化体のCmax及びAUCはそれぞれ約1.2倍及び約1.7倍に増加した.リン酸化体のCmaxはケトコナゾールの影響を受けなかったが,AUCは約1.7倍に増加した.ケトコナゾールの血漿中トラフ濃度に影響は認められなかった11).
(外国人のデータ)
(2)
シクロスポリン:乾癬患者(12例)にシクロスポリン200mgを1日2回8日間反復経口投与し,5日目にフィンゴリモド1mgを単回経口投与したとき,未変化体のCmax及びAUCに影響は認められなかった.また,シクロスポリンのCmax及びAUCに影響は認められなかった12).
(外国人のデータ)
(3)
経口避妊薬:健康成人女性(31例)に経口避妊薬(エチニルエストラジオール30μg及びレボノルゲストレル150μgの配合剤)を1日1回28日間反復経口投与し,15日目から28日目までフィンゴリモド0.5mgを反復経口投与したとき,エチニルエストラジオールのCmax及びAUCに影響は認められなかった.レボノルゲストレルのCmax及びAUCは,フィンゴリモドの併用によりそれぞれ1.1倍及び1.2倍に増加した.また,未変化体及びリン酸化体のCmax及びAUCに影響は認められなかった13).
(外国人のデータ)
(4)
アトロピン:健康成人(22例)にアトロピン(初回に0.25mgを静脈内投与し,心拍数110~120bpm又は総投与量2mgに達するまで0.25mgを追加投与)とフィンゴリモド5mgを併用投与したとき,未変化体及びリン酸化体のCmax及びAUCに影響は認められなかった14).
(外国人のデータ)
(5)
イソプロテレノール:健康成人(14例)にイソプロテレノール(1μg/mLのイソプロテレノール溶液を心拍数110±10bpm又は最大注入速度5μg/minに達するまで静脈内投与[最大投与量100μg])とフィンゴリモド5mgを併用投与したとき,未変化体及びリン酸化体のCmax及びAUCに影響は認められなかった15).
(外国人のデータ)
(6)
アテノロール:健康成人(12例)にアテノロール50mgを1日1回5日間反復経口投与し,5日目にフィンゴリモド5mgを単回経口投与したとき,未変化体及びリン酸化体のCmax及びAUCに影響は認められなかった.また,アテノロールのCmax及びAUCに影響は認められなかった16).
(外国人のデータ)
(7)
ジルチアゼム:健康成人(13例)にジルチアゼム240mgを1日1回5日間反復経口投与し,5日目にフィンゴリモド5mgを単回経口投与したとき,未変化体及びリン酸化体のCmax及びAUCに影響は認められなかった.また,ジルチアゼムのCmax及びAUCに影響は認められなかった16).
(外国人のデータ)
(8)
カルバマゼピン:健康成人(23例)にカルバマゼピン100~600mgを漸増投与で1日2回49日間反復経口投与し,定常状態に達した35日目にフィンゴリモド2mgを単回経口投与したとき,未変化体のCmax及びAUCはそれぞれ18%及び40%減少した. リン酸化体のCmax及びAUCはそれぞれ18%及び38%減少した17).
(外国人のデータ)
9. QT間隔に対する作用
健康成人(113例)にフィンゴリモド1.25mg及び2.5mgを1日1回7日間用量漸増法で反復経口投与したとき,QTcFは延長し,90%信頼区間の上限は14msec以下であった18).
(外国人のデータ)
10. 心拍数に対する作用
健康成人(各6例)を対象にフィンゴリモド5mgを反復経口投与したとき,心拍数は以下のとおり推移した.
本剤の用法及び用量は1日1回0.5mgである.(「用法・用量」の項参照)
薬物動態の表
フィンゴリモド1.25,2.5,5mgを単回経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ 1.25mg
(n=6) 2.5mg
(n=7) 5mg
(n=6)
tmax(h) 16(16~36)※ 16(16~36)※ 16(12~36)※
Cmax(ng/mL) 1.1±0.2 1.9±0.3 3.5±1.2
AUClast(ng・h/mL) 168±27 353±87 823±292
t1/2(days) 5.9±2.4 5.8±1.5 7.6±3.4
平均値±標準偏差,※中央値(最小値~最大値)
フィンゴリモド5gを7日間反復経口投与したときの未変化体及びリン酸化体の薬物動態パラメータ
投与1日目
tmax
(h) 投与1日目
Cmax(ng/mL)
投与1日目
AUCtau
(ng・h/mL) 投与7日目
tmax
(h) 投与7日目
Cmax
(ng/mL) 投与7日目
AUCtau
(ng・h/mL) 投与7日目
t1/2
(days)
未変化体 14(6~16)※ 3.1±0.8 54±12 12(6~16)※ 18.2±4.8 382±106 7.9±2.0
リン酸化体 14(6~16)※ 3.7±1.1 52±14 9(6~16)※ 11.3±3.5 236±76 6.0±2.4
平均値±標準偏差,※中央値(最小値~最大値)
フィンゴリモド0.5又は1.25mgを6ヵ月間反復経口投与したときの未変化体及びリン酸化体の血中濃度
評価時期 未変化体
0.5mg群 未変化体
1.25mg群 リン酸化体
0.5mg群 リン酸化体
1.25mg群
15日後 2.64±1.01(54) 6.76±2.59(54) 1.37±0.61(54) 3.60±