施すること。
(1)
基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)があり、心不全をきたすおそれのある患者(心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高いので、投与開始後1~2週間は入院させること。)
(2)
腎機能障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
(3)
高齢者(入院させて投与を開始することが望ましい。)
(4)
他の抗不整脈薬との併用(有効性、安全性が確立していない。)
3.
本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視等の症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するか投与を中止すること。
4.
1日用量200mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
5.
失神、めまい、ふらつき、手足のしびれ等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
バルデナフィル
レビトラ
モキシフロキサシン
アベロックス
アミオダロン(注射剤)
アンカロン注
**トレミフェンクエン酸塩
フェアストン
臨床症状・措置方法
心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。
機序・危険因子
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
糖尿病用剤
インスリン
スルホニル尿素系薬剤等
臨床症状・措置方法
低血糖があらわれるおそれがある。[「副作用」の項参照]
機序・危険因子
本剤で低血糖があらわれることがあり、併用により血糖の低下が増強される。
2. 薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシンの血中濃度が上昇することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
機序・危険因子
機序は不明である。
3. 薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
機序・危険因子
リファンピシンにより代謝酵素が賦活され、本剤の血中濃度が低下すると考えられる。
4. 薬剤名等
QT延長を起こすことが知られている薬剤
スパルフロキサシン等
臨床症状・措置方法
QT延長作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認までの調査では819例中94例(11.5%)に副作用がみられた。主なものは便秘(1.2%)、胃部不快感(1.0%)、尿閉、排尿障害等の泌尿器系症状(1.0%)、頭痛(0.9%)、不眠(0.9%)、口中苦味(0.9%)、悪心(0.7%)、口渇(0.7%)等であった。臨床検査値の変動は、819例中24例(2.9%)にみられ、主なものは血糖値上昇(1.0%)、ALT(GPT)上昇(1.0%)、AST(GOT)上昇(0.9%)、γ-GTP上昇(0.5%)、好酸球増加(0.5%)等であった。(承認時)
市販後の使用成績調査・特別調査(長期使用調査)では3,284例中284例(8.6%)に副作用がみられた。主なものはQT延長(2.4%)、AST(GOT)・ALT(GPT)・ALP・γ-GTP・LDH・ビリルビン上昇等の肝機能障害(0.9%)、口渇(0.6%)、動悸(0.4%)、排尿障害(0.4%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1. 心不全(0.1%未満)、心室細動(0.1%未満)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(0.3%)、房室ブロック(0.2%)、洞停止(0.1%未満)、失神(0.1%未満)
心不全、心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、房室ブロック、洞停止、失神があらわれることがあるので、定期的かつ必要に応じて心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 低血糖(頻度不明)
低血糖があらわれることがあるので、観察を十分に行い、低血糖症状があらわれた場合には、投与を中止し、ブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 循環器注1)(0.1~2%未満)
QT延長、徐脈、胸部不快感、動悸、心室性期外収縮
2. 循環器注1)(0.1%未満)
脚ブロック
3. 血液(0.1%未満)
好酸球増多、リンパ球増多、好中球減少、血小板減少
4. 肝臓(0.1~2%未満)
AST(GOT)・ALT(GPT)・ALP・γ-GTP・LDH・ビリルビン上昇等の肝機能障害
5. 腎臓(0.1~2%未満)
クレアチニンの上昇
6. 腎臓(0.1%未満)
BUNの上昇
7. 消化器(0.1~2%未満)
便秘、胃部不快感、悪心、口渇、下痢、胸やけ、食欲不振
8. 消化器(0.1%未満)
嘔吐、腹痛、腹部膨満感、口内炎
9. 泌尿器注2)(0.1~2%未満)
尿閉、排尿障害、排尿困難
10. 泌尿器注2)(0.1%未満)
尿量減少
11. 視覚器注2)(0.1%未満)
霧視、複視
12. 精神神経系(0.1~2%未満)
頭痛、頭重感、不眠、めまい
13. 精神神経系(0.1%未満)
ふらつき、手足のしびれ、眠気
14. 過敏症(0.1~2%未満)
発疹
15. 過敏症(0.1%未満)
蕁麻疹
16. その他(0.1~2%未満)
口中苦味
17. その他(0.1%未満)
全身倦怠感、疲労感、気分不快感、血糖値の上昇、ほてり
注1:定期的かつ必要に応じて心電図検査を行い、異常な変動が観察された場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
注2:このような場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者では、低用量(例えば、1回50mg)から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。[高齢者では肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾