それがあるので、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと。]
4. 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。また、重篤な感染症が発症した場合には、適切な処置を行い、感染症が消失するまで本剤を投与しないこと。
2.
本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること。
(1) 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
(2) 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
(3) インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
(4) 結核患者との濃厚接触歴を有する患者
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。[「禁忌」及び「慎重投与」の項参照]
3. 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
4. 本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。また、他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
5. 臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。[「臨床成績」の項参照]
副作用
副作用等発現状況の概要
乾癬患者を対象とした国際共同第III相臨床試験を併合した12週の集計において、安全性解析対象2328例中(日本人20例含む)632例(27.1%)に副作用が認められ、主な副作用は、注射部位反応318例(13.7%)、上気道感染73例(3.1%)等であった。
国際共同第III相臨床試験及び国内長期投与試験において、日本人安全性解析対象121例中40例(33.1%)に副作用が認められ、主な副作用は、注射部位反応15例(12.4%)、上気道感染3例(2.5%)等であった。(承認時)
重大な副作用
1. 重篤な感染症(0.3%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、感染症が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
2. 重篤な過敏症反応(0.1%):アナフィラキシー(血管浮腫、蕁麻疹等)等の重篤な過敏症反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 好中球数減少(0.3%):好中球数減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 炎症性腸疾患(0.1%):炎症性腸疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、炎症性腸疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
感染症:
1~10%未満
上気道感染(鼻咽頭炎、上気道感染)
感染症:
1%未満
白癬感染、口腔カンジダ症、鼻炎、結膜炎、インフルエンザ
呼吸器:
1%未満
口腔咽頭痛
消化器:
1%未満
悪心
皮膚:
1%未満
蕁麻疹
注射部位:
10%以上
注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位疼痛等)
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、本剤はカニクイザルにおいて胎児への移行が報告されているが、胎児・出生児に毒性及び催奇形性は認められなかった。]
2. 本剤投与中は授乳を避けさせること。[本剤のヒトの乳汁への移行や授乳された乳児の血液中への移行の有無は不明であるが、カニクイザルでは乳汁への移行が認められた。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
過量投与
臨床試験において、180mgまでの反復皮下投与で用量制限毒性は認められていない。過量投与の場合は、副作用の徴候や症状を注意深く観察し、速やかに適切な対症療法を行うこと。
適用上の注意
1. 保存時
(1)
凍結を避け、2~8℃で保存すること。凍結した場合は、使用しないこと。
(2)
光の影響を防ぐために、本剤は外箱に入れた状態で遮光保存すること。
2. 投与経路
本剤の投与は皮下投与のみとすること。
3. 投与方法
160mgを投与する場合は80mgオートインジェクター又はシリンジを2本皮下投与すること。
4. 投与時
(1)
本剤は1回使用の製剤であり、再利用しないこと。
(2)
投与30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくことが望ましい。
(3)
注射部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同じ部位の中で繰り返し注射する場合、毎回注射する箇所を変更すること。また、皮膚が敏感な部位、傷、発赤、硬結がある部位、乾癬の部位には注射しないこと。
5. その他
激しく振とうしないこと。
その他の注意
1. 乾癬患者を対象とした第III相臨床試験において、80mgを2週間隔で投与した12週までに患者の9.0%(103/1150例)に抗イキセキズマブ抗体が認められた。また、12週までイキセキズマブを投与され、レスポンダー(12週時にsPGAスコアが0又は1の患者)と判断された患者のうち、再割り付け後、12週以降に80