中3例(50%)に認められた。副作用は、肝機能異常1例(16.7%)、血沈亢進1例(16.7%)、ざ瘡1例(16.7%)であった。
多剤耐性肺結核患者を対象とした海外後期第II相試験において、副作用(臨床検査値の異常を含む)は335例中166例(49.6%)に認められた。主な副作用は、悪心61例(18.2%)、関節痛57例(17.0%)、頭痛44例(13.1%)、嘔吐41例(12.2%)であった。
重大な副作用
1. QT延長
2.7%
QT延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
2. 肝機能障害
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 精神神経系
5%以上
頭痛、浮動性めまい
2. 消化器
5%以上
悪心、嘔吐、下痢
3. 肝臓
5%以上
トランスアミナーゼ上昇
4. 筋・骨格
5%以上
関節痛
5. 筋・骨格
1~5%未満
筋肉痛
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には、使用上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。ラットの器官形成期に投与したとき、日本人患者における曝露量の1.7倍で胎児に軽度の体重減少が認められた。]
2.
授乳婦に投与するときは授乳を中止させること。[本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、ラットでは、乳汁中の本薬濃度は、母動物の血漿中で観察される本薬濃度よりも6~12倍高かった。ラットにおいて、授乳期間中の出生児に乳汁を介した曝露による体重増加量減少が認められた1)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
過量投与に関するデータは限られている。健康成人(44例)に本剤800mgを単回投与した場合、予測できない副作用は報告されていない。
処置
本剤を過量投与した場合、バイタルサイン及び臨床症状の観察並びに心電図(QT間隔)の測定等、一般的な支持療法を行う。なお、本剤は血漿蛋白結合率が高いため、透析により除去されないと考えられる。
適用上の注意
薬剤交付時
PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
海外臨床試験(試験期間120週)において、死亡例が本剤投与開始例で12.7%(10/79例)、プラセボ投与開始例で3.7%(3/81例)に認められた。
2.
マウス、ラット及びイヌ反復投与試験において、単核性食細胞系にリン脂質症に関連する色素沈着又は泡沫状マクロファージが観察された。この所見は日本人患者における曝露量より低い曝露量から認められた。休薬により、リン脂質症に関連する所見は回復又は回復傾向を示した2)~7)。
3.
マウスでは日本人患者における曝露量より低い曝露量で、イヌでは日本人患者における曝露量の2.6倍で卵巣の黄体、卵胞及び間質の壊死が認められた2)、6)、7)。
薬物動態
1. 吸収・血漿中濃度
(1) 健康成人における薬物動態(外国人成績)
健康成人に本剤10、30、100、300、450又は700mgを食直後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ及び血漿中ベダキリン濃度推移を表1及び図1に示す8)。
図1 外国人健康成人に本剤を食直後に単回経口投与したときの平均血漿中ベダキリン濃度-時間推移(片対数スケール)
健康成人に本剤を1日1回食直後に反復経口投与したときの血漿中ベダキリン及びM2(主代謝物)の薬物動態パラメータ(1日目及び14日目)を表2及び表3に示す9)。
(2) 患者における薬物動態
1) 国内臨床試験(第II相試験:TBC2001試験)10)
多剤耐性肺結核を有する日本人患者を対象に、結核治療薬に加えて開始2週間は本剤400mgを1日1回食後投与し、その後22週間は本剤200mgを週3回食後投与したときの血漿中ベダキリン及びM2の薬物動態パラメータ(投与開始後2週目及び24週目)をそれぞれ表4及び表5に示す。
2) 海外臨床試験(第II相試験:C208試験Stage2)11)
多剤耐性肺結核患者を対象に、結核治療薬(カナマイシン、オフロキサシン、エチオナミド、ピラジナミド及びサイクロセリン/terizidone)に加えて開始2週間は本剤400mgを1日1回食直後投与し、その後22週間は本剤200mgを週3回食直後投与したときの血漿中ベダキリン及びM2の薬物動態パラメータ(投与開始後2週目及び24週目)をそれぞれ表6及び表7に示す。
(3) 食事の影響(外国人成績)
健康成人に本剤100mgを絶食下又は食直後に単回経口投与し、ベダキリンの薬物動態を比較した。食直後に投与したとき、絶食下で投与したときと比較して、Cmax及びAUClastの幾何平均の比(90%信頼区間)はそれぞれ2.63(2.23,3.09)倍及び1.95(1.67,2.26)倍であった12)。
2. 血漿蛋白結合率
ヒトにおけるベダキリン及びM2の血漿蛋白結合率は、いずれも99%以上であった(in vitro、平衡透析法)。
3. 代謝
ベダキリン及びその主代謝物であるN-モノ脱メチル化されたM2は、いずれも主にチトクロームP450(CYP)3A4によって代謝される。外国人健康成人にベダキリン50~400mgを食直後に14日間反復投与したとき、血漿中の主要代謝物はM2であり、その曝露量はベダキリンの約20%であった9)。
4. 排泄
非臨床試験では、ベダキリンは主に糞中に排泄された。臨床試験では、ベダキリン未変化体の尿中排泄はわずかであり、尿中排泄はベダキリンの主消失経路ではないことが示唆された。また、多剤耐性肺結核患者にベダキリン400mgを7日間反復投与した後の糞便中には、薬剤由来物質のうちの75~85%がベダキリン未変化体であった。
5. 肝機能障害患者(外国人成績)
健康成人(8例)及び中等度肝機能障