オナミド、ピラジナミド及びサイクロセリン/terizidone)に加えてプラセボ又は本剤400mgを1日1回投与(投与開始後2週間)し、その後22週間はプラセボ又は本剤200mgを週3回投与した(有効性解析対象例:本剤群66例、プラセボ群66例)。主要評価項目である喀痰培養陰性化までの時間(中央値)は、本剤群83日及びプラセボ群125日であり、統計学的な有意差が認められた[治験実施医療機関及び肺空洞化を共変量としたCox比例ハザードモデル、ハザード比(95%CI):2.44(1.57;3.80),p<0.0001]。また、24週時の喀痰培養陰性化率は、本剤群78.8%(52/66例)及びプラセボ群57.6%(38/66例)であった。
また、QTcF間隔の延長が認められ、変化量の平均値は第1週時に本剤9.9ms、プラセボ3.5msであった。本剤による24週の治療期間におけるQTcF間隔の最大平均増加量は、15.7ms(18週目)であった。プラセボ群におけるQTcF間隔の最大平均増加量は、6.2ms(18週目)であった。
3. 海外臨床試験(第II相試験:C209試験)22)
多剤耐性肺結核患者(超多剤耐性肺結核患者を含む)を対象に、結核治療薬に加えて開始2週間は本剤400mgを1日1回投与し、その後22週間は本剤200mgを週3回投与した(有効性解析対象例:本剤投与205例)。主要評価項目である喀痰培養陰性化までの時間(中央値)は57日、24週時の喀痰培養陰性化率は79.5%(163/205例)であった。
表10 喀痰培養陰性化までの時間の中央値及び喀痰培養陰性化率
C208試験Stage2
本剤群
(66例) C208試験Stage2
プラセボ群
(66例) C209試験
本剤群
(205例) TBC2001試験
本剤群
(4例)
喀痰培養陰性化までの時間の中央値(日) 83 125 57 14又は15a
24週での喀痰培養陰性化率[%(例数)] 78.8
(52/66) 57.6
(38/66) 79.5
(163/205) 100(4/4)
a 個別値
薬効薬理
1. 作用機序23)
本剤は、結核菌のATP合成酵素を阻害して抗菌活性を示す。
2. 抗菌作用
(1) In vitro抗菌活性24)、25)
本剤は、多剤耐性結核菌及び超多剤耐性結核菌を含むマイコバクテリウム属に対して抗菌活性を示す。
(2) In vivo抗菌活性25)
結核菌を用いたマウス感染モデルに対して、本剤は感染防御効果を示した。
3. 耐性機序26)、27)
結核菌の本剤に対する耐性機序は、ATP合成酵素の遺伝子atpE及び薬剤排出ポンプMmpS5-MmpL5の調節遺伝子Rv0678の変異である。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ベダキリンフマル酸塩(JAN)
Bedaquiline Fumarate(JAN)
化学名
(1R,2S)-1-(6-Bromo-2-methoxyquinolin-3-yl)-4-(dimethylamino)-2-(naphthalen-1-yl)-1-phenylbutan-2-ol monofumarate
分子式
C32H31BrN2O2・C4H4O4
分子量
671.58
化学構造式
性状
白色の粉末
溶解性
水 0.007(g/100mL)
エタノール 2.4(g/100mL)
2-プロパノール 0.64(g/100mL)
メタノール 14(g/100mL)
アセトニトリル 0.38(g/100mL)
融点
210℃(分解)
取扱い上の注意
小児の手の届かない所に保管すること。
遮光のため、服用直前までPTPシートから取り出さないで下さい。
承認条件
1.
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2.
日本人での投与経験が極めて限られていることから、製造販売後一定期間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
包装
6錠(6錠×1)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験(社内資料TMC207-TOX9296)
2)
マウス13週間反復強制経口投与毒性試験(社内資料TMC207-TOX7419)
3)
ラット1カ月間反復強制経口投与毒性試験(社内資料TMC207-TOX6017)
4)
ラット26週間反復強制経口投与毒性試験(社内資料TMC207-TOX7421)
5)
イヌ1カ月間反復強制経口投与毒性試験(社内資料TMC207-TOX6018)
6)
イヌ26週間反復強制経口投与毒性試験(社内資料TMC207-TOX6612)
7)
イヌ39週間反復強制経口投与毒性試験(社内資料TMC207-TOX9239)
8)
TMC207の健康成人被験者に対する臨床成績(社内資料R207910-CDE-101)
9)
TMC207の健康成人被験者に対する臨床成績(社内資料R207910-CDE-102)
10)
TMC207の多剤耐性肺結核を有する日本人患者に対する臨床成績(社内資料TMC207-TBC2001)
11)
TMC207の多剤耐性肺結核を有する外国人患者に対する臨床成績(社内資料TMC207-C208 stage 2)
12)
TMC207の健康成人被験者に対する臨床成績(社内資料TMC207-C108)
13)
TMC207の肝機能障害患者に対する臨床成績(社内資料TMC207-C112)
14)
TMC207の母集団薬物動態解析に関する検討(社内資料TMC207-201105)
15)
TMC207の健康成人被験者に対する薬物相互作用の検討(社内資料TMC207-BAC1003)
16)
TMC207の健康成人被験者に対する薬物相互作用の検討(社内資料TMC207-C104)
17)
TMC207の健康成人被験者に対する薬物相互作用の検討(社内資料TMC207-C109)
18)
TMC207の健康成人被験者に対する薬物相互作用の検討(社内資料TMC207-C110)
19)
TMC207の健康成人被験者に対する薬物相互作用の検討(社