しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具消毒)。
(3)
寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
(4)
開封後直ちに使用し、残液は決して使用しないこと。
薬効薬理
1. 末梢循環血流改善作用
(1) 赤血球凝集解離作用
ヒト赤血球を用いたin vitroの実験で、デキストラン40は赤血球表面の負電荷を増強し、赤血球凝集解離作用を示した1)。
また、デキストラン40はウサギの肝臓に形成した血管内赤血球凝集を解離し、末梢血流を改善した2)。
(2) 血液粘度低下作用
デキストラン40は、術後ショック患者の血液粘度を低下させた3)。
2. 血圧維持効果
脱血成犬に本剤を投与した結果、血圧、心拍数、股動脈血流量の改善維持効果が認められた4)。
3. 血栓予防効果
通電法により両大腿動脈血栓を作成したヒツジを用いた実験で、デキストラン40は優れた血栓予防及び溶解効果を示した5)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
デキストラン40
分子量:
約40,000(平均分子量)
構造式:
性状:
白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水に徐々に溶解する。吸湿性である。
取扱い上の注意
1.
安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3 年間)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された6)。
2.
保存中の温度変化による局部的濃縮のため、まれに不溶性デキストランを析出することがある(鱗片状又は凝縮物)。
3.
不溶性デキストランの析出を認めた場合、これを使用しないこと。
4.
このような事例の発生を防止するため、下記の「貯法」の項を参照して保存すること。
5.
注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
6.
ソフトバッグ製品は、原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
7.
包装内に水滴が認められるものや内容液が着色又は混濁しているものは使用しないこと。
8.
容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
貯法(保存条件):
室温保存。ただし、不溶性デキストランの析出を防止するため、次の点に留意する。
(1)
温度変化の少ない場所で保存すること。例えばクーラーの吹き出し口付近等、温度変化の著しい場所での保存は避けること。
(2)
不溶性デキストランの析出は、ゴム栓とソフトバッグ容器内壁との接触溝付近で発生しやすいため7)、横積み状態での保存に努めること。
(3)
温度変化の影響を少なくするため、ソフトバッグを包んでいる外袋は開封しないことが望ましい。
包装
低分子デキストラン糖注 500mL 20 袋 ソフトバッグ入り
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
青地 修,他:麻酔 1966;15(12):1308-1313
2)
Gelin,L.E.,et al.:Surgery 1961;49:713-718
3)
Yao,S.T.,et al.:Ann.Surg. 1966;164:973-984
4)
上山英明,他:新薬と臨床 1976;25(1):125-137
5)
Hunt,P.S.,et al.:Med.J.Aust. 1967;1:539-541
6)
品質統括部:社内資料(安定性試験)
7)
中島徳保,他:薬学雑誌 1975;95(6):749-752
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
**株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
**〒101‐0048 東京都千代田区神田司町2‐2
**TEL:0120-719-814
**FAX:03‐5296‐8400
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115