性のB細胞性リンパ増殖性疾患
○ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎
※CD:cluster of differentiation
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
本剤投与の適応となる造血器腫瘍の診断は、病理診断に十分な経験をもつ医師又は施設により行うこと。
2.
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患に用いる場合は、免疫組織染色法又はフローサイトメトリー法等によりCD20抗原の検査を行い、陽性であることが確認されている患者のみに投与すること。
3.
ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎については、初発例を含む疾患活動性が高い患者、既存治療で十分な効果が得られない患者等に対して本剤の投与を考慮すること。
用法及び用量
1.
〈CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に用いる場合〉
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用する抗悪性腫瘍剤の投与間隔に合わせて、1サイクルあたり1回投与する。
維持療法に用いる場合は、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]として1回量375mg/m2を点滴静注する。投与間隔は8週間を目安とし、最大投与回数は12回とする。
〈免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患に用いる場合〉
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。
〈ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎に用いる場合〉
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。
2.
本剤は用時生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて10倍に希釈調製し使用する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
本剤投与時に頻発してあらわれるinfusion reaction(発熱、悪寒、頭痛等)を軽減させるために、本剤投与の30分前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤等の前投与を行うこと。また、副腎皮質ホルモン剤と併用しない場合は、本剤の投与に際して、副腎皮質ホルモン剤の前投与を考慮すること。
2.
初回投与時は、最初の30分は50mg/時の速度で点滴静注を開始し、患者の状態を十分観察しながら、その後注入速度を30分毎に50mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで速度を上げることができる。また、2回目以降の注入開始速度は、初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100mg/時まで上げて開始し、その後30分毎に100mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。なお、患者の状態により、注入開始速度は適宜減速すること。
3.
注入速度に関連して血圧下降、気管支痙攣、血管浮腫等の症状が発現するので本剤の注入速度を守り、注入速度を上げる際は特に注意すること。症状が発現した場合は注入速度を緩めるかもしくは中止する。重篤な症状の場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。また、投与を再開する場合は症状が完全に消失した後、中止時点の半分以下の注入速度で投与を開始する。
4.
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する維持療法に用いる場合は、先行バイオ医薬品注2)の臨床試験に組み入れられた患者の組織型等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、国内外の最新のガイドライン等を参考に本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
5.
中・高悪性度リンパ腫に対する本剤の維持療法の有効性及び安全性は確立していない。
6.
他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、先行バイオ医薬品注2)の臨床試験において検討された投与間隔、投与時期等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。
7.
本剤の再投与に関しては、実施の可否を慎重に検討すること。
注2)「先行バイオ医薬品」は、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]製剤を指す。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者[免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。HBs抗体陽性患者に先行バイオ医薬品注2)を投与した後、HBs抗体が陰性の急性B型肝炎を発症した例が報告されている。]
2.
心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者[投与中又は投与後に不整脈、狭心症等を悪化又は再発させるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]
3.
肺浸潤、肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者[投与中又は投与直後に気管支痙攣や低酸素症を伴う急性の呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]
4.
重篤な骨髄機能低下のある患者あるいは腫瘍細胞の骨髄浸潤がある患者[好中球減少及び血小板減少を増悪させ重篤化させるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]
5.
降圧剤による治療中の患者[本剤投与中に一過性の血圧下降があらわれることがある。]
6.
薬物過敏症の既往歴のある患者
7.
アレルギー素因のある患者
注2)「先行バイオ医薬品」は、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]製剤を指す。
重要な基本的注意
1.
先行バイオ医薬品注2)の初回投与中又は投与開始後24時間以内に多くあらわれるinfusion reaction(症状:発熱、悪寒、悪心、頭痛、疼痛、そう痒、発疹、咳、虚脱感、血管浮腫等)が約90%の患者において報告されている。これらの症状は、通常軽微~中等度で、主に先行バイオ医薬品注2)の初回投与時にあらわれている。患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は適切な処置(解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤等の投与)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること(「重大な副作用」の項参照)。
2.
抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を行った患者においても、重篤なinfusion reactionが発現したとの報告があるので、患者の状態を十分に観察すること。
3.
不整脈や狭心症等の心機能障害を合併する患者又はその既往歴のある患者に投与する場合は、投与中又は投与直後に心電図、心エコー等によるモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること(「重大な副作用」の項参照)。