ン濃度を増加させた27).
4.
2型糖尿病患者において,テネリグリプチン20mgの1日1回投与は血漿中DPP-4活性を阻害し,血漿中活性型GLP-1濃度を増加させた28).
2. 耐糖能改善作用
インスリン抵抗性及び耐糖能異常を示す肥満モデルであるZucker Fattyラットを用いた糖負荷試験において,テネリグリプチンは単回投与により血糖値上昇を抑制した27).
2型糖尿病患者において,テネリグリプチン20mgの1日1回投与は,朝食,昼食及び夕食後血糖並びに空腹時血糖を改善した28).
カナグリフロジン
1) 作用機序
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)は腎臓で近位尿細管に限局して分布しており,糸球体ろ過されたグルコースの大部分を血液中に再吸収させる役割を担っている29).カナグリフロジンは,SGLT2を選択的に阻害し,腎臓でのグルコースの再吸収を抑制することで,血中に過剰に存在するグルコースを尿糖として排泄し血糖低下作用を発揮する.
2) 薬理作用
1. SGLT2阻害作用
カナグリフロジンはヒトSGLT2を選択的に阻害する(IC50値:4.2nmol/L)(in vitro)30).
2. 腎糖再吸収阻害作用
ZDFラットにおいて,カナグリフロジンは単回経口投与により,腎糖再吸収阻害率※の上昇及び尿中グルコース排泄量の増加を示した30).2型糖尿病患者にカナグリフロジンとして100mgを単回経口投与したとき,腎糖再吸収阻害率の上昇及び尿中グルコース排泄量の増加が認められた31).
※ 腎糖再吸収量(糸球体グルコースろ過量と尿中グルコース排泄量の差)の媒体投与群に対する阻害率
3. 糖代謝改善作用
ZDFラットにおいて,カナグリフロジンは単回経口投与により,血糖低下作用を示した30).
同モデルにおいて,カナグリフロジンは4週間反復経口投与により,HbA1c低下作用を示した.反復投与後の経口糖負荷試験では,血糖値上昇の抑制が認められた32).
2型糖尿病患者にカナグリフロジンとして100mgを1日1回24週間反復経口投与したとき,HbA1cの低下及び食後高血糖の改善がみられた33).
有効成分に関する理化学的知見
テネリグリプチン
一般名
テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物
(Teneligliptin Hydrobromide Hydrate)
化学名
{(2S,4S)-4-[4-(3-Methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-yl}(1,3-thiazolidin-3-yl)methanone hemipentahydrobromide hydrate
分子式
分子量
628.86(無水物)
構造式
性状
白色の粉末である.
水に溶けやすく,メタノールにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,アセトニトリルに溶けにくい.
融点
約201℃(分解)
カナグリフロジン
一般名
カナグリフロジン水和物
(Canagliflozin Hydrate)
化学名
(1S)-1,5-Anhydro-1-C-(3-{[5-(4-fluorophenyl)thiophen-2-yl]methyl}-4-methylphenyl)-D-glucitol hemihydrate
分子式
分子量
453.52
構造式
性状
白色~微黄白色の粉末である.
ジメチルスルホキシド及びエタノールに溶けやすく,アセトニトリルにやや溶けやすく,水にほとんど溶けない.
融点
101.7℃
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること.
包装
カナリア配合錠:100錠(10錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
田辺三菱製薬(株):健康成人男性を対象とした臨床薬理試験(社内資料)
2)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの蛋白結合に関する検討(社内資料)
3)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの蛋白結合に関する検討(社内資料)
4)
Nakamaru, Y., et al.:Xenobiotica. 2014;44(3):242-253
5)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの代謝に関する検討(社内資料)
6)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンのマスバランス試験(社内資料)
7)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの代謝に関する検討(社内資料)
8)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの健康成人を対象とした単回投与試験(社内資料)
9)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンのP-糖蛋白に関する試験(社内資料)
10)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンのトランスポーターに関する検討(社内資料)
11)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンのトランスポーターに関する検討(社内資料)
12)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの腎機能障害者における薬物動態試験(社内資料)
13)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの腎機能障害者における薬物動態試験(社内資料)
14)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの肝機能障害者における薬物動態試験(社内資料)
15)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの肝機能障害者における薬物動態試験(社内資料)
16)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの高齢者における薬物動態試験(社内資料)
17)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの第II相用量設定試験(社内資料)
18)
Nakamaru, Y., et al.:Clin Ther. 2014;36(5):760-769
19)
田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの薬物相互作用試験(社内資料)
20)
田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンのQTc間隔への影響試験(社内資料)
21)
田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした検証的試験(1)(社内資料)
22)
*Kadowaki, T., et al.:Diabetes Obes Metab. 2017;19(6) :874-882
23)
田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした検証的試験(2)(社内資料)
24)
田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(社内資料)
25)
Oguma, T., et al.:J Pharmacol Sci. 2015;127(4):456-461
26)
Kreymann, B