ロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
15. 薬剤名等
パクリタキセル
臨床症状・措置方法
パクリタキセルの血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、パクリタキセルを減量、投与間隔を延長又は中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
16. 薬剤名等
ビノレルビン酒石酸塩
臨床症状・措置方法
ビノレルビンの血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
17. 薬剤名等
ゲフィチニブ
臨床症状・措置方法
ゲフィチニブの血中濃度が上昇し、副作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
18. 薬剤名等
エレトリプタン臭化水素酸塩
臨床症状・措置方法
エレトリプタンの血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
19. 薬剤名等
テオフィリン
アミノフィリン水和物
コリンテオフィリン
臨床症状・措置方法
テオフィリンの血中濃度が上昇することがある。テオフィリンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、テオフィリン製剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤による肝薬物代謝酵素阻害作用により、テオフィリンのクリアランスが低下するため、テオフィリンの血中濃度を上昇させる。
20. 薬剤名等
リファンピシン
フェニトイン
フェノバルビタール
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる。
21. 薬剤名等
ダントロレンナトリウム
臨床症状・措置方法
高カリウム血症や心機能低下が生じることがある。
機序・危険因子
機序不明
22. 薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度を上昇させることがある。異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行うこと。また、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないよう注意すること。
機序・危険因子
グレープフルーツジュースに含まれる成分のチトクロームP450(CYP3A4)の阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例5,069例中、568例(11.21%)の副作用が報告されている。(臨床試験成績集計)
重大な副作用
1. 循環器障害
頻度不明
心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 皮膚障害
頻度不明
皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、多形滲出性紅斑、乾癬型皮疹等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 循環器
0.1~5%未満
房室伝導時間の延長注1)、頭痛、めまい、血圧低下
2. 過敏症注2)
0.1~5%未満
発疹
3. 消化器
0.1~5%未満
便秘、悪心・嘔吐
4. 消化器
0.1%未満
食欲不振
5. 口腔注3)
頻度不明
歯肉肥厚
6. 肝臓
0.1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等
7. 内分泌
頻度不明
血中プロラクチンの上昇、男性における血中黄体形成ホルモン・血中テストステロンの低下、女性型乳房
8. その他
0.1~5%未満
浮腫
その他の副作用の注意
注1)定期的に心電図検査を行い、異常な変動が観察された場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注2)このような場合には投与を中止すること。
注3)連用によりこのような症状があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
〔動物実験(マウス)で胎児毒性(死胚)が報告されている。〕
2.
授乳婦への投与は避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。
〔ヒトにおいて乳汁中への移行が報告されている。〕
小児等への投与
*新生児及び乳児はカルシウム拮抗剤の感受性が高く、徐脈、心停止等を生じる危険性が大きい。新生児及び乳児に本薬を静脈内投与した際、重篤な徐脈や低血圧、心停止等が認められたとの報告がある。
過量投与
1. 徴候・症状
本剤の過量投与により、ショック、著明な血圧低下、心不全の悪化、完全房室ブロック等が認められたとの報告がある。
2. 処置
(1) ショックや心不全の悪化の場合
本剤の投与を中止し、昇圧剤、強心薬、輸液等の投与やIABP等の補助循環の適用を考慮すること。
(2) 心停止や完全房室ブロックの場合
本剤の投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングの適用を考慮すること。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
因果関係が明らかではないが、外国において本薬投与中に心筋梗塞や狭心症があらわれ