)で、その症状は、下痢5件(0.33%)、食欲不振1件(0.07%)、徐脈・呼吸緩徐1件(0.07%)であった。
(承認時及び承認時以降の副作用調査時)
重大な副作用
1. **無呼吸、呼吸抑制
(頻度不明)
無呼吸、呼吸抑制が起こることがあり、心肺停止に至った症例も報告されているので、呼吸状態の観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
2. **ショック
(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下、浮腫、全身発赤等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. **依存性
(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。
また、連用中の投与量の急激な減少ないし投与の中止により、まれに痙れん発作、せん妄、振戦、不安等の離脱症状があらわれることがあるので投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症注)
頻度不明
発疹、紅斑、そう痒感
2. 血液注)
頻度不明
好酸球増多、白血球減少
3. 消化器
0.1~5%未満
下痢
4. 消化器
0.1%未満
食欲不振
5. 精神神経系
頻度不明
頭痛、めまい、ふらつき、運動失調、興奮、抑うつ、構音障害
6. 循環器
0.1%未満
徐脈
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
無呼吸、呼吸抑制が起こり、心肺停止に至った症例も報告されているので、特に慎重に投与及び観察をすること。(「重要な基本的注意」の項参照)
過量投与
徴候、症状
呼吸抑制、徐脈、血圧低下が認められることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
処置
呼吸、脈拍、血圧、経皮的動脈血酸素飽和度の監視を行うとともに、気道の確保等の適切な処置を行うこと。血液透析、血液灌流が有効であったとの報告もある。
適用上の注意
投与時
(1)
本剤は直腸内投与にのみ使用し、経口投与はしないこと。
(2)
本剤挿入後10分以内に排泄され、再投与を行う場合には、その形状が保たれていても、一部吸収されていることが考えられるので、慎重に行うこと。
なお、形状に変化が認められる場合には、再投与を差し控えること。
臨床成績
一般臨床試験としてのべ13施設640例、脳波測定時の催眠を対象とする二重盲検試験として4施設28例の総計668例について臨床試験を実施し、本剤の有用性が認められている。1)
使用目的別の有効率は、理学検査時の催眠89.5%(510/570)、抗けいれん85.9%(55/64)であった。
薬効薬理
*抱水クロラールは中枢神経系(大脳皮質)に作用し、中枢抑制・催眠作用ならびに抗けいれん作用をあらわす。抱水クロラールは、生体内でトリクロロエタノールに変化し、これが活性物質として中枢抑制作用を示すが、抱水クロラール自身にも中枢抑制作用があり、投与直後の作用は抱水クロラールによるもので、その後の作用はトリクロロエタノールによるものとされている。しかしながら、本剤の薬物動態検討結果及び薬効強度比の文献値(抱水クロラール:トリクロロエタノール=1:1.18)2)より、本剤の薬効発現本体はトリクロロエタノールと考えられた。
(1)
イヌに抱水クロラール500mg/kgを直腸投与し、脳波を測定したところ、投与後20~200分にわたり、麻酔第1~3期の麻酔深度を示す自発脳波の変化がみられた。3)
(2)
ウサギに抱水クロラール200~250mg/kgまたは500~600mg/kg直腸投与により、I~IV度(坂本の方法による麻酔深度)の麻酔効果が認められた。4)
(3)
マウスまたはラットを用い、抱水クロラール500mg/kgを直腸投与し、一般症状を観察したところ、数分以内に運動量の減少、眼瞼下垂、歩行失調及び正向反射の消失がみられた。3)
(4)
マウスまたはラットに抱水クロラールを直腸内前投与することにより、各種の実験的けいれん発現(電気ショック、ペンテトラゾール、ストリキニーネ、ニコチン)に対する抑制効果が認められた。3)
有効成分に関する理化学的知見
1.
一般名
抱水クロラール(Chloral hydrate)
2.
化学名
2,2,2-trichloroethane-1,1-diol
3.
分子式
C2H3Cl3O2(分子量:165.40)
4.
構造式
5.
性状
無色の結晶で、刺激性のにおいがあり、味は刺激性でやや苦い。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けやすい。
空気中で徐々に揮散する。
包装
エスクレ坐剤「250」 250mg:30個
エスクレ坐剤「500」 500mg:30個
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
星野道雄他:小児科臨床 30(5)888(1977)
2)
*Cabana, B.E. et al : J.Pharmacol.Exp.Ther.174(2)260(1970)
3)
西川殷維他:薬理と治療 5(1)33(1977)
4)
中嶋敏勝他:奈良医学雑誌 27(2)124(1976)
文献請求先
久光製薬株式会社 学術部 お客様相談室
*〒100-6330 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号
フリーダイヤル 0120-381332
FAX.(03)5293-1723
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
久光製薬株式会社
〒841-0017 鳥栖市田代大官町408番地