GPT)上昇、ALP上昇、LDH上昇
6. 肝臓
0.1%未満
総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
7. 腎臓
0.1~5%未満
BUN上昇、クレアチニン上昇
8. 消化器
0.1~5%未満
嘔吐、下痢
9. 消化器
0.1%未満
食欲不振、腹痛
10. その他
0.1~5%未満
頭痛
11. その他
0.1%未満
四肢の疼痛、四肢のしびれ、ふらつき、不整脈、心悸亢進、熱感、潮紅、悪寒、発熱、発汗、胸痛、過換気症候群、呼吸困難、血圧上昇、血圧低下、浮腫、腫脹、倦怠感、血清総蛋白減少
注2) このような場合には減量又は投与を中止すること。
注3) このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。なお、65歳以上の高齢者における副作用発現率は、脳血栓症急性期の使用成績調査では7.8%(184/2,357例)、慢性動脈閉塞症の使用成績調査では3.4%(117/3,392例)であった。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
1.
**症状:
本剤の過量投与により、出血の危険性が増大する。
2.
**処置:
出血性の合併症が発現した場合は本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。本剤の抗凝固作用を中和する薬剤は知られていないので、症状に応じて、外科的止血や新鮮凍結血漿輸注など適切な処置を行うこと。
適用上の注意
1.
開封時:
アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール消毒綿等で清拭しカットすること。
2.
投与時:
本剤はそのまま静脈内に投与せずに希釈して使用すること。[本剤を原液のまま投与すると、溶血を起こすおそれがある。]
薬物動態
1. 血中濃度1)
健康成人(6例)にアルガトロバン水和物2.25、4.5、9.0mgを30分間かけて点滴静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度(HPLC-蛍光検出法: 検出限界0.010μg/mL)の推移は次のとおりである。
アルガトロバン水和物点滴静脈内投与時の血漿中未変化体濃度推移
血漿中未変化体濃度は点滴終了後、半減期15分 (t1/2α) 及び30分 (t1/2β) で2相性を示しながら速やかに消失した。
また、健康成人に本剤9.0mgを1回3時間で3日間連続点滴静注したとき、血漿中未変化体濃度は速やかに上昇し、点滴開始後1時間から終了時までほぼ一定濃度で推移した。各回投与時の濃度推移はほぼ同等であり、蓄積性は認められなかった。
2. 分布
参考(動物実験)
ラットに14C-アルガトロバン3mg/kgを静脈内投与した時、組織内濃度は肝、腎及び消化管において血漿中濃度よりも高値であったが、脳、睾丸、子宮及び卵巣では血漿中より低値であった。組織内濃度は血漿中濃度に相関して経時的に低下しており、蓄積性は認められていない。
3. 代謝
健康成人の尿及び糞中には未変化体の他、代謝物としてtetrahydroquinoline環の水酸化体及び芳香環化体が認められる。これらの代謝物の生成には、主としてCYP3A4が関与していた2)。
4. 排泄3)
アルガトロバン水和物9.0mgを健康成人に30分間かけて点滴静注した場合、投与24時間までの尿及び糞中への未変化体の排泄率はそれぞれ22.8%及び12.4%、代謝物の排泄率はそれぞれ1.7%及び13.1%であった。
臨床成績
1. 脳血栓症急性期4~7)
脳血栓症急性期患者417例を対象とした二重盲検比較試験を含む臨床試験で、神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持、食事)の改善が認められ、改善率(改善以上)は68.4%(219/320例)であった。
また、プラセボを対照とした二重盲検比較試験における発症後48時間以内の症例での成績は次のとおりである。なお、両群とも基礎治療薬としてグリセロールを併用している。
(表1参照)
2. 慢性動脈閉塞症8, 9, 10)
慢性動脈閉塞症患者180例を対象とした二重盲検比較試験を含む臨床試験で、四肢潰瘍、安静時疼痛、冷感等の改善が認められ、改善率(改善以上)は52.3%(80/153例)であった。
3. 血液体外循環11)
先天性アンチトロンビンIII欠乏患者及びアンチトロンビンIII活性が70%未満の患者80例を対象とした調査で、アンチトロンビンIII活性の回復及び透析回路内残血等の改善が認められ、有効率(有効以上)は79.7%(47/59例)であった。
4. ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)12, 13)II型における血栓症の発症抑制
(1) 国内で実施された臨床試験
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)患者6例、血栓塞栓症を伴うHIT患者2例の計8例を対象とした医師主導治験で、死亡、四肢切断に至った症例は認められず、新たに血栓塞栓症が発現した症例は1例であった。
(2) 海外で実施された臨床試験
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)患者及び血栓塞栓症を伴うHIT患者に対し、抗トロンビン剤を使用しなかったヒストリカルコントロールを対照とした有効性及び安全性試験(試験1)と追加の有効性及び安全性試験(試験2)が米国で実施された。試験1では、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)患者160例、血栓塞栓症を伴うHIT患者144例の計304例が登録された。主要評価項目(複合評価項目)「37日の観察期間中における死亡(すべての原因)、四肢切断(すべての原因)又は新規血栓症」の発現率は、HIT患者ではヒストリカルコントロール群38.8%(57/147例)に対し、本剤投与群25.6%(41/160例)であった。血栓塞栓症を伴うHIT患者ではヒストリカルコントロール群56.5%(26/46例)に対し、本剤投与群43.8%(63/144例)であった。試験2では、HIT患者125例、血栓塞栓症を伴うHIT患者139例の計264例が登録された。試験1と同一の複合評価項目における発現率は、HIT患者ではヒストリカルコントロール群38.8%(57/147例)に対し、本剤投与群25.6%(32/125例)であった。血栓塞栓症を伴うHIT患者で