出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こり、出血時間が延長することがある。]
5.
肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある。]
6.
**腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量が減少し、非乏尿性の急性腎障害が起こることがある。]
7.
心機能異常のある患者(「禁忌」の項参照)
8.
過敏症の既往歴のある患者[過敏症(発疹等の皮膚症状)を再発させることがある。]
9.
気管支喘息のある患者[病態を悪化させることがある。]
10.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
11.
SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[病態を悪化させることがある。]
12.
高血圧症の患者[病態を悪化させるおそれがある。]
13.
潰瘍性大腸炎の患者[病態を悪化させることがある。]
14.
クローン氏病の患者[病態を悪化させるおそれがある。]
15.
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児[代謝・排泄機能が未熟である。]
16.
食道通過障害のある患者[食道潰瘍が起こることがある。]
重要な基本的注意
1.
小児のインフルエンザに伴う発熱に対しては、原則として本剤を投与しないこと。
2.
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
3.
慢性疾患(変形性関節症)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
(1)
長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
(2)
薬物療法以外の療法も考慮すること。
4.
急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
(1)
急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。
(2)
原則として同一薬剤の長期投与を避けること。
(3)
原因療法があればこれを行うこと。
5.
患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
6.
感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。
7.
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
8.
高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
9.
めまい、眠気があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
臨床症状・措置方法
その抗凝血作用を増強することがあるので注意し、必要があれば減量すること。
機序・危険因子
以下のような機序が考えられる。
(1)in vitroにおいて、本剤がワルファリンをアルブミン結合部位から遊離置換させ、遊離の活性ワルファリンが増加するとの報告がある。
(2)本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により血小板凝集が抑制され、血液凝固能が低下する。
(3)本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により消化管粘膜障害が起こり、出血が起こりやすくなる。
2. 薬剤名等
**第Xa因子阻害剤
臨床症状・措置方法
出血の危険性を増大させるおそれがある。
機序・危険因子
抗血栓作用を増強するためと考えられる。
3. 薬剤名等
リチウム製剤
炭酸リチウム
臨床症状・措置方法
血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすことがあるので血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること。
機序・危険因子
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、炭酸リチウムの腎排泄が減少し血中濃度が上昇するためと考えられる。
4. 薬剤名等
チアジド系利尿剤
ヒドロクロロチアジド等
臨床症状・措置方法
その利尿・降圧作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、水、ナトリウムの排泄を減少させるためと考えられる。
5. 薬剤名等
降圧剤
ACE阻害剤
アンジオテンシンII受容体拮抗剤等
臨床症状・措置方法
その降圧作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のプロスタグランジンの生合成抑制作用により、これらの薬剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
6. 薬剤名等
降圧剤
ACE阻害剤
アンジオテンシンII受容体拮抗剤等
臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがある。
機序・危険因子
本剤のプロスタグランジンの生合成抑制作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
総症例12,070例(散剤を含む)中、795例(6.59%)に副作用が認められ、主な副作用は、消化器-胃腸障害(0.90%)、悪心(0.88%)、下痢・軟便(0.55%)、過敏症-発疹(0.31%)等であった。〔非ステロイド性消炎鎮痛剤の再点検結果〕
重大な副作用
1. **ショック、アナフィラキシー
頻度不明
ショック、アナフィラキシー(胸内苦悶、冷汗、喉頭浮腫、呼吸困難、四肢しびれ感、低血圧、結膜充血等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 溶血性貧血、無顆粒球症
頻度不明
自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、顆粒球減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、高齢者では長期投与した場合、自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 骨髄形成不全
頻度不明
骨髄形成不全があらわれることがあるので、血液