害患者(Child-Pugh分類B、8例)にベダキリン400mgを食後に単回経口投与した。中等度肝機能障害患者における血漿中ベダキリンのCmax、AUC72h及びAUClastは、健康成人と比較して、それぞれ14%、27%及び19%低下したが、PKパラメータの分布はほぼ重なっていた13)。なお、重度肝機能障害患者における試験は実施されていない。
6. 腎機能障害患者(外国人成績)
母集団薬物動態解析の結果、クレアチニンクリアランス(中央値:108mL/min、範囲:39.8~227mL/min)は、多剤耐性肺結核患者(本剤を1日200mg週3回投与)のベダキリンの血漿中曝露量に影響を及ぼす共変量ではなかった。この結果、軽度から中等度の腎機能障害患者において臨床的に意義のあるベダキリンの血漿中曝露量の変化はないものと考えられた14)。なお、重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者における試験は実施されていない。
7. 薬物相互作用
(1) In vitro試験成績
ベダキリンはOATP1B及びOCT1の基質であり、M2はP-gpの基質である。
(2) 臨床成績(外国人における成績)
表8、表9参照
8. QT/QTc間隔に対する影響(外国人成績)
健康成人(44例)において、ランダム化、二重盲検、プラセボ及び陽性(モキシフロキサシン400mg)対照、並行群間試験でQT/QTc間隔に対する、本剤800mg単回投与の影響を検討した。その結果、QTcF間隔のベースラインからの変化量について、記録時点を対応させたベダキリン投与とプラセボ投与の差の90%信頼区間(1.5,8.9)の上限値は10ms未満であった20)。
表1 外国人健康成人に本剤を食直後に単回経口投与したときの血漿中ベダキリンの薬物動態パラメータ
ベダキリン
薬物動態
パラメータ 10mg 30mg 100mg 300mg 450mg 700mg
例数 6 6 6 6 6 6
tmax
(h) 6.0
(6.0,8.0) 5.0
(5.0,5.0) 5.0
(2.0,6.0) 5.0
(2.0,6.0) 5.0
(2.0,5.0) 5.0
(5.0,6.0)
Cmax
(ng/mL) 68.6
(14.8) 276
(64) 854
(283) 2547
(1305) 3755
(1165) 6747
(2210)
AUC∞
(ng・h/mL) 1700
(291) 6052
(1861) 18134
(6577) 53113
(17911) 79179
(31794) 133125
(44913)
t1/2
(h) 162
(84) 143
(31) 135
(24) 169
(19) 117
(19) 172
(37)
平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
表2 外国人健康成人に本剤を1日1回食直後に反復経口投与したときの血漿中ベダキリンの薬物動態パラメータ(1日目及び14日目)
ベダキリン
薬物動態パラメータ 50mg q.d. 150mg q.d. 400mg q.d.
Day1
例数 6 6 6
tmax(h) 5.0(5.0,6.0) 5.0(5.0,5.0) 4.0(2.0,5.0)
Cmax(ng/mL) 428(112) 1132(401) 3005(493)
C24h(ng/mL) 63.4(10.0) 180(53.0) 512(114)
AUC24h(ng・h/mL) 3989(830) 9922(3199) 27206(5361)
Day14
例数 6 5 6
tmax(h) 5.0(5.0,6.0) 5.0(5.0,5.1) 5.0(3.0,6.0)
Cmax(ng/mL) 590(116) 1972(559) 4298(1315)
C24h(ng/mL) 187(44.0) 604(147) 1280(309)
AUC24h(ng・h/mL) 7914(2009) 24265(5670) 51525(10123)
t1/2(h) 169(77) 167(48) 173(35)
平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
表3 外国人健康成人に本剤を1日1回食直後に反復経口投与したときの血漿中M2の薬物動態パラメータ(1日目及び14日目)
M2
薬物動態パラメータ 50mg q.d. 150mg q.d. 400mg q.d.
Day1
例数 6 6 6
tmax(h) 8.0(6.0,12.0) 12.0(6.0,23.9) 8.0(6.0,12.0)
Cmax(ng/mL) 6.84(1.56) 20.8(7.9) 52.3(18.5)
C24h(ng/mL) 4.89(1.33) 16.1(4.1) 40.5(13.7)
AUC24h(ng・h/mL) 114(30.6) 365(142) 842(211)
Day14
例数 6 5 6
tmax(h) 10.0(0.0,12