緊急処置を行うこと。なお、投与速度が速い場合にはinfusion associated reactionが起こりやすい傾向がある。
3.
ほとんどの患者にIgG抗体の産生が予測されるため、定期的にアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい(「重大な副作用」の項参照)。
4.
心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤投与後、挿管及び強心薬投与を要する急性心肺不全が認められたとの報告があり、本剤の投与による水分過負荷との関連性が疑われたため、急性心肺不全を発症する危険性がある。心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤を投与する場合は、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*副作用
副作用等発現状況の概要
外国における乳児型及び小児型糖原病II型患者を対象とした主要な臨床試験において本剤(20mg/kg又は40mg/kg)が投与された糖原病II型患者39例中、副作用が報告されたのは24例(61.5%)であり、主にinfusion associated reactionであった。主な副作用は、発熱(25.6%)、酸素飽和度低下(17.9%)、蕁麻疹(15.4%)、潮紅(12.8%)、発疹(12.8%)、咳嗽(12.8%)、頻呼吸(12.8%)等であった。(承認申請時)
外国における小児型及び成人型糖原病II型患者を対象とした臨床試験では、本剤が投与された60例中副作用が報告されたのは32例(53.3%)であり、主にinfusion associated reactionであった。主な副作用は、頭痛、蕁麻疹、多汗症、悪心(各8.3%)、胸部不快感、浮動性めまい、筋攣縮(各6.7%)等であった。
重大な副作用
1. Infusion associated reaction(IAR)(頻度不明)
本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、蕁麻疹、発疹、潮紅、発熱、頻脈、咳嗽、酸素飽和度低下、頻呼吸、喘鳴等のinfusion associated reactionが発現することがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。
2. 免疫関連反応(頻度不明)
本剤の使用中に、免疫複合体を介すると考えられる反応により皮膚壊死、皮膚潰瘍、関節痛、関節腫脹、ネフローゼ症候群、蛋白尿、血尿等が発現することがある。患者の状態を十分に観察するとともに必要に応じ尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
皮膚
頻度不明a又は10%以上b
蕁麻疹
皮膚
5~10%未満b
発疹、多汗症
皮膚
5%未満b
斑状皮疹、紅斑、斑状丘疹状皮疹、そう痒症、丘疹、紅斑性皮疹、網状皮疹、眼窩周囲浮腫、手掌紅斑、血管浮腫
血管
頻度不明a又は10%以上b
潮紅
血管
5%未満b
高血圧、蒼白、低血圧
臨床検査
5~10%未満b
酸素飽和度低下、血圧上昇
臨床検査
5%未満b
CK-MB上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、血中Ca上昇、CK上昇、尿素上昇、ヘモグロビン減少、心拍数増加、血小板数減少、呼吸数増加、体温上昇、血圧低下、心拍数減少
全身及び局所反応
頻度不明a又は10%以上b
発熱、インフルエンザ様症状a
全身及び局所反応
5%未満b
悪寒、注射部位反応、嗜眠、低体温、疲労、胸部不快感、局所腫脹、末梢性浮腫、熱感、非心臓性胸痛
呼吸器
5~10%未満b
咳嗽、頻呼吸
呼吸器
5%未満b
気管支痙攣、ラ音、咽喉絞扼感
消化器
5~10%未満b
嘔吐、悪心
消化器
5%未満b
便秘、胃食道逆流性疾患、下痢
循環器
5%未満b
頻脈、チアノーゼ、上室性頻脈
精神系
5%未満b
激越、易刺激性、不眠症、落ち着きのなさ
神経系
5~10%未満b
頭痛
神経系
5%未満b
振戦、浮動性めまい、錯感覚
筋骨格系
5%未満b
筋攣縮、筋肉痛、筋痙縮
a 海外において認められた副作用のため頻度不明。
b 発現頻度は、外国における乳児型及び小児型糖原病II型患者を対象とした承認時までの臨床試験(39例)と、外国における小児型及び成人型糖原病II型患者を対象とした二重盲検比較試験(60例)の結果をあわせて算出した。
高齢者への投与
高齢者では生理機能が低下しているので、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与する。高齢者に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
妊婦、産婦、授乳婦への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、ウサギの胚・胎児発生に関する試験で10及び40mg/kg投与群の少数で流産又は早産が見られている)。
2.
授乳中の患者には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること(授乳中の投与に関する安全性は確立していない)。
適用上の注意
1.
他剤との混注を行わないこと。
2.
各バイアルは一回限りの使用とすること。
3.
0.2ミクロンの親水性ポリエーテルスルフォン製メンブレンフィルターが付いた輸液セットを使用すること。微小異物除去用のろ過網が組込まれた輸液セットは、目詰まりを起こすため使用しないこと。
4.
調製方法
(1)
患者の体重に基づき本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決める。
(2)
日局生理食塩液による最終希釈液の薬剤濃度が0.5~4mg/mLとなるよう日局生理食塩液の量を決定する。
(3)
投与に必要なバイアル数を取り出し、室温になるまで放置する(約30分間)。
(4)
調製前に本剤を目視検査し、変色又は異物を認めたバイアルは使用しないこと。
(5)
日局注射用水10.3mLをバイアルの内壁に沿ってゆっくり注入し、本剤を静かに溶解する。振盪しないこと。
(6)
予め日局生理食塩液含有点滴バックから、注入する薬剤溶解量分の生理食塩液を抜き取ってお