強い阻害作用を示した(in vitro)32)。一方、ラット膵α-アミラーゼに対する阻害作用は認められず、ラクターゼ及びトレハラーゼ活性を阻害することが報告されている(in vitro)33)。
(2)
ラット小腸由来スクラーゼ、イソマルターゼ、マルターゼに対する阻害様式は競合型である(in vitro)32)。
2. 血糖上昇抑制作用
(1)
正常ラットに経口投与した結果、スクロース、煮沸でんぷん及び生でんぷん負荷後の血糖上昇を抑制するが、グルコース負荷後の血糖上昇に対しては無効であった34)。
(2)
健康成人6例にミグリトール50mgを1日3回、毎食前に8日間(8日目は朝食時1回投与のみ)経口投与したところ、毎食後の血糖上昇を抑制し、血清インスリンの上昇を抑制した8)。
(3)
非肥満2型糖尿病モデルのGKラットに糖質(スクロース)負荷試験を実施した結果、ミグリトールは正常ラットと同様な糖質負荷後の血糖上昇抑制作用を示した35)。
(4)
GKラットにミグリトールを8週間混餌投与した結果、食後血糖上昇抑制作用が継続し、HbA1cの改善が認められた35)。
(5)
2型糖尿病患者40例にクロスオーバー法にてプラセボ及びミグリトールを1回50mg投与し食事負荷をしたところ、食後早期(30分~1時間)の血糖上昇を抑制するとともに、インスリン分泌を抑制した36)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
Miglitol ミグリトール
化学名
(-)-(2R,3R,4R,5S)-1-(2-hydroxyethyl)-2-(hydroxymethyl)piperidine-3,4,5-triol
分子式
C8H17NO5
分子量
207.22
構造式
融点
144~147℃
性状
ミグリトールは白色~微帯黄色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
1.
本剤は湿度と光によりわずかに着色することが認められたため、アルミ袋開封後は遮光し湿気を避けて保存すること。
2.
本剤は無包装状態で高湿度により硬度低下が認められたため、無包装状態または分包(特に梅雨期など多湿時のPTP包装から取り出しての調剤など)の場合には、遮光し湿気を避けて保存すること。
包装
セイブル錠 25mg:100錠(PTP10錠×10)、210錠(PTP21錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1050錠(PTP21錠×50)
セイブル錠 50mg:100錠(PTP10錠×10)、210錠(PTP21錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1050錠(PTP21錠×50)
セイブル錠 75mg:100錠(PTP10錠×10)、210錠(PTP21錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1050錠(PTP21錠×50)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
(株)三和化学研究所 社内資料(保存期の腎機能低下患者における薬物動態)
2)
(株)三和化学研究所 社内資料(生殖発生毒性試験(ウサギ))
3)
(株)三和化学研究所 社内資料(生殖発生毒性試験(ラット))
4)
(株)三和化学研究所 社内資料(産褥期健康成人女性における薬物動態及び乳汁移行)
5)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態の用量反応I)
6)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態の用量反応II)
7)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における生物学的利用能に及ぼす食事の影響)
8)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における反復投与時の薬物動態)
9)
(株)三和化学研究所 社内資料(2型糖尿病における薬物動態)
10)
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11)
(株)三和化学研究所 社内資料(透析患者における薬物動態)
12)
(株)三和化学研究所 社内資料(肝薬物代謝酵素系に対する阻害作用)
13)
(株)三和化学研究所 社内資料(ラット肝薬物代謝酵素に対する影響-7日間経口投与試験-)
14)
(株)三和化学研究所 社内資料(グリベンクラミドとの薬物相互作用I)
15)
(株)三和化学研究所 社内資料(グリベンクラミドとの薬物相互作用II)
16)
(株)三和化学研究所 社内資料(メトホルミンとの薬物相互作用)
17)
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(株)三和化学研究所 社内資料(プロプラノロールとの薬物相互作用)
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