0 5.7 9.0
0.4 7.0 15.6 10.8
0.6 7.5 15.6 9.8
(注)本剤の承認された1日用量は、0.2mgである。なお、年齢、症状により適宜増減する。
臨床成績
前立腺部の尿道内圧を有意に減少させ7)、用量依存的な尿流率及び残尿量の改善が認められた8)9)。全般改善度の解析対象276例の成績を次に示した。また、二重盲検比較試験の結果、ハルナール0.2mgカプセル1日1回投与において有用性が認められた10)。(「臨床成績の表」表3参照)
臨床成績の表
表3
投与方法 中等度改善以上
0.1mg1日1回投与 28.3%(15/53)
0.2mg1日1回投与 37.3%(62/166)
0.4mg1日1回投与 38.6%(22/57)
(注)本剤の承認された1日用量は、0.2mgである。なお、年齢、症状により適宜増減する。
薬効薬理
1. 薬理作用
(1) ヒトでの作用
ヒト前立腺標本での受容体結合実験において、プラゾシン塩酸塩より2.2倍、フェントラミンメシル酸塩より40倍強いα1受容体遮断作用を示した11)。
(2) 動物での作用
1) 交感神経α受容体遮断作用12)13)
ラット脳膜標本での受容体結合実験及び摘出ウサギ大動脈標本での摘出実験において、α1受容体を選択的かつ競合的に遮断し、その作用はプラゾシン塩酸塩より1/2.2~22倍、フェントラミンメシル酸塩より45~140倍強力であった。なお、摘出ウサギ大動脈、摘出ラット輸精管及び摘出モルモット腸管での摘出実験において、本薬はα2受容体よりもα1受容体に対して5,400~24,000倍の選択性を示した。
2) 下部尿路(尿道・膀胱)及び前立腺に対する作用14)~16)
摘出ウサギ尿道、前立腺及び膀胱基部平滑筋標本での摘出実験において、プラゾシン塩酸塩より23~98倍、フェントラミンメシル酸塩より87~320倍強いα1受容体遮断作用を示した。
また、麻酔イヌにおいて、α1受容体刺激薬による尿道内圧上昇を拡張期血圧上昇よりも13倍強く抑制した。
3) 排尿障害改善作用17)
麻酔雄性イヌにおいて、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させた。一方、麻酔ラットにおいて、律動的膀胱収縮及び膀胱内圧曲線に影響を及ぼさなかった。
2. 作用機序
尿道及び前立腺部のα1受容体を遮断することにより、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
タムスロシン塩酸塩(Tamsulosin Hydrochloride)
化学名
5-{(2R )-2-[2-(2-Ethoxyphenoxy)ethylamino]propyl}-2-methoxybenzenesulfonamide monohydrochloride
構造式
分子式
C20H28N2O5S・HCl
分子量
444.97
融点
約230℃(分解)
性状
タムスロシン塩酸塩は白色の結晶である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
取扱い上の注意
注意:
本品は高防湿性の内袋により品質保持をはかっている。
包装
D錠 0.1mg :140錠(14錠×10)
D錠 0.2mg :140錠(14錠×10)
D錠 0.2mg :300錠(バラ)
D錠 0.2mg :560錠(14錠×40)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
横山 修 他:薬理と治療 33(6):521,2005[HA-05486]
2)
角尾道夫 他:臨床医薬 6(12):2529,1990[HA-0011]
3)
角尾道夫 他:臨床医薬 7(1):63,1991[HA-0012]
4)
Koiso,K.et al.:J.Clin.Pharmacol. 36(11):1029,1996[HA-00314]
5)
横山 修 他:薬理と治療 33(6):535,2005[HA-05485]
6)
横山 修 他:薬理と治療 33(6):527,2005[HA-05483]
7)
Kawachi,Y.:Curr.Ther.Res. 59(3):149,1998[HA-04828]
8)
河邉香月 他:泌尿器外科 3(10):1247,1990[HA-0027]
9)
Kawabe,K.et al.:J.Urol. 144(4):908,1990[HA-0038]
10)
河邉香月 他:泌尿器外科 4(2):231,1991[HA-0026]
11)
Yamada,S.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 242(1):326,1987[HA-0003]
12)
Honda,K.et al.:Naunyn-Schmiedeberg's Arch.Pharmacol. 328(3):264,1985[HA-0036]
13)
Honda,K.et al.:Naunyn-Schmiedeberg's Arch.Pharmacol. 336(3):295,1987[HA-0035]
14)
Honda,K.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 239(2):512,1986[HA-0006]
15)
Honda,K.et al.:Naunyn-Schmiedeberg's Arch.Pharmacol. 330(1):16,1985[HA-0004]
16)
Shibasaki,M.et al.:J.Auton.Pharmacol. 12(4):263,1992[HA-0037]
17)
Sudoh,K.et al.:Jpn.J.Pharmacol. 52(S-1):131,1990[HA-0042]
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
アステラス製薬株式会社 営業本部DIセンター
**〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
0120-189-371
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
アステラス製薬株式会社
**東京