タリビッド錠100mgはニューキノロン系経口抗菌製剤である。

(1) 抗菌作用
オフロキサシンは嫌気性菌を含むグラム陽性菌群及びグラム陰性菌群に対し、広範囲な抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、腸球菌属ならびに大腸菌、肺炎桿菌、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属を含む腸内細菌科、緑膿菌を含むブドウ糖非発酵グラム陰性菌群、淋菌、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属等に対して優れた抗菌活性を示した6～9)。また、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対しても抗菌力を示した10)。オフロキサシンは実験的マウス感染症に対して優れた感染防御効果を示した6)。

(2) 作用機序
オフロキサシンは、細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVに作用し、DNA複製を阻害する11～15)。抗菌作用は殺菌的6, 7, 8) であり、MIC濃度において溶菌が認められた8)。
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般名
オフロキサシン(Ofloxacin)

2. 略名
OFLX

3. 化学名
(3RS )-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H -pyrido[1,2,3-de ][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid

4. 分子式
C18H20FN3O4

5. 分子量
361.37

6. 構造式

7. 性状
帯微黄白色～淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム試液溶液(1→20)は旋光性を示さない。光によって変色する。

8. 融点
約265℃(分解)

9. 分配係数
クロロホルム-0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)；4.95
n-オクタノール-0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)；0.33
承認条件

ハンセン病効能追加時の承認条件
ハンセン病については、WHOが現在実施中の多剤併用療法の大規模二重盲検比較臨床試験が終了し、結果が公表された時点で、効能又は効果、用法及び用量を見直す。

包装

タリビッド錠100mg　(PTP)　100錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
一原規方ほか：Chemotherapy 1984；32(S-1)：118-149

2)
長谷川義和ほか：Chemotherapy 1984；32(S-1)：658-668

3)
Tsugaya M, et al.：Recent Adv Chemother. 1985：1769-1770

4)
梅田　優ほか：日本透析医学会雑誌(透析会誌)1993；26(4)：473-477

5)
社内資料：オフロキサシン使用成績調査(ハンセン病)の結果

6)
佐藤謙一ほか：Chemotherapy 1984；32(S-1)：1-12

7)
五島瑳智子ほか：Chemotherapy 1984；32(S-1)：22-46

8)
西野武志ほか：Chemotherapy 1984；32(S-1)：62-83

9)
賀川和宣ほか：Chemotherapy 1984；32(S-1)：52-58

10)
佐藤隆志ほか：Chemotherapy 1990；38(12)：1153-1159

11)
Fujimoto T, et al.：Chemotherapy 1990；36：268-276

12)
Imamura M, et al.：Antimicrob Agents Chemother. 1987；31(2)：325-327

13)
Hoshino K, et al.：Antimicrob Agents Chemother. 1991；35(2)：309-312

14)
Tanaka M, et al.：Antimicrob Agents Chemother. 1991；35(7)：1489-1491

15)
Tanaka M, et al.：Antimicrob Agents Chemother. 1997；41(11)：2362-2366

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