床試験において、高齢者(70歳超)では、70歳以下の患者と比較すると、好中球減少及び血小板減少の発現が増加することが認められているので慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。妊娠する可能性のある婦人に投与する場合には、妊娠を避けるよう指導すること。
[ラット、ウサギにおいて、胚・胎児死亡及び奇形(50mg/m2/日)が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には授乳を避けさせること。
[安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児における有効性及び安全性は確立していない。
[国内における使用経験がない。]
過量投与
徴候、症状:
海外において、過量投与(10,000mg、5日間の同一クールでの総投与量)により汎血球減少、発熱、多臓器不全を引き起こし死亡したとの報告がある。また、長期投与(連続5日間以上、最長で連続64日間)により骨髄機能抑制、感染等を引き起こし死亡したとの報告がある。
処置:
過量投与が起こった場合は、血液検査を行うとともに、必要に応じて対症療法を行うこと。
適用上の注意
1. 薬剤交付時:
(1)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
(2)
体表面積より1日用量を算出し錠数が少なくなるように種類を組み合わせること。
2. 服用時:
錠剤はかみ砕かずに十分量の水と共に服用させること。
その他の注意
1.
再生不良性貧血につながる汎血球減少症の延長が認められたとの報告がある。
2.
動物実験(ラット、経口投与)で、乳腺及び皮膚等に腫瘍が発生したとの報告がある。
3.
動物実験(ラット及びイヌ、経口投与)で、精巣毒性を認めたとの報告がある。
薬物動態
生物学的同等性試験:
・テモゾロミド錠20mg「NK」
テモゾロミド錠20mg「NK」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日付 薬食審査発0229第10号)」に基づき、テモゾロミド錠100mg「NK」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。1)
・テモゾロミド錠100mg「NK」
テモゾロミド錠100mg「NK」と標準製剤を悪性神経膠腫患者にそれぞれ2錠及び2カプセル(テモゾロミドとして200mg)をクロスオーバー試験法により空腹時単回経口投与し、テモゾロミドの血漿中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。2)
(表1参照)
テモゾロミドとして200mgを単回経口投与したときの血漿中テモゾロミド濃度推移(n=21)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
表1 テモゾロミド濃度から得られた薬物動態パラメータ
判定パラメータ
AUC0-8
(μg・hr/mL) 判定パラメータ
Cmax
(μg/mL) 参考パラメータ
tmax
(hr) 参考パラメータ
t1/2
(hr)
テモゾロミド錠
100mg「NK」 20.51±8.949 7.67±3.916 0.92±0.450 2.14±0.560
標準製剤
(カプセル剤、100mg) 21.21±9.182 7.50±3.272 0.94±0.453 2.14±0.982
(Mean±S.D., n=21)
薬効薬理
テモゾロミドはMTICへと代謝活性化された後、メチル化剤として作用し、細胞周期のどの時期にある細胞も殺傷する。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
テモゾロミド(Temozolomide)(JAN)
化学名:
3-Methyl-4-oxo-3,4-dihydroimidazo[5,1-d ][1,2,3,5]tetrazine-8-carboxamide
分子式:
C6H6N6O2
分子量:
194.15
構造式:
性状:
白色から淡赤白色または淡黄褐色の粉末である。ジメチルスルホキシドにやや溶けにくく、水に溶けにくい。
取扱い上の注意
安定性試験:
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)及び長期保存試験(25℃、相対湿度60%、2年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、テモゾロミド錠20mg「NK」及びテモゾロミド錠100mg「NK」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。4)5)
承認条件
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本薬使用患者の背景情報を把握するとともに、本薬の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本薬の適正使用に必要な措置を講じること。
包装
テモゾロミド錠20mg「NK」:5錠(PTP包装)
テモゾロミド錠100mg「NK」:5錠(PTP包装)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
日本化薬株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
2)
日本化薬株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
3)
高折修二ほか監訳:グッドマン・ギルマン薬理書,第12版,廣川書店,2191(2013)
4)
日本化薬株式会社 社内資料:安定性試験
5)
日本化薬株式会社 社内資料:安定性試験
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日本化薬株式会社 医薬品情報センター
(住所)〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
(TEL)0120-505-282(フリーダイヤル)
製造販売業者等の氏名