適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. **過敏症
頻度不明
アレルギー、蕁麻疹、そう痒感、血圧降下注1)、発疹注1)
2. **肝臓
頻度不明
肝機能異常注1)(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)
3. **消化器
頻度不明
嘔吐注1)、嘔気注1)、腹痛注1)、食欲不振注1)
4. **神経系
頻度不明
めまい注1)、治療後神経障害注1)(主に有痛性)
5. 神経系
0.5~5%未満
頭痛
6. **眼
頻度不明
屈折異常注1)、白内障注1)
7. 眼
0.5~5%未満
糖尿病網膜症の顕在化又は増悪
8. 注射部位
頻度不明
リポディストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)
9. **注射部位
0.5~5%未満
注射部位反応注2)(疼痛、そう痒、硬結等)
10. **呼吸器系
頻度不明
呼吸困難注1)
11. **血液
頻度不明
血小板減少注1)
12. **その他
頻度不明
発熱注1)、浮腫注1)、倦怠感注1)、多汗注1)、振戦注1)、空腹感注1)、体重増加注1)、血中ケトン体増加注1)
その他の副作用の注意
**注1)インスリン デグルデクもしくはインスリン アスパルトで認められている副作用。
**注2)注射部位反応の症状の多くは軽度であり、治療の継続中に軽快又は消失している。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすいので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
本剤の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。
小児等への投与
小児における有効性及び安全性は確立していない。
過量投与
1. 徴候・症状
低血糖が起こることがある(「重要な基本的注意」の項3及び「副作用」の項参照)。
2. 処置
低血糖の起こる時間はインスリンの種類、量等により異なるため、低血糖が発現しやすい時間帯に特に経過を観察し、適切な処置を行うこと(「副作用」の項参照)。
適用上の注意
1. 投与時
本剤は他の薬剤との混合により、成分が分解するおそれがあるため、本剤と他の薬剤を混合しないこと。
2. 保存時
使用中は冷蔵庫に入れず、室温に保管し、4週間以内に使用すること。残った場合は廃棄すること。
3. 投与経路
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
4. 投与部位
皮下注射は、腹部、上腕、大腿に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射場所を毎回変えること。前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。
5. その他
(1)
本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。[本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。]
(2)
本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
(3)
インスリンカートリッジにインスリン製剤を補充してはならない。
(4)
注射後、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
(5)
液に濁りが生じたり、変色している場合は、使用しないこと。
(6)
インスリンカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
(7)
1本のフレックスタッチを複数の患者に使用しないこと。
その他の注意
1.
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある1)。
2.
インスリンとピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。
薬物動態
1. 薬物動態プロファイル
本剤は、2つの画分(インスリン デグルデクとインスリン アスパルト)の作用プロファイルを併せ持つ製剤である(【薬効薬理】の項参照)。
(1) 日本人1型糖尿病患者における本剤単回投与後のインスリン アスパルトのプロファイル2)
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。
インスリン アスパルトの速やかに血中に吸収される特性は本剤においても認められた。インスリン アスパルトは投与後10分に血中に認められ、投与後72分に最高血中濃度に達した。
(2) 日本人1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクのプロファイル3)
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。
インスリン デグルデクの血中濃度は投与後2~3日で定常状態に達した。定常状態のインスリン デグルデクの半減期は約18時間であった。
2. 薬力学的プロファイル
(1) 日本人1型糖尿病患者における本剤単回投与後の薬力学的プロファイル2)
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤の薬力学的プロファイル[24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイル]を検討した。本剤の血糖降下作用は、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)とインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の作用プロファイルを反映した2つの画分に区別された(図参照)。本剤は、投与後速やかに作用を発現し、約2時間後にGIRが最大に達した。本剤の単回投与後の作用持続時間は24時間を超えていた。
(2) 日本人1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬力学的プロファイル3)
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬力学的プロファイルを検討した。
定常状態におけるインスリン デグルデクの24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイルから、インスリン