ク及びその活性代謝物のアンフェナクの定常状態における平均Cmaxはそれぞれ0.203±0.119ng/mL、0.382±0.170ng/mLであった。また、血漿中ネパフェナク及びアンフェナクのTmaxはそれぞれ0.31±0.14時間及び0.60±0.21時間、t1/2は0.7±0.2時間及び3.3±1.3時間であった。
2. 房水中濃度3)
ウサギにネパフェナク点眼液0.1%を右眼に単回点眼投与後の房水中ネパフェナク及びアンフェナク濃度のTmaxはそれぞれ15分及び2時間であり、Cmaxはそれぞれ448ng/mL、29.7ng/mLであった。
臨床成績
1.
第II相プラセボ対照比較試験4)
白内障手術患者を対象にしたプラセボ対照二重遮蔽比較試験において、術後2週間投与後の治癒率(フレアスコア及びセルスコアが0の症例の割合)及び眼無痛率(眼痛スコアが0の症例の割合)は以下のとおりであった。
(表1参照)
2.
第III相実薬対照比較試験5)
白内障手術患者を対象にした実薬対照二重遮蔽比較試験において、術後2週間投与後の治癒率及び眼無痛率は以下のとおりであった。
(表2参照)
3.
第III相非対照試験6)
硝子体手術、線維柱帯切除術、レーザー虹彩切開術、レーザー線維柱帯形成術及びレーザー後嚢切開術患者を対象にした一般臨床試験において、術後2~4週間投与後の治癒率及び眼無痛率は以下のとおりであった。
(表3参照)
4.
フルオロメトロン点眼液を対照とする第III相比較試験7)
白内障手術患者を対象にした二重遮蔽比較試験における術後5週目までの嚢胞様黄斑浮腫(CME)発症率(蛍光眼底造影で嚢腫腔への色素の貯留を認める症例の割合)は本剤で14.3%(4/28)、フルオロメトロン点眼液0.1%で81.5%(22/27)であった(χ2検定:p<0.0001)。
表1
投与群 治癒率(症例数) 眼無痛率(症例数)
ネパフェナク0.1% 71.4%(75/105) 96.2%(102/106)
プラセボ 28.6%(30/105) 67.6%(71/105)
検定 χ2検定:p<0.0001 χ2検定:p<0.0001
表2
投与群 治癒率(症例数) 眼無痛率(症例数)
ネパフェナク0.1% 82.7%(187/226) 98.7%(223/226)
ジクロフェナク0.1% 80.7%(184/228) 98.2%(223/227)
群間差とその95%信頼区間 2.0[-5.1,9.1] 0.4[-1.8,2.7]
表3
術式 治癒率(症例数) 眼無痛率(症例数)
硝子体手術 80.4%(45/56) 85.7%(48/56)
線維柱帯切除術 50.0%(1/2) 100.0%(2/2)
レーザー虹彩切開術 93.3%(14/15) 100.0%(15/15)
レーザー線維柱帯形成術 0.0%(0/1) 100.0%(1/1)
レーザー後嚢切開術 94.6%(35/37) 94.6%(35/37)
薬効薬理
1. 抗炎症作用8)
ウサギの前房穿刺誘発血管透過性モデルにおいて、ネパフェナク0.1%の点眼投与は房水へのタンパク流入量を61%抑制した。また、組織損傷に伴うPGE2蓄積も阻害した。
2. 鎮痛作用9)
ネコ角膜をCO2により化学的な反復刺激をして角膜のポリモーダル侵害受容器応答に及ぼすネパフェナクの影響を検討したところ、ネパフェナク0.1%の点眼投与は角膜の刺激誘発性ポリモーダル侵害受容器刺激応答を速やかに低下した。
3. 作用機序8)
ネパフェナクは、点眼投与後角膜を透過し、加水分解酵素によりアンフェナクへと代謝される。したがって、ネパフェナクの作用機序は、アンフェナクのシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン生合成阻害であると考えられる。
ネパフェナクのCOX-1に対するIC50値は64.3μMであった。
ネパフェナクの活性代謝物であるアンフェナクのIC50値はCOX-1に対しては0.25μM、COX-2に対しては0.15μMであった。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ネパフェナク(Nepafenac)
化学名
2-(2-Amino-3-benzoylphenyl)acetamide
構造式
分子式
C15H14N2O2
分子量
254.28
性状
黄色の結晶又は粉末で、メタノール、又はアセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
包装
5mL×10本
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:ラット胎盤移行試験、ラット胚・胎児発生試験、ウサギ胚・胎児発生試験、ラット乳汁移行試験
2)
社内資料:日本人健康被験者を対象とした臨床薬物動態試験
3)
社内資料:ウサギ眼組織分布試験
4)
社内資料:第II相プラセボ対照比較試験(国内)
5)
社内資料:第III相実薬対照比較試験(国内)
6)
*沼賀二郎 他:日本眼科学会雑誌, 116(2), 86-94, 2012
7)
*Miyake K, et al.: J Cataract Refract Surg, 37(9), 1581-8, 2011
8)
Gamache DA, et al.:Inflammation, 24(4), 357-370, 2000
9)
社内資料:ネコ角膜侵害受容器刺激試験
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〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
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