向があるなど、副作用が発現しやすい。]
また、入院させて投与を開始することが望ましい。[「重要な基本的注意」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ラットで母乳中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
本剤の過量投与により、QT延長、心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、徐脈、失神、痙れん、血圧低下等を引き起こすおそれがあるので、これらの症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
1. 血漿中濃度
(表1、2参照)
健康成人に1回100mgを1日2回7日間反復経口投与(食後30分)した場合、血漿中未変化体濃度は3日目で定常状態に達し、 7日目の最高血漿中濃度は初回投与時の約1.6倍であった2)。
また、100mgを1回投与した際、吸収に及ぼす食事の影響はほとんど認められなかった2)。
2. 吸収率3)
約83%〔心室性期外収縮患者(外国人)〕
3. 血漿蛋白結合率1)
約80%(心室性期外収縮患者、100mg1回投与、限外ろ過法)
4. 主な代謝物(参考)
ピペリジン環脱水素体(ラット、イヌ)
5. 排泄経路及び排泄率
排泄経路
主として尿中
排泄率2)
投与後48時間の尿中には、投与量の17~25%が未変化体として排泄される。(健康成人、50又は100mg1回投与)
6. 腎機能障害患者における薬物動態4)
(表3参照)
表1 (心室性期外収縮患者6例、1回投与1))
投与量
(mg) Tmax
(h) Cmax
(μg/mL) t1/2β
(h) AUC
(μg・h/mL)
100 2.83±0.28 0.78±0.14 11.63±1.43 11.23±3.45
平均値±標準誤差
表2 (健康成人各5例、1回投与2))
投与量
(mg) Tmax
(h) Cmax
(μg/mL) t1/2β
(h) AUC
(μg・h/mL)
50 1.3±0.1 0.35±0.05 7.4±0.7 2.99±0.57
100 1.3±0.2 0.86±0.10 9.1±0.5 7.35±0.94
平均値±標準誤差
表3 〔クレアチニンクリアランス(Ccr)が50≦Ccr<70mL/minの軽度腎機能障害患者3例、30≦Ccr<50mL/minの中等度腎機能障害患者4例、Ccr<30mL/minの高度腎機能障害患者4例(腎機能障害患者はいずれも老年者)、100mg1回投与〕
患者群 Tmax
(h) Cmax
(μg/mL) t1/2β
(h) AUC
(μg・h/mL)
軽度障害例 1.74±0.31 1.13±0.08 13.70±2.71 15.07±1.18
中等度障害例 1.70±0.63 1.07±0.15 13.12±1.60 13.63±3.35
高度障害例 3.21±1.35 1.55±0.40 13.34±1.33 24.70±3.99
平均値±標準誤差
臨床成績
二重盲検比較試験5)を含む総計292例についての臨床成績は次のとおりである。
(表4参照)
表4
対象疾患 改善率
心室性期外収縮 63%(183/292)
薬効薬理
1.
実験的不整脈に対する作用
(1)
イヌの冠動脈二段結紮により惹起した心室性不整脈を経口及び静脈内投与で抑制する6,7)。
(2)
イヌのアドレナリン及びウワバインにより惹起した心室性不整脈を抑制する7,8)。
(3)
実験的心筋梗塞イヌの電気刺激により誘発した心室性頻拍を抑制する9)。
2. 電気生理学的作用
(1)
ウサギの心房筋、プルキンエ線維又は心室筋において、静止膜電位にほとんど影響を与えることなく、活動電位最大立ち上がり速度(Vmax)を用量依存的に抑制し、活動電位持続時間(APD)を延長する10)。
(2)
モルモット心室筋のVmaxを頻度依存的に抑制し、この頻度依存性ブロックの発現及び回復速度は遅い11)。
(3)
ウサギのプルキンエ線維の有効不応期を延長する10)。
(4)
イヌの心室内伝導(HV)時間及び心室有効不応期を延長する9,12)。
(5)
イヌのプルキンエ線維において、正常自動能及び異常自動能を抑制する13)。また、モルモット乳頭筋及び単一心室筋細胞において、遅延後脱分極に基づく異常自動能を抑制する10)。
(6)
不整脈患者に200mgを1回経口投与した場合、洞周期及び洞房伝導(SA)時間を短縮させ、HV時間、右房及び右室の不応期を延長する。また、逆行性副伝導路を抑制し、室房伝導不応期を延長する14)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ピルメノール塩酸塩水和物(Pirm