の薬物動態(参考:海外臨床試験)8)
AUC0-120h,SD比[90%信頼区間]
軽度/正常 0.95[0.77;1.16]
中等度/正常 1.00[0.82;1.22]
重度/正常 0.92[0.74;1.14]
正常n=6、軽度n=6、中等度n=6、重度n=6
臨床成績
1. インスリン治療歴のない日本人2型糖尿病患者における試験:本剤の1日1回投与9)
インスリン治療歴のない日本人2型糖尿病患者296例(本剤群:147例、インスリン グラルギン群:149例)を対象とし、26週間投与試験を実施した。本剤又はインスリン グラルギンを単独療法又は2剤までの経口糖尿病薬(スルホニル尿素薬、DPP-4阻害薬及びグリニド薬を除く)の併用下で1日1回投与した。本剤は主たる食事(最も食事量の多い食事等)の直前に、インスリン グラルギンは承認用法・用量に従って投与を行った。試験実施中、本剤及びインスリン グラルギンの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。
HbA1cを指標とした血糖コントロールについて、本剤のインスリン グラルギンに対する非劣性(非劣性マージン:0.4%)が検証された(群差(本剤-インスリン グラルギン)の推定値[95%信頼区間]:-0.28%[-0.46;-0.10])。空腹時血糖値(FPG)の低下量は両群で同様であった。
有害事象及びその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった。
2. 2型糖尿病患者における試験:本剤の1日2回投与(アジア共同治験)10)
メトホルミン併用又は非併用下でのインスリン製剤の1日1回又は2回投与で十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病患者424例[本剤群:282例(日本人118例)、ノボラピッド30ミックス注群:142例(日本人60例)]を対象とし、26週間投与試験を実施した。本剤は前治療の1日投与量と同量で切り替えた。本剤又はノボラピッド30ミックス注を1日2回、朝食直前及び夕食直前に投与した。試験実施中、本剤及びノボラピッド30ミックス注の投与量は、平均朝食前/夕食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。
HbA1cを指標とした血糖コントロールについて、本剤のノボラピッド30ミックス注に対する非劣性(非劣性マージン:0.4%)が検証された(群差(本剤-ノボラピッド30ミックス注)の推定値[95%信頼区間]:0.05%[-0.10;0.20])。FPGの低下量は、ノボラピッド30ミックス注と比較して本剤群で大きかった。有害事象及びその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった。
3. 1型糖尿病患者における試験(参考:海外臨床試験)11)12)
1型糖尿病患者548例(本剤群:366例、インスリン デテミル群:182例)を対象とし、52週間(26週間+26週間)投与試験を実施した。本剤の1日1回食直前投与に加え、他の2回の食事の直前にノボラピッド注を投与する投与法と、インスリン デテミルの1日1回投与に加えすべての食事の直前にノボラピッド注を投与する投与法を比較検討した。Basal-Bolus療法で治療していた患者は、本剤のBasal画分が前治療のBasalインスリンと同量となる投与量で切り替えた。混合型インスリンで治療していた患者は、前治療の70%の投与量で本剤を1日1回、30%の投与量でノボラピッド注を残りの食事時に投与した。本剤及びインスリン デテミルの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。本剤は主たる食事の直前に投与するが、他の食事の直前に変更することを可とした(投与タイミング変更回数別の被験者の割合:変更なし61%、変更1回14%、変更2回14%、変更3回3%、変更4回以上8%)。インスリン デテミルは夕食開始時から就寝前までに投与するが、投与後8週以降、必要に応じて1日2回投与を可とした。
HbA1cを指標とした長期血糖コントロールの改善は、投与後26週及び52週のいずれにおいても両群で同様であり、投与後26週において本剤のインスリン デテミルに対する非劣性(非劣性マージン:0.4%)が検証された(群差(本剤-インスリン デテミル)の推定値[95%信頼区間]:-0.05%[-0.18;0.08])。FPGの低下量は両群で同様であった。有害事象及びその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった。
薬効薬理
作用機序
本剤は持効型のインスリン デグルデクと超速効型のインスリン アスパルトを含有するインスリン製剤である。本剤は、製剤中でインスリン デグルデクが可溶性で安定なダイヘキサマー、インスリン アスパルトが可溶性で安定なヘキサマーとして存在するよう最適化されている。
インスリン アスパルトヘキサマーは、投与後ただちに皮下組織においてモノマーに解離し、速やかに毛細血管に吸収される。
インスリン デグルデクダイヘキサマーは、投与後毛細血管に吸収されない分子サイズの可溶性マルチヘキサマーを皮下で形成する。マルチヘキサマーは一時的に皮下組織にとどまり、そこからインスリン デグルデクモノマーが解離し、緩徐にかつ持続的に皮下組織から循環血中へ移行する。さらに、持続化への寄与の程度は小さいが、脂肪酸の一部を介してアルブミンと結合する13)。これにより、本剤のBolus画分(インスリン アスパルト)とBasal画分(インスリン デグルデク)の作用が明らかに区別される。
本剤の主な薬理作用は、グルコース代謝の調節である。本剤を含むインスリン製剤は、インスリンレセプターに結合し、特異的な作用を発現する。インスリンレセプターに結合したインスリンは、骨格筋及び脂肪細胞における糖の取り込みを促進し、また肝臓におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。さらに、脂肪細胞における脂肪分解及び蛋白質分解を阻害し、蛋白質合成を促進する14)。
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般名
インスリン デグルデク(遺伝子組換え)[命名法:JAN]
Insulin Degludec(Genetical Recombination)[命名法:JAN]
2. 分子式
C274H411N65O81S6
3. 分子量
6,103.97
4. 構造式
5. 性状
白色の粉末である。
1. 一般名
インスリン アスパルト(遺伝子組換え)[命名法:JAN]
Insulin Aspart(Genetical Recombination)[命名法:JAN]
2. 分子式
C256H381N65O79S6
3. 分子量
5,825.54
4. 構造式
5. 性状
白色の粉末である。
包装
1筒3mL(100単位/mL)
ライゾデグ配合注