込まれ、約60%は血漿蛋白と結合し、他は遊離のテオフィリンとして体液を通じて分布する。テオフィリンは胎盤及び血液脳関門を通過し、母乳中に移行する。テオフィリンは、肝で代謝され、投与量の85%~90%が1,3-dimethyluric acid、1-methyluric acid、3-methylxanthine等の代謝物として、また15%以下が未変化体として尿中に排泄される。
3. 溶出挙動12),13)
スロービッドカプセル100mg及びスロービッドカプセル200mgは、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたテオフィリン徐放カプセルの溶出規格に適合していることが確認されている。
薬物動態の表
スロービッドカプセル100mg 薬物動態パラメータ
AUC0-32
(μg・hr/mL) Cmax
(μg/mL) MRT
(hr) Tmax
(hr) T 1/2
(hr)
47.02±13.41 2.80±0.52 12.38±1.44 6.86±1.51 9.52±3.49
(Mean±S.D., n=14)
スロービッドカプセル200mg 薬物動態パラメータ
AUC0-32
(μg・hr/mL) Cmax
(μg/mL) MRT
(hr) Tmax
(hr) T 1/2
(hr)
52.84±10.40 2.74±0.44 13.32±1.09 7.09±1.38 11.06±2.51
(Mean±S.D., n=11)
スロービッド顆粒20% 薬物動態パラメータ
AUC0-32
(μg・hr/mL) Cmax
(μg/mL) AUC∞
(μg・hr/mL) MRT
(hr) Tmax
(hr) T 1/2
(hr)
50.82±6.51 2.72±0.39 60.94±9.47 12.95±0.66 7.6±1.1 10.93±1.91
(Mean±S.D., n=18)
臨床成績
スロービッドカプセル100mg・200mg2)~5)
国内9施設における一般臨床試験88例中、除外1例を除く有用度判定対象87例で有用以上62例(71.3%)、やや有用以上73例(83.9%)であった。
スロービッド顆粒20%6),7)
国内19施設における一般臨床試験63例中、有用度判定対象は60例で、有用以上45例(75.0%)、やや有用以上56例(93.3%)であった。
薬効薬理
1.
Phosphodiesteraseの活性を阻害し、細胞内cyclicAMPの増加(in vitro)14)~19)
2.
モルモット、イヌ気管支平滑筋内のCa++の再分配(in vitro、in vivo)14)~19)
3.
アレルギー患者由来の肥満細胞からの化学伝達物質放出阻害作用(in vitro)14)~19)
4.
粘液線毛クリアランス機構の改善(ヒト)14)~19)
5.
疲労状態における呼吸筋の収縮力増強効果(ヒト)14)~19)
有効成分に関する理化学的知見
構造式
一般名
テオフィリン(Theophylline)
化学名
1,3-Dimethyl-1H-purine-2,6(3H,7H)-dione
分子式
C7H8N4O2
分子量
180.16
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
融点
271~275℃
取扱い上の注意
安定性試験20)~22)
最終包装製品を用いた加速試験(40±1℃、相対湿度75±5%、6ヵ月)の結果、スロービッドカプセル100mg、スロービッドカプセル200mg及びスロービッド顆粒20%は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
スロービッドカプセル100mg:100カプセル(PTP)
500カプセル(PTP)
1000カプセル(PTP、バラ)
スロービッドカプセル200mg:100カプセル(PTP)
500カプセル(PTP、バラ)
スロービッド顆粒20%:100g、500g
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
**濱崎雄平 河野陽一 海老澤元宏 近藤直美監修 日本小児アレルギー学会編:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012(協和企画)(2012)
2)
高橋敬治,他:薬理と治療 12(11),5235(1984)
3)
有川卓,他:診療と新薬 22(1),145(1985)
4)
有川卓,他:診療と新薬 22(10),2513(1985)
5)
高橋敬治,他:基礎と臨床 19(13),6501(1985)
6)
高橋敬治,他:基礎と臨床 26(12),4770(1992)
7)
馬場実,他:基礎と臨床 26(12),4779(1992)
8)
スロービッドカプセル100mgの生物学的同等性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)
9)
スロービッドカプセル200mgの生物学的同等性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)
10)
スロービッド顆粒20%の生物学的同等性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)
11)
Hendeles,L.,et al.:Pharmacotherapy 3(1),2(1983)
12)
スロービッドカプセル100mgの溶出試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)
13)
スロービッドカプセル200mgの溶出試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)
14)
Sutherland,E.W.,et al.:Pharmacol.Rev.12,2