に、HER2陽性のヒト乳癌由来細胞株(BT-474EEI、KPL-4)を同所移植したマウスにおいて、増殖抑制作用を示した。
(2) 作用機序9,10,11,12,13,14)
本剤は、トラスツズマブと同様に、HER2及びFcγ受容体との結合活性を示し、HER2細胞外ドメインの遊離(シェディング)抑制、PI3K/AKT経路のシグナル伝達阻害及び抗体依存性細胞傷害活性を示す。また、本剤は、HER2に結合して細胞内に取り込まれた後、DM1含有代謝物を遊離し、G2/M期での細胞周期停止及びアポトーシスを誘導する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
トラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え)(Trastuzumab Emtansine(Genetical Recombination))(JAN)
構造式
アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸450個の重鎖2分子からなる糖タンパク質であるトラスツズマブ(遺伝子組換え)の、平均3.5個の主にリシン残基のεアミノ基に、エムタンシン(4-({3-[(3-{[(1S)-2-{[(1S,2R,3S,5S,6S,16E,18E,20R,21S)-11-クロロ-21-ヒドロキシ-12,20-ジメトキシ-2,5,9,16-テトラメチル-8,23-ジオキソ-4,24-ジオキサ-9,22-ジアザテトラシクロ[19.3.1.110,14.03,5]ヘキサコサ-10,12,14(26),16,18-ペンタエン-6-イル]オキシ}-1-メチル-2-オキソエチル]メチルアミノ}-3-オキソプロピル)スルファニル]-2,5-ジオキソピロリジン-1-イル}メチル)シクロヘキシルカルボニル基)が結合した抗体薬物複合体
分子式
エムタンシン:C47H62ClN4O13S
トラスツズマブ(遺伝子組換え):
軽鎖(C1032H1599N277O335S6)
重鎖(C2198H3391N585O672S16)
分子量
エムタンシン:958.53
トラスツズマブ(遺伝子組換え):約148,000
トラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え):約151,000
包装
カドサイラ点滴静注用100mg:1バイアル
日局注射用水1アンプル(5mL)添付
カドサイラ点滴静注用160mg:1バイアル
日局注射用水1アンプル(8mL)添付
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
*Yamamoto H, et al.:Jpn J Clin Oncol 45:12, 2015
2)
社内資料:国内第II相試験(JO22997試験)
3)
社内資料:DM1の血漿蛋白結合試験(in vitro試験)
4)
社内資料:薬物トランスポーター(in vitro試験)
5)
社内資料:DM1の代謝酵素に関する試験(in vitro試験)
6)
社内資料:動物実験:排泄
7)
**Li C, et al.:Clin Pharmacokinet, 2016(DOI:10.1007/s40262-016-0496-y)
8)
Verma S, et al.:N Engl J Med. 367:1783, 2012
9)
社内資料:腫瘍増殖抑制活性及び作用機序(in vitro試験)
10)
Lewis Phillips GD, et al.:Cancer Res 68:9280, 2008
11)
Junttila TT, et al.:Breast Cancer Res Treat 128:347, 2011
12)
社内資料:HER2結合活性(in vitro試験)
13)
社内資料:Fcγ受容体、C1q結合性及び抗体依存性細胞傷害活性(in vitro試験)
14)
Erickson HK, et al.:Mol Cancer Ther 11:1133, 2012
文献請求先
**主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
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製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1