本剤の投与を中止し、抗菌性抗生物質の投与と抗結核剤療法を行うこと。また、必要に応じてステロイド剤の投与を行うこと。
5. ライター症候群
(頻度不明)
関節炎、眼症状(結膜炎、虹彩炎、角膜炎、ぶどう膜炎、網膜炎等)、尿道炎を伴ったライター症候群が認められている。このような症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、抗ヒスタミン剤又は非ステロイド性消炎鎮痛剤を投与すること。また、必要に応じてステロイド剤の投与、抗結核剤療法を行うこと。
6. 腎不全
(頻度不明)
腎不全があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、播種性BCG感染の診断を行い、速やかに適切な処置を行うとともに、抗結核剤療法を行うこと。
重大な副作用の注意
注1)外国での市販後等の報告であり頻度不明
その他の副作用
1. 泌尿器注2)
10%以上
頻尿、排尿痛、血尿、排尿困難、尿中白血球増加、尿中赤血球増加、潜血反応陽性、尿蛋白陽性
2. 泌尿器注2)
10%未満
残尿感、排尿不快感、尿道痛、混濁尿、切迫尿失禁、尿糖陽性
3. 泌尿器注2)
頻度不明
膀胱炎、膀胱タンポナーデ、尿閉
4. 消化器
10%以上
食欲不振
5. 消化器
10%未満
下腹部痛、下痢、下腹部圧迫感
6. 筋・骨格系注3)
10%未満
関節痛、筋肉痛、下肢浮腫
7. 筋・骨格系注3)
頻度不明
関節炎
8. 呼吸器
10%未満
低酸素血症
9. 皮膚・付属器
10%未満
皮膚そう痒感
10. 皮膚・付属器
頻度不明
発疹、蕁麻疹
11. 血 液
10%以上
白血球増多
12. 血 液
10%未満
好酸球増多、単球増多、好中球減少又は増多、リンパ球増多又は減少、白血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、赤血球減少
13. 肝 臓注4)
10%以上
ALT(GPT)上昇
14. 肝 臓注4)
10%未満
γ‐GTP上昇、AST(GOT)上昇、Al‐P上昇、LDH上昇
15. 腎 臓注5)
10%未満
BUN上昇、血中クレアチニン上昇
16. その他
10%以上
発熱、倦怠感
17. その他
10%未満
頭痛、悪寒、血清蛋白低下、熱感、発汗
18. その他
頻度不明
精巣上体炎、前立腺炎
その他の副作用の注意
注2)排尿痛等膀胱刺激症状に対しては、ジクロフェナクナトリウム、アセトアミノフェン、インドメタシン等の消炎鎮痛剤により対症的に処置を行うこと。
注3)関節痛等については、抗ヒスタミン剤や消炎鎮痛剤で対処できる場合もあるが、播種性BCG感染を示すことも考えられ、症状の改善が見られない場合は本剤の投与を速やかに中止し、抗結核剤療法及びその他適切な処置を行うこと。
注4)肝機能異常に対しては、定期的に検査を行い、播種性BCG感染あるいはアレルギー性肝炎が疑われる場合は本剤の投与を中止し、抗結核剤療法を行うなど適切な処置を行うこと。
注5)腎機能異常に対しては、定期的に検査を行い、播種性BCG感染あるいは腎膿瘍が疑われる場合は本剤の投与を中止し、抗結核剤療法を行うなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者での副作用については、特に高率に発現する傾向はみられていない。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性には本剤による治療中は避妊させること。[本剤の動物における生殖試験は実施されておらず、妊娠の継続にも問題があり、胎児への影響も不明である。]
2.
授乳中の婦人には投与することは避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[本剤が乳汁中に排泄されるかは不明であるが、多くの薬剤がヒトの乳汁中に排泄される。また本剤は乳児に重大な有害反応を起こす可能性がある。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
1.
海外において医療従事者の針刺し事故等によるBCG感染が報告されている。また、BCGと同じ安全キャビネット内で調製された抗悪性腫瘍注射剤の全身化学療法を受けた免疫抑制状態の患者に対し、院内感染が起こった事例が報告されている。
2.
本剤は生菌製剤であるので無菌的技法で使用すべきであり、本剤の取扱い時にはゴム手袋及びマスクをつけること。
3.
調製時に誤って手指等の外傷に本剤が接触したときは、受傷後直ちに血液を押し出し、大量の水で洗浄する。接触部を直ちにアルコール又は0.2~1%次亜塩素酸ナトリウム液等で消毒すること。万一、感染を示すような所見が認められた場合は、抗結核剤療法を行うなど適切な処置を行うこと。
4.
本剤と接触したすべての容器、器具等は高圧蒸気滅菌又は、煮沸消毒か適切な消毒液等に浸し、消毒した後廃棄すること。
5.
バイアルからゴム栓を外さないこと。
6.
希釈した溶液は速やかに使用すること。なお、調製後保存する必要がある場合は、冷暗所(2~8℃)に遮光保存し、懸濁から2時間以内に投与すること。
薬物動態
本剤を膀胱内注入した場合、正常な膀胱粘膜にはほとんど付着せず、尿中に排泄される。
臨床成績
国内で行われた臨床成績の概要は次のとおりである。
〈第I‐II相試験、後期第II相試験〉
表在性膀胱癌及び膀胱上皮内癌に対する治療投与(81mgを週1回8週投与)の抗腫瘍効果は以下のとおりであった。
〈第III相試験〉
腫瘍数が3個以上、再発回数が3回以上又は1年以内に再発した表在性膀胱癌症例に対するTURBT後の補助療法における、本剤の有効性を検討することを目的として、導入投与群42例(本剤81mgを週1回6週投与)、維持投与群41例(導入投与後、導入投与開始から3、6、12、18箇月後に本剤81mgを週1回3週投与)及びエピルビシン塩酸塩群32例(40mg(力価)を週1回2回投与後、2週に1回を7回投与)の無作為化3群比較試験を行った。事前に計画していなかった2回目の中間解析が実施され、その結果に基づき試験が早期有効中止された。無再発生存期間(RFS)※は、エピルビシン塩酸塩群に比べて本剤併合群(導入投与群+維持投与