するおそれがある]
9.
腹部ヘルニアのある患者 [腹部ヘルニアが悪化するおそれがある]
10.
腰椎障害のある患者 [腰椎障害が悪化するおそれがある]
11.
憩室炎のある患者 [憩室炎が腹膜炎合併の原因となるおそれがある]
12.
人工肛門使用患者 [細菌感染を起こすおそれがある]
13.
利尿剤を投与している患者 [水及び電解質異常が誘発されるおそれがある]
14.
高度の換気障害のある患者 [胸腔圧迫により換気障害が悪化するおそれがある]
15.
高度の脂質代謝異常のある患者 [高コレステロール血症、高トリグリセライド血症が悪化するおそれがある]
16.
高度の肥満がみられる患者 [肥満を増長させるおそれがある]
17.
高度の低蛋白血症のある患者 [低蛋白血症が悪化するおそれがある]
18.
ステロイド服用患者及び免疫不全患者 [易感染性であるため]
重要な基本的注意
1.
単回使用すること。バッグ内の残存液は廃棄すること。
2.
注入液、排液の出納に注意すること。
3.
本剤の投与開始は、医療機関において医師により、又は医師の直接の監督により実施すること。通院、自己投与は、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を施したのち、医師自らの管理指導の下に実施すること。
4.
腹膜炎を合併することがある2)ので、本剤の投与にあたっては特に清潔な環境下で無菌的操作により行うとともに次のことに注意すること。
(1)
腹膜カテーテルの管理及び腹膜カテーテル出口部分の状態には十分注意すること。
(2)
腹膜炎が発生すると排液が濁るので、その早期発見のために、毎排液後、液の混濁状態を確認すること(腹膜炎発生時の液の混濁状態は正常排液2,000mLに対して牛乳1mLを添加した液の混濁状態を参考とすることができる)。混濁が認められた場合は、直ちに医師又は医療従事者に連絡し指示を受けること。
5.
*長期の腹膜透析実施において被嚢性腹膜硬化症(EPS)を合併することがある3)ので、発症が疑われたら直ちにCAPDを中止し、血液透析に変更すること。発症後は経静脈的高カロリー輸液を主体とした栄養補給を行い、腸管の安静を保つ。嘔吐がある場合は胃チューブにより胃液を持続吸引する。本症は必ずイレウス症状を伴うが、診断には次の臨床症状、血液検査所見及び画像診断が参考になる。
臨床症状:
低栄養・るいそう・下痢・便秘・微熱・血性排液・局所性もしくはびまん性の腹水貯留・腸管ぜん動音低下・腹部における塊状物触知・除水能の低下・腹膜透過性の亢進
血液検査所見:
末梢白血球数の増加・CRP陽性・低アルブミン血症・エリスロポエチン抵抗性貧血・高エンドトキシン血症
画像診断:
X線検査・超音波検査・CT検査
6.
血漿中重炭酸濃度が30mEq/Lを超える場合は、代謝性アルカローシスの進展、増悪に十分注意すること。
7.
定期的に血液生化学検査及び血液学的検査等を実施すること。
8.
透析性のある薬剤を使用する場合は、血中濃度に十分注意すること。
副作用
国内で実施された臨床試験(28施設50症例)において、臨床検査値を含む副作用として報告された症例数は13例であった。主な副作用は、末梢性浮腫(12.0%)、体重増加(6.0%)及び体液貯留(6.0%)であった(承認時)。
重大な副作用
(心・血管障害)
急激な脱水による循環血液量の減少、低血圧、ショック等があらわれることがあるので、このような場合には本剤の投与を中止し、輸血、生理食塩液、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
その他の副作用
一般・全身障害および投与部位の状態
5%以上
末梢性浮腫
一般・全身障害および投与部位の状態
1~5%未満
顔面浮腫、倦怠感
傷害、中毒および処置合併症
1~5%未満
処置合併症
臨床検査
5%以上
体重増加
臨床検査
1~5%未満
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中ブドウ糖増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血圧上昇、血中トリグリセリド減少、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、C-反応性蛋白増加、心胸郭比増加、線維素溶解減少、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、血小板数減少
代謝および栄養障害
5%以上
体液貯留
代謝および栄養障害
1~5%未満
低血糖
皮膚および皮下組織障害
1~5%未満
そう痒症
血管障害
1~5%未満
高血圧
副作用が認められた場合には、投与の中止等必要に応じて適切な処置を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦・産婦・授乳婦に対する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦あるいは授乳婦には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児又は小児に対する安全性は確立されていない。
適用上の注意
1.
静脈内に投与しないこと。
2.
下痢、腹痛、悪寒等の予防のため、本剤をあらかじめ体温程度に温めてから注入すること。
3.
本剤はカリウムを含まないため、血清カリウム値が正常あるいは低値の場合、またジギタリス治療中の患者では症状に応じて本剤中のカリウム濃度が1~4mEq/Lになるよう補正して使用すること。
臨床成績
臨床試験4)
国内28施設95症例(本剤群44症例、ダイアニールPD-4群51症例)に対して、1日あたり3~5バッグ(2L/バッグ)を8週間連続投与して実施された本剤とダイアニールPD-4を対照薬とした比較臨床試験の成績の概要は次のとおりである。
(1) 腹膜クレアチニンクリアランス
本剤とダイアニールPD-4群間の調整済み平均値の差(推定値±標準誤差)は-0.39±0.99L/週/1.73m2、その95%信頼区間は-2.36~1.59L/週/1.73m2で、信頼区間の下限が非劣性の下限レベル(-3.2L/週/1.73m2)を下回らなかった。
(表1参