相互作用は認められなかった22~24)。また、制酸剤(マーロックス)との薬物相互作用試験においても、ミグリトールの薬物動態に併用による影響は認められなかった25)。
薬物動態の表
血漿中濃度・尿中排泄 試験15)
Tmax(h) Cmax(μg/mL) T1/2(h) 尿中排泄率(% of Dose)
25mg(n=6) 1.83±0.26 0.875±0.167 1.97±0.26 86.2±5.3
50mg(n=6) 2.42±0.66 1.156±0.351 2.20±0.53 70.7±10.8
平均±標準偏差
血漿中濃度・尿中排泄 試験26)
Tmax(h) Cmax(μg/mL) T1/2(h) 尿中排泄率(% of Dose)
50mg(n=12) 2.58±0.67 1.313±0.424 1.97±0.34 76.8±22.7
100mg(n=12) 2.58±0.51 1.960±0.464 2.03±0.26 51.6±9.6
平均±標準偏差
腎機能障害患者における薬物動態(外国人における成績)1)
パラメータ 投与日 クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧60(n=7) クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧30 to <60(n=6) クレアチニンクリアランス(mL/min)
<30(n=6)
Cmax(μg/mL) 1 1.02(1.19) 1.18(1.28) 1.33(1.38)
Cmax(μg/mL) 7 1.25(1.26) 1.37(1.32) 3.05(1.32)
T1/2(h) 1 3.5(1.54) 5.5(1.47) 11.5(1.55)
T1/2(h) 7 3.2(1.37) 5.4(1.25) 12.5(1.60)
幾何平均値(幾何標準偏差)
参考:ジゴキシンの血漿中濃度・薬物動態パラメータ等17)
項目 ジゴキシン単独投与(n=10) ミグリトール50mg併用期(n=10) ミグリトール100mg併用期(n=10)
Cmin(ng/mL) 0.813(1.25) 0.662(1.41) 0.586(1.35)
尿中排泄量(μg/24h) 251.2(1.16) 202.6(1.30) 169.5(1.26)
腎クリアランス(mL/min/kg) 2.965(1.29) 2.938(1.36) 2.775(1.39)
幾何平均値(幾何標準偏差)
臨床成績
1. 臨床成績
**
2型糖尿病患者における二重盲検比較対照試験(有効性解析対象:プラセボ84例、本剤158例)において、プラセボのHbA1c(JDS値)、食後血糖1及び2時間値がそれぞれ0.25%、0.8mg/dL及び3.3mg/dL上昇したのに対して、本剤50mg1日3回12週間投与によりそれぞれ0.35%、73.0mg/dL及び27.8mg/dL低下した26)。
**
SU剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に本剤50mg 1日3回12週間投与した併用試験(有効性解析対象:プラセボ77例、本剤152例)において、最終評価時におけるHbA1c(JDS値)は、プラセボでは0.2%上昇、本剤では0.28%低下した。投与12週間後の食後血糖1及び2時間値は、プラセボでは有意な変化はなく、本剤では76.8mg/dL及び32.6mg/dL低下した。その後52週にわたって継続投与した長期試験においても、本剤の効果は持続し、安定した血糖コントロールが得られた27)。
**
ビグアナイド剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回16週間投与した併用試験(有効性解析対象:プラセボ49例、本剤固定用量47例、本剤漸増52例)において、最終評価時のHbA1c(JDS値)は、プラセボでは0.11%上昇、本剤ではそれぞれ0.40%及び0.37%低下した。投与16週後の食後血糖1時間値はプラセボで0.4mg/dL低下、本剤ではそれぞれ84.4mg/dL及び76.3mg/dL低下した。食後血糖2時間値はプラセボで3.3mg/dL低下、本剤ではそれぞれ29.1mg/dL及び25.0mg/dL低下した28)。また、52週間の長期投与試験では本剤の効果は持続し、安定した血糖コントロールが得られている29)。
**
インスリン製剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回12週間投与した併用試験(有効性解析対象:プラセボ100例、本剤107例)において、プラセボのHbA1c(JDS値)、食後血糖1及び2時間値がそれぞれ0.03%、3.8mg/dL及び5.7mg/dL上昇したのに対して、本剤50mg1日3回12週間投与によりそれぞれ0.36%、77.0mg/dL及び43.7mg/dL低下した30)。
**,*
インスリン製剤で治療中の1型糖尿病患者を対象に本剤50mg1日3回12週間投与した併用試験(有効性解析対象:本剤43例)において、本剤50mg1日3回12週間投与によりHbA1c(JDS値)、食後血糖1及び2時間値が、それぞれ0.09%、75.2mg/dL及び38.7mg/dL低下した31)。
薬効薬理
ミグリトールは、小腸粘膜上皮細胞の刷子縁膜において二糖類から単糖への分解を担う二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害し、糖質の消化・吸収を遅延させることにより食後の過血糖を改善する。
1. 作用機序
(1)
ラット小腸由来スクラーゼとイソマルターゼに対してアカルボースよりそれぞれ約6倍及び120倍強く、同様にボグリボースに対し1/3.6倍及び同程度の