る。これらの薬剤と併用する場合は、自覚症状に注意するとともに、定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと〔「相互作用」の項参照〕。
相互作用
相互作用の概略
*本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤はP‐糖蛋白の基質であるとともに、P‐糖蛋白に対して阻害作用を有する。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
血圧降下剤
臨床症状・措置方法
血圧の低下が増強することがある。
機序・危険因子
本剤と血圧降下剤の血管拡張作用が増強される。
2. 薬剤名等
β‐遮断剤
ラウオルフィア製剤
臨床症状・措置方法
心機能の低下や徐脈があらわれることがある。自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤は陰性変力作用や房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、両者の心抑制作用が相互に増強される。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意すること。
3. 薬剤名等
抗不整脈剤
キニジン硫酸塩水和物
プロカインアミド塩酸塩
リドカイン
ピルシカイニド塩酸塩水和物
フレカイニド酢酸塩等
低カリウム血症を起こすおそれがある薬剤
利尿剤等
臨床症状・措置方法
徐脈、房室ブロックがあらわれることがあり、高度の不整脈に発展させることがある。自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止すること。
機序・危険因子
相加的な抗不整脈作用の増強や低カリウム血症により催不整脈作用が生じる。
4. 薬剤名等
ジギタリス製剤
ジゴキシン
メチルジゴキシン等
臨床症状・措置方法
高度の徐脈、房室ブロック等の徐脈性不整脈があらわれることがある。また、これらの不整脈を含めたジギタリスの血中濃度上昇による中毒症状(悪心・嘔吐、食欲不振、頭痛、疲労、けん怠感等)があらわれることがある。定期的に心電図検査を行い、ジギタリスの中毒症状の有無を確認し、必要に応じてジギタリスの血中濃度を測定する。異常が認められた場合には、両剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
相加的な房室結節・洞結節抑制作用の増強やジギタリスの心刺激作用により不整脈が生じる。特にβ‐遮断剤との3剤併用時には注意すること。
また、ジギタリスの血中濃度の上昇は本剤のジギタリスの腎排泄抑制によるものと考えられる。
5. 薬剤名等
*ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
臨床症状・措置方法
*ダビガトランの抗凝固作用が増強することがあるので、ダビガトランエテキシラートの用量調節や投与間隔を考慮するなど、投与方法に十分注意すること。
機序・危険因子
*ダビガトランの血中濃度を上昇させる。
6. 薬剤名等
吸入麻酔薬
臨床症状・措置方法
心機能の低下や徐脈があらわれることがある。脈拍数、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤は陰性変力作用や房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、両剤の心抑制作用が相互に増強される。
7. 薬剤名等
リトナビル
臨床症状・措置方法
本剤のAUCが3倍を超えることが予測されるので、本剤を減量するとともに血中濃度のモニターや診察の回数を増やすなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
8. 薬剤名等
インジナビル硫酸塩エタノール付加物
アタザナビル硫酸塩
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、副作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
相手薬剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
9. 薬剤名等
イトラコナゾール
ミコナゾール
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度を上昇させることがある。
機序・危険因子
相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度を上昇させる。
10. 薬剤名等
アプリンジン塩酸塩
臨床症状・措置方法
アプリンジンの血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、アプリンジンを減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
11. 薬剤名等
カルバマゼピン
臨床症状・措置方法
カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、中毒症状(めまい、頭痛等)があらわれることがある。カルバマゼピンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
12. 薬剤名等
ミダゾラム
臨床症状・措置方法
ミダゾラムの血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
13. 薬剤名等
セレギリン塩酸塩
臨床症状・措置方法
セレギリンの作用を増強し、毒性が大幅に増強する可能性がある。
機序・危険因子
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
14. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある。シクロスポリンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、シクロスポリンを減量又は中止すること。
機序・危険因子
本剤によるチトク