ニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.
直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
3.
**キノプロテイングルコースデヒドロゲナーゼ(変異型)酵素比色法を用いた血糖測定法では、偽低値を呈することがあるので注意すること。
過量投与
*本剤は、腹膜透析や血液透析では除去されないので、過量投与した患者に対しては注意深く観察し対症療法を行うこと。
適用上の注意
1. 投与速度
静脈内大量投与により、まれに血管痛、血栓性静脈炎、ほてり感、嘔気、嘔吐を起こすことがあるので注射速度はできるだけ遅くすること。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。
2. 調製方法
溶解後は速やかに使用すること。特にグルタチオン製剤、高濃度アミノ酸類の補液に溶解して使用の場合は留意のこと。点滴静注を行う場合には注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。
3. 配合変化(輸液中での配合時)
配合時には配合変化データを参照のこと1)。
(1)
本剤はトブラマイシン、硫酸ベカナマイシン、硫酸ジベカシンとの配合により混濁等の変化が認められるので、配合しないこと。
(2)
カルシウムを含有する注射剤又は輸液との配合により混濁等の変化が認められたとの報告があるので、配合しないこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
薬効薬理
好気性及び嫌気性のグラム陽性菌・陰性菌に対して広範囲で強い抗菌力を示す。いわゆる日和見感染症の起炎菌であるグラム陰性桿菌のうち、エンテロバクター属、シトロバクター属、セラチア属、プロテウス属、バクテロイデス属などに優れた抗菌力を示すが、モルガネラ属、プロビデンシア属、緑膿菌などに対する活性は弱い。各種の病原細菌が産生するβ-ラクタマーゼに対して安定であり、作用機序は、他のセフェム系抗生物質と同様に細菌細胞壁合成の阻害である。大腸菌においては、ペニシリン結合蛋白(PBP)3に最も親和性が強く、次いで1a、1b、2の順であり、細胞壁ペプチドグリカン架橋形成を阻害し、殺菌的に作用する2)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
セフトリアキソンナトリウム水和物
(Ceftriaxone Sodium Hydrate)
化学名
Disodium(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-(methoxyimino)acetylamino]-3-(6-hydroxy-2-methyl-5-oxo-2,5-dihydro-1,2,4-triazin-3-ylsulfanylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate hemiheptahydrate
分子式
C18H16N8Na2O7S3・31/2H2O
分子量
661.60
構造式
性状
白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。
水又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
取扱い上の注意
1. バッグ製品に関する注意
(1)
製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用直前まで開封しないこと。また、開封後は速やかに使用すること。
(2) 次の場合には使用しないこと。
1)
外袋が破損しているときや内側に液滴が認められるとき
2)
隔壁の開通前に薬剤が溶解しているとき
3)
薬剤が変色しているときや、薬剤溶解前に溶解液の着色又は混濁等の異常が認められるとき
4)
ゴム栓部のシールフィルムがはがれているとき
(3)
輸液セットの針はゴム栓の穿刺位置にまっすぐに刺すこと。斜めに刺すと針がプラスチックバッグの首部を傷つけて液漏れを起こすことがある。
(4)
容器の液目盛りは、およその目安として使用すること。
2. 安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験[室温(1~30℃)、3年間]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、セフトリアキソンナトリウム点滴静注用バッグ1g「ファイザー」は通常の市場流通下において、3年間安定であることが確認された3)。
包装
セフトリアキソンナトリウム点滴静注用バッグ1g「ファイザー」:10バッグ
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:配合変化試験(セフトリアキソンナトリウム点滴静注用バッグ1g「ファイザー」) [L20101203005]
2)
第十五改正 日本薬局方 解説書(廣川書店):C-2225, 2006 [L20101022002]
3)
社内資料:安定性試験(長期保存試験)(セフトリアキソンナトリウム点滴静注用バッグ1g「ファイザー」) [L20101203004]
文献請求先
「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX 03-3379-3053
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7
提携
マイラン製薬株式会社
大阪市中央区本町2丁目6番8号