1.54(54)
1ヵ月後 3.15±1.30(54) 8.01±2.55(51) 1.69±0.87(54) 4.32±1.52(51)
2ヵ月後 2.96±1.23(52) 8.77±3.08(50) 1.57±0.81(51) 4.88±1.93(50)
3ヵ月後 3.19±1.31(51) 8.61±3.02(49) 1.70±0.86(50) 4.80±1.92(49)
6ヵ月後 3.50±1.44(47) 8.92±3.55(48) 1.82±0.81(47) 4.84±2.09(48)
ng/mL(例数)
フィンゴリモド1.25,2.5mgを反復投与又はモキシフロキサシン400mgを単回投与したときのQTcF延長時間
薬剤 QTcF延長時間(msec)※1
(プラセボとの差[90%又は96%信頼区間※2])
フィンゴリモド 1.25mg 10.64[7.46,13.83]
フィンゴリモド 2.5mg 10.65[7.41,13.88]
モキシフロキサシン 400mg 10.61[5.94,15.28]
※1 12誘導心電図は投与7日目の投与後(プラセボ群及びフィンゴリモド投与群は0,1.5,3,6,8及び12時間,モキシフロキサシン投与群は1.5,3及び6時間)に測定した.
※2 フィンゴリモドは90%信頼区間,モキシフロキサシンは96%信頼区間を示す.
臨床成績
1. 国内臨床試験
(1) 第II相試験19)
再発性多発性硬化症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した.本剤0.5mg,1.25mg又はプラセボを1日1回6ヵ月間経口投与した結果,本剤0.5mg群における投与3及び6ヵ月後の両時点でGd造影病巣が認められなかった患者の割合は,下表のとおりであり,プラセボ群と比較して統計学的な有意差が認められた.(p=0.004,投与群を因子,スクリーニング時のGd造影病巣数を共変量としたロジスティック回帰モデル)
(2) 長期投与試験20)
第II相試験を完了した症例を対象に実施した継続長期投与試験において,Gd造影病巣が認められなかった患者の割合は,下表のとおりであった.
2. 外国臨床試験21)
外国人再発寛解型多発性硬化症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した.本剤0.5mg,1.25mg又はプラセボを1日1回24ヵ月間経口投与した結果,本剤0.5mg群における24ヵ月間の投与期間中における年間再発率の推定値は,下表のとおりであり,プラセボ群と比較して統計学的な有意差が認められた.(p<0.001,投与群を因子,国,直近2年間の再発回数及びベースラインのEDSSスコアを共変量,治験参加期間の対数値をオフセット変数としたnegative binomial regression model)また,本剤0.5mg群におけるEDSS評価に基づく3ヵ月持続する障害進行が発現するまでの時間は,下図のとおりであり,プラセボ群と比較して延長し,統計学的な有意差が認められた.(p=0.026,ログランク検定)
3ヵ月持続する障害進行が発現するまでの時間(ITT)
臨床成績の表
投与3及び6ヵ月後の両時点でGd造影病巣が認められなかった患者の割合(mFAS)
プラセボ群 0.5mg群
Gd造影病巣の認められなかった患者の割合(ベースライン)a) 57.9%
(33/57例) 57.9%
(33/57例)
投与3及び6ヵ月後の両時点でGd造影病巣が認められなかった患者の割合 40.4%
(21/52例) 70.0%
(35/50例)
オッズ比[95%信頼区間]b) 3.628
[1.504,8.753]
p値b) 0.004
a)ランダム化された患者
b)投与群を因子,スクリーニング時のGd造影病巣数を共変量としたロジスティック回帰モデル
Gd造影病巣が認められなかった患者の割合(Ex-mFAS)
投与3及び6ヵ月後の両時点 投与9及び12ヵ月後の両時点
プラセボ-0.5mg群 26.1%(6/23例) 69.6%(16/23例)
0.5mg-0.5mg群 77.8%(35/45例) 84.4%(38/45例)
24ヵ月間の投与期間中における年間再発率(ITT)
プラセボ群(418例) 0.5mg群(425例)
推定値[95%信頼区間] 0.40[0.34,0.47] 0.18[0.15,0.22]
年間再発率の比 0.46
p値 <0.001
投与群を因子,国,直近2年間の再発回数及びベースラインのEDSSスコアを共変量,治験参加期間の対数値をオフセット変数としたnegative binomial regression model
薬効薬理
1. 作用機序
フィンゴリモドは,生体内で活性代謝物のリン酸化体に代謝される22).リン酸化体は,スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体1(S1P1受容体)と結合し,その内在化と分解を誘導することで,S1P1受容体の機能的アンタゴニストとして作用するため,リンパ節などの二次リンパ組織からのリンパ球の移出を抑制する.ミエリン抗原特異的なTh17細胞を含む自己反応性T細胞も,同様の機序でリンパ節からの移出が抑制されるため,中枢神経系組織への浸潤が抑制される23,24).
一方,外来性病原体の感染に対し重要な役割を担うエフェクターメモリーT細胞は,二次リンパ組織を介する循環能を有さないため,フィンゴリモドはエフェクターメモリーT細胞に対しほとんど影響しない25).
また,フィンゴリモドは,ヒト及び動物の中枢神経系(CNS)への