこと。
(2)
抗体が凝集するおそれがあるので、希釈時及び希釈後に泡立つような激しい振動を加えないこと。
(3)
希釈後の液は速やかに使用すること。また、使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
2. 投与時
(1)
本剤の投与は点滴静注のみとし、急速静注、静脈内大量投与はしないこと。
(2)
他剤との混注はしないこと。
(3)
タンパク質溶液であるために、わずかに半透明の微粒子がみられることがあるが、これにより本剤の薬効は影響を受けない。なお、これ以外の外観上の異常を認めた場合には使用しないこと。
その他の注意
本剤が投与された患者ではヒト抗キメラ抗体を生じることがあり、これらの患者に再投与された場合は、アレルギー、過敏反応等が発現するおそれがある。
薬物動態
関節リウマチ患者(国内未承認)を対象とした外国第II相試験(GP13-201試験)3)
標準的な疾患修飾性抗リウマチ薬及び1種類ないし最大3種類の抗TNF療法に効果不十分又は不忍容の関節リウマチ患者173例に、メトトレキサート併用下(7.5~25mg/週)、本剤又は先行バイオ医薬品*1000mgを2週間間隔で2回点滴静注した。24週後までの血清中濃度のAUC0-infの幾何平均値の比(本剤/先行バイオ医薬品*)は1.064であり、その90%信頼区間[0.968、1.169]は生物学的同等性許容域[0.8、1.25]の範囲内であったことから、両剤の同等性が確認された。
薬物動態の表
本剤又は先行バイオ医薬品*を2週間間隔で2回点滴静注したときの薬物動態パラメータ
AUC0-inf
(day・μg/mL) Cmax1
(μg/mL) Cmax2
(μg/mL) T1/2
(hr)
本剤 8005.04±2653.76
[n=75] 395.14±191.60
[n=79] 428.18±135.13
[n=76] 385.74±158.58
[n=77]
先行バイオ医薬品* 7563.06±3000.58
[n=70] 339.73±120.48
[n=77] 418.12±159.92
[n=75] 385.06±108.26
[n=72]
平均値±標準偏差
Cmax1:注入1回目後の最大血清中濃度
Cmax2:注入2回目後の最大血清中濃度
*先行バイオ医薬品:MabThera(欧州で承認されているリツキシマブ(遺伝子組換え)製剤)
臨床成績
1. 本剤の臨床成績
進行期ろ胞性リンパ腫患者を対象とした国際共同第III相試験(GP13-301試験)4)
未治療の進行期ろ胞性リンパ腫患者627例(日本人29例を含む)に本剤又は先行バイオ医薬品*(R-CVPレジメン:本剤又は先行バイオ医薬品*、シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾン[国内未承認]又はプレドニゾロン)が投与された。主要評価項目である中央盲検判定による奏効率(完全奏効又は部分奏効)は、本剤群87.1%、先行バイオ医薬品*群87.5%であり、奏効率の差の95%信頼区間は事前に定めた同等性許容域[-12%、+12%]の範囲内であったことから、本剤と先行バイオ医薬品*の治療効果の同等性が確認された。(表1参照)
2. 先行バイオ医薬品注2)の臨床成績
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用による寛解導入療法・維持療法
〈国内臨床第II相試験(IDEC-C2B8-6試験)における成績〉
未治療の低悪性度又はろ胞性非ホジキンリンパ腫患者に、R-CHOPレジメン(先行バイオ医薬品注2)、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロンの併用)による寛解導入療法を実施した。寛解導入療法により効果が認められた患者に先行バイオ医薬品注2)維持療法(375mg/m2を8週間隔で最大12回投与)を実施した。全解析対象集団は本試験に登録された62例であった。寛解導入療法終了時の全解析対象集団における奏効率(95%信頼区間)は95.2%(86.5、99.0%)であった。本試験登録日からのPFS(progression-free survival:無増悪生存期間)について、全解析対象集団における4年PFS率(95%信頼区間)は69.8%(55.9、80.0%)であった(リツキサン注10mg/mLの添付文書による)。
〈国外臨床第III相試験(PRIMA試験)における成績〉
未治療のろ胞性非ホジキンリンパ腫患者に、R-CHOPレジメン(先行バイオ医薬品注2)、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾン[国内未承認]の併用)、R-CVPレジメン(先行バイオ医薬品注2)、シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾン[国内未承認]の併用)又はR-FCMレジメン(先行バイオ医薬品注2)、フルダラビンリン酸エステル、シクロホスファミド水和物及びミトキサントロン塩酸塩の併用)による寛解導入療法を実施した。寛解導入療法により効果が認められた患者に先行バイオ医薬品注2)維持療法(375mg/m2を8週間隔で最大12回投与)又は無治療観察を実施した。全解析対象集団は1,193例であった。881例にR-CHOPレジメン、268例にR-CVPレジメン、44例にR-FCMレジメンが実施され、寛解導入療法終了時の奏効率(95%信頼区間)は、それぞれ92.8%(90.9、94.5%)、84.7%(79.8、88.8%)、75.0%(59.7、86.8%)であった。維持療法について、治験責任医師判定によるPFSの結果は以下のとおりであった(リツキサン注10mg/mLの添付文書による)。(表2参照)
〈国外臨床第III相試験(EORTC20981試験)における成績〉
再発又は難治性