すること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
本剤の投与にあたっては、特に本剤の用量規制因子である好中球数の変動に十分留意し、投与当日の好中球数が2,000/mm3未満であれば、投与を延期すること。
2.
本剤の投与量が増加すると、骨髄抑制がより強くあらわれるおそれがあるので注意すること。
[「重要な基本的注意」の項1.及び「副作用」の「重大な副作用」の項1.参照]
3.
本剤の投与時には、必要量を注射筒で抜き取り、直ちに250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和し、1時間以上かけて点滴静注すること。
[「適用上の注意」の項参照]
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
骨髄抑制のある患者
[骨髄抑制が増悪し、重症感染症等を併発するおそれがある。]
2.
間質性肺炎又は肺線維症のある患者
[症状を増悪させるおそれがある。]
3.
肝障害のある患者
[本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。「その他の注意」の項2.参照]
4.
腎障害のある患者
[腎障害を増悪させるおそれがある。]
5.
浮腫のある患者
[浮腫を増悪させるおそれがある。]
6.
妊娠する可能性のある患者
[「重要な基本的注意」の項5.参照]
7.
アルコールに過敏な患者
[本剤は溶剤として無水エタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがあるので、本剤を投与する場合には問診により適切かどうか判断すること。]
重要な基本的注意
1.
重篤な骨髄抑制が高頻度に起こるので、下記の点に留意すること。
(1)
投与後は頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
(2)
特に感染症の発現に十分注意し、好中球減少、CRP上昇、発熱等の有無を確認する。発症又は増悪した場合には、直ちに抗生剤の投与等の適切な処置を行うこと。[日本人を対象とした他社の臨床試験において、前立腺癌患者(70mg/m2)では他癌腫の患者(70mg/m2)よりも感染症等の発現割合が高かった。]
2.
脳転移病巣に対する効果は確立されていないので、脳転移病巣に対しては他の治療法を考慮すること。
3.
本剤による重篤な過敏症状があらわれることがあるので、特に本剤の初回及び第2回目の投与時は、観察を十分に行うこと。過敏症状は本剤の投与開始から数分以内に起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数等)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。重篤な過敏症状(呼吸困難、気管支痙攣、血圧低下、胸部圧迫感、発疹等)が認められた場合は、直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、重篤な過敏症状が発現した症例には、本剤を再投与しないこと。
[「副作用」の項1.及び「その他の注意」の項1.参照]
4.
心・循環器系に対する観察を十分に行うこと。
[ときに心不全、血圧低下、不整脈、動悸等があらわれることがある。]
5.
動物実験(ラット)では、胚・胎児毒性(胚吸収・胎児死亡、発育遅延等)が認められ、催奇形性を示唆する所見も認められているので、以下の点に留意すること。
(1)
投与開始にあたっては、妊娠していないことを確認すること。
(2)
妊娠する可能性のある患者に対しては投与しないことを原則とする。やむを得ず投与する場合には、本剤が妊娠の維持、胎児の発育等に障害を与える可能性があることを十分に説明し、避妊を徹底するよう指導すること。
(3)
本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には直ちに投与を中止すること。
6.
動物実験(マウス、ラット、イヌ)において精巣毒性が認められているので、生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には注意して投与すること。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察し、減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
ともに骨髄抑制作用を有する。
2. 薬剤名等
放射線照射
臨床症状・措置方法
放射線療法を併用している患者で放射線肺臓炎があらわれることがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察し、肺陰影等が認められた場合には、本剤の投与及び放射線照射を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序不明
3. 薬剤名等
放射線照射
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察し、減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
ともに骨髄抑制作用を有する。
4. 薬剤名等
アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール等)
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
シクロスポリン
ミダゾラム
臨床症状・措置方法
副作用が強くあらわれることが考えられる。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3A4を阻害又はドセタキセルとの競合により、ドセタキセルの代謝が阻害され、その結果としてドセタキセルの血中濃度が上昇することが考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 骨髄抑制
(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少(発熱性好中球減少を含む)、ヘモグロビン減少、血小板減少等があらわれるので、血液検査を十分に行い、異常が認められた場合には、投与間隔の延長、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。
2. ショック症状・アナフィラキシー
(頻度不明)
呼吸困難、気管支痙攣、血圧低下、胸部圧迫感、発疹等のショック症状・アナフィラキシーがあらわれることがあるので、十分に観察を行い、関連する徴候が認められた場合には、直ちに投与を中止し