/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
8.
免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症
効能又は効果毎の用法及び用量
通常、成人には好中球数1,500/mm3(白血球数3,000/mm3)未満の状態を示した時点よりレノグラスチム(遺伝子組換え)として2μg/kgを1日1回皮下投与する。
小児には、好中球数1,500/mm3(白血球数3,000/mm3)未満の状態を示した時点よりレノグラスチム(遺伝子組換え)として2μg/kgを1日1回皮下投与する。
ただし、好中球数が5,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
造血幹細胞の末梢血中への動員
(1)
自家末梢血幹細胞移植を目的としてがん患者に使用する場合は、対象患者は化学療法や放射線療法に感受性のある悪性腫瘍の患者であること。
がん化学療法による好中球減少症
(1)
胚細胞腫瘍で卵巣腫瘍に該当するものは、未熟奇形腫、未分化胚細胞腫、卵黄嚢腫瘍などである。
(2)
その他のがん腫に対する用法・用量における、同一のがん化学療法とは、抗悪性腫瘍薬の種類及びその用量も同一の化学療法レジメンである。
(3)
本剤の投与により、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止するが、好中球数が2,000/mm3以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、本剤に対する反応性から患者の安全が確保できると判断した場合には、本剤の減量あるいは中止を検討すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
薬剤過敏症の既往歴のある患者
2.
アレルギー素因のある患者
3.
肝・腎・心肺機能に高度な障害のある患者[使用経験が少なく安全性が確立していない。]
重要な基本的注意
1. 全ての効能・効果に対する注意
(1)
本剤の投与は好中球減少症患者又は造血幹細胞の末梢血中への動員を目的とする対象に限定すること。
(2)
本剤投与中は定期的に血液検査を行い、必要以上に好中球数(白血球数)が増加しないように十分注意すること。必要以上に増加が認められた場合は、減量、休薬するなど適切な処置を取ること。
(3)
**過敏症等の反応を予測するために、使用に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
2. 造血幹細胞の末梢血中への動員に対する注意
(1)
がん化学療法終了後の本剤の使用により末梢血幹細胞を動員する場合、アフェレーシスは、白血球数が最低値を示す時期に達した後の回復期に1~3日間連続して施行することを目安とし、末梢血中のCD34+細胞数を確認して行うことが望ましい。
(2)
本剤単独で末梢血幹細胞を動員する場合、アフェレーシスは、本剤投与開始5日目から1~3日間連続して施行することを目安とし、末梢血中のCD34+細胞数を確認して行うことが望ましい。
(3)
造血幹細胞の末梢血中への動員を目的として本剤を投与した際に、末梢血幹細胞採取が不良な場合は、その後の治療計画の変更を考慮すること。
(4)
アフェレーシスは適切なガイドラインに基づいて行うこと。アフェレーシス中には心停止などの重篤な有害事象が認められることがあるので、血圧など全身状態の推移には十分な注意を払い、有害事象発生時には直ちに適切な処置を行うこと。
(5)
本剤単独で末梢血幹細胞を動員する場合、特に末梢血幹細胞移植ドナーへの本剤の使用に際しては、以下の点に留意すること。
1)
ドナーへの本剤の使用に際しては、ドナー又はドナーに十分な同意能力がない場合は代諾者に、本剤の使用による長期の安全性については確立していないこと、並びにそのため科学的データを収集中であることを十分に説明し同意を得てから使用すること。
2)
ドナーへの本剤の投与に際しては、レシピエントへの感染を避けるため、事前にHBs抗原、HBc抗体、HCV抗体、HIV‐1抗体、HIV‐2抗体、HTLV‐I抗体及び梅毒血清学的検査を行い、レシピエントへの感染の危険性がないことを確認すること。また、CMV、ヘルペス血清学的検査を行うことが望ましい。
3)
ドナーへの本剤の使用に際しては、諸検査で異常のみられない健康人を対象とすることを原則とし、脾腫、脳血管障害、虚血性心疾患、血栓症、自己免疫性疾患の合併又は既往を有する対象は避けることが望ましい。
4)
本剤の使用に際しては、過剰な作用に伴い脾破裂が発現する可能性がある(「重大な副作用」5)脾破裂の項参照)。
5)
本剤の使用に際しては、血液学的検査値が正常であることを確認し、臨床所見を観察しながら投与するとともに、本剤投与終了後においても安全性の確認を十分に行うこと。
6)
副作用として、骨痛、発熱、頭痛、けん怠感、Al‐P上昇、LDH上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇がみられることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与し、用量・投与期間を適宜調節すること。
7)
本剤の使用による骨痛、頭痛等の発現に対しては、非麻薬性鎮痛剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。ただし、アフェレーシス施行により血小板減少等が現れることがあるので、アスピリン等の血小板凝集抑制作用を有する薬剤の使用には十分に注意すること。
8)
本剤投与終了後及びアフェレーシス後には、白血球減少、血小板減少がみられることがあるので、血液学的検査値の推移に留意し、高度な血小板減少がみられた際には、さらなるアフェレーシスは中止するとともに、アフェレーシスにより得られた自己血による血小板輸血を考慮すること。
3. 造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進、がん化学療法後の好中球減少症に対する注意
(1)
造血幹細胞移植症例のうち原疾患が骨髄性白血病の患者では本剤の使用に先立ち、採取細胞についてin vitro試験により、本剤刺激による白血病細胞の増加の有無を確認することが望ましい。また、定期的に血液検査及び骨髄検査を行い、芽球の増加が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。
(2)
急性骨髄性白血病患者では、定期的に血液検査及び骨髄検査を行い、芽球の増加が認められた場合には本剤の投与を中止すること。また、本剤の使用に先立ち、採取細胞についてin vitro試験により本剤刺激による白血病細胞の増加の有無を確認することが望ましい。
(3)
がん化学療法に