性疾患:
通常、1日1回1g(力価)を静脈内注射又は点滴静注する。
○小児
1.通常、1日20~60mg(力価)/kg を1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
2.難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を120mg(力価)/kg まで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
○未熟児・新生児
1.通常、生後0~3日齢には1回20mg(力価)/kg を1日1回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kg を1日2回静脈内注射又は点滴静注する。
2.難治性又は重症感染症には症状に応じて1回量を40mg(力価)/kgまで増量し、1日2回静脈内注射又は点滴静注する。ただし、生後2週間以内の未熟児・新生児には1日50mg(力価)/kgまでとする。
[静脈内注射]
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
[点滴静注]
点滴静注に際しては補液に溶解して用いる注3)。
注3)点滴静注を行う場合には、注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。
[バッグ品]
バッグ品の投与に際しては、用時、添付の溶解液にて溶解し、静脈内に点滴注射する。
<溶解操作方法>
(1)使用時に外袋を開封する。
(2)本品を展開する。
(3)溶解液部分を手で押して隔壁を開通させる。この操作を2~3回繰返して薬剤を完全に溶解する。
(4)溶解を確認する。開通確認シールをはがす。
なお、溶解後は速やかに使用すること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
バイアル品及びバッグ品共通
1.
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
3.
*高度の腎障害のある患者[高度の腎機能障害患者は、本剤が過剰に蓄積する可能性があるので、血中濃度を頻回に測定できない場合には投与量が1g/日を超えないようにすること(【薬物動態】の項参照)。]
4.
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、高齢者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
バッグ品(生理食塩液に関する注意)
1.
心臓、循環器系機能障害のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]
2.
腎障害のある患者[水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
**本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1)
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2)
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3)
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
2.
本剤を投与する場合は、カルシウムを含有する注射剤又は輸液と同時に投与しないこと。[国外において、新生児に本剤とカルシウムを含有する注射剤又は輸液を同一経路から同時に投与した場合に、肺、腎臓等に生じたセフトリアキソンを成分とする結晶により、死亡に至った症例が報告されている(「適用上の注意」の項参照)。]
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
利尿剤
フロセミド 等
臨床症状・措置方法
類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で併用による腎障害増強作用が報告されている。腎機能に注意すること。
機序・危険因子
機序は不明であるが、利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時迄の調査及び承認時以降の調査15,149例において、副作用は662例(4.4%)に認められた。主な副作用は、AST(GOT)上昇240件(1.6%)、ALT(GPT)上昇239件(1.6%)、Al-P上昇92件(0.6%)、発疹87件(0.6%)、下痢81件(0.5%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1. **ショック(0.01%)、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、顔面浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. *汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血(以上頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(以上頻度不明)
劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. *急性腎不全(0.01%)、間質性腎炎(頻度不明)
急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 偽膜性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. **,*中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(以上頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.