液平衡の是正を目的として腹腔内へ腹膜カテーテルを通じて注入し、一定時間経過後排液するものである。浸透と拡散は透析液と患者の血漿間の腹膜を介して行われる。これにより、血漿電解質濃度は拡散により正常域に近づき、また高濃度で存在する毒物や代謝物は腹膜を介して透析液に移動する。乳酸及び重炭酸塩は血液の酸塩基平衡維持のために添加されている。重炭酸塩濃度は生理的濃度に近似することから、拡散作用に基づく移動はほとんど生じないと考えられる。透析液中のブドウ糖により血漿と比較して高浸透圧にすることで浸透圧勾配をつくり、患者から腹腔内に水を除去する。5,6,7,8,9)
取扱い上の注意
1.
誤用を避けるため、他の外箱カートンへ入れ替えないこと。
2.
幼児の手の届かないところへ保管すること。
3.
外袋は水蒸気の過度の透過を防ぐためのものであるため、万一破れている場合は使用しないこと。
4.
バッグは軟らかいプラスチック製のため、液漏れの原因となることから鋭利なもの等で傷つけないように取扱いに注意すること。冬期等の低温下ではバッグが破損しやすくなるので注意すること。また、高所から落とすと破損する場合があるので、取扱いに注意すること。
5.
外袋内に水滴が観察されるが、蒸気滅菌のためであり、液漏れによるものではない。
6.
混合隔壁及び注液隔壁が不慮に開通しないよう取扱いに注意すること。また、使用前に隔壁が開通している場合は使用しないこと。
7.
ポートやチューブをバッグからはがす時に、バッグを破り、液漏れを起こすおそれがあるので丁寧にはがすこと。
8.
低温で注液をすると腹痛を起こすおそれがあるため、製品は専用の医療用加温器を用いて、体温程度に用時加温すること。
9.
本剤を過量投与した場合は、腹部不快感、腹痛及び息切れを起こすおそれがあるため、直ちに排液し、医師又は医療従事者に連絡すること。
10.
注液準備手順及びツインバッグ操作方法の概略(詳細については必ず対象医療機器の取扱説明書及び操作手順マニュアルを参照のこと)
(1)
交換準備がすべて整ってから、外袋を破って開封し、本剤を取り出す。
(2)
液が無色~微黄色の澄明で異常が認められないこと、及び各部の接合が完全であることを確認すること。そうでない場合は無菌性が損なわれているおそれがあるので使用しないこと。
(3)
使用前に注液隔壁及び混合隔壁が開通していないことを確認すること。開通が認められる場合は使用しないこと。
(4)
本品のクランプを2個共閉めること。
(5)
使用直前に上室側を強くつかみ、混合隔壁を開通させること。
(6)
再度上室側からバッグを強くつかみ、注液隔壁を開通すること。
(7)
上室液と下室液の2液をよく混合すること。
(8)
その際、バッグを強く押して漏れの有無を調べること。万一漏れがみられる場合には無菌性が損なわれているおそれがあるので使用しないこと。
(9)
混合後は速やかに使用すること。
(10)
万一誤って下室液のみを注入した場合は、速やかに排液し、新しい透析液バッグに取り替え、上室液と下室液の2液をよく混合し再注入した後、病院に連絡すること。
(11)
容器下部の注入口から保護キャップを取り除き、患者側チューブ又は対象医療機器の注・排液セットと接続する。
(12)
バッグ上部の穴を用いて、容器をつり下げ注液する。
(13)
ツインバッグの注・排液方法は次のとおり行う。
患者側の接続チューブ先端のキャップを外す。本品の接続チューブコネクターを患者側の接続チューブ先端と接続する。本品の排液側チューブと接続チューブのクランプを開け、腹腔内貯留液を本品の排液側チューブ経由で排液バッグに排出する。排出後、患者側の接続チューブと本品の排液側チューブをクランプし、本品の注液側チューブと排液側チューブのクランプを開け、新しい透析液で回路内を洗浄し、排液側チューブ経由で排液バッグに流す。その際、チューブの亀裂や漏れがみられる場合には、使用を中止し、医師又はその他医療従事者に連絡する。
次に、本品の排液側チューブと注液側チューブをクランプし、本品の注液側チューブのクランプと患者側の接続チューブのクランプを開け、新しい透析液を腹腔内に注入する。注入後患者側の接続チューブと本品の注液側チューブのクランプを閉めた上で、本品の接続チューブコネクターとの接続を外す。患者側の接続チューブ先端にキャップを取り付けて交換操作を完了する。
11.
在宅医療にて本品を使用する場合は以下の注意事項を参考にすること。
(1)
バッグの交換操作はマニュアルに従って行うこと。
(2)
トラブル発生時の対処法は、次の表を参考にすること。
包装
レギュニール LCa 1.5 腹膜透析液シングルバッグ・機器専用2,500mL 2.5Lバッグ 包装単位4
レギュニール LCa 1.5 腹膜透析液シングルバッグ・機器専用5,000mL 5.0Lバッグ 包装単位2
レギュニール LCa 2.5 腹膜透析液シングルバッグ・機器専用2,500mL 2.5Lバッグ 包装単位4
レギュニール LCa 2.5 腹膜透析液シングルバッグ・機器専用5,000mL 5.0Lバッグ 包装単位2
レギュニール LCa 4.25 腹膜透析液シングルバッグ・機器専用2,000mL 2.0Lバッグ 包装単位4
レギュニール LCa 1.5†腹膜透析液ツインバッグ1,000mL 1.5Lバッグ 包装単位6
レギュニール LCa 1.5†腹膜透析液ツインバッグ1,500mL 1.5Lバッグ 包装単位5
レギュニール LCa 1.5†腹膜透析液ツインバッグ2,000mL 2.0Lバッグ 包装単位4
レギュニール LCa 2.5†腹膜透析液ツインバッグ1,000mL 1.5Lバッグ 包装単位6
レギュニール LCa 2.5†腹膜透析液ツインバッグ1,500mL 1.5Lバッグ 包装単位5
レギュニール LCa 2.5†腹膜透析液ツインバッグ2,000mL 2.0Lバッグ 包装単位4
レギュニール LCa 1.5†腹膜透析液UVツインバッグ1,000mL 1.5Lバッグ 包装単位6
レギュニール LCa 1.5†腹膜透析液UVツインバッグ1,500mL 1.5Lバッグ 包装単位5
レギュニール LCa 1.5†腹膜透析液UVツインバッグ2,000mL 2.0Lバッグ 包装単位4
レギュニール LCa 2.5†腹膜透析液UVツインバッグ1,000mL 1