制作用を有する他剤を本剤投与前、本剤投与後、又は併用する場合は過剰な免疫抑制に注意すること。
4.
生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること[「その他の注意」の項参照]。
5.
自己免疫性溶血性貧血が報告されているので、自己免疫性溶血性貧血の既往歴の有無、クームス試験の結果に拘わらず、溶血性貧血の兆候について綿密な検査を行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内臨床試験
(1) 7日間持続点滴静注
国内において、7日間持続点滴静注スケジュールで実施された臨床試験の安全性評価症例81例(うちヘアリーセル白血病症例10例)中76例(93.8%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用[10%以上を記載、( )内はヘアリーセル白血病症例での発現例数]は、自他覚症状として感染症※1[28(7)例34.6%]、悪心[18(3)例22.2%]、発疹(皮膚障害)[14(2)例17.3%]、頭痛[13(3)例16.0%]、体重減少[12(3)例15.6%※2]、発熱[12(6)例14.8%]であった。また、臨床検査値については好中球減少[62(8)例76.5%]、白血球減少[60(8)例74.1%]、血小板減少[43(3)例53.1%]、赤血球減少、ヘモグロビン減少[各37(3)例45.7%]、ヘマトクリット値減少[37(4)例45.7%]、ALT(GPT)上昇[14(2)例17.5%※3]、IgM減少[10(-)例17.5%※4]、好酸球増多[14(2)例17.3%]、蛋白尿[13(1)例17.1%※5]、AST(GOT)上昇[13(3)例16.3%※3]、総蛋白減少[13(1)例16.0%]、IgG減少[8(-)例14.0%※4]、アルブミン低下[9(1)例11.5%※6]、アルカリフォスファターゼ上昇[9(3)例11.3%※3]、IgA減少[6(-)例10.5%※4]が認められた。(承認時)
(2) 2時間点滴静注・5日間連日投与
国内において、「再発・再燃又は治療抵抗性の低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(以下低悪性度非ホジキンリンパ腫)患者」を対象に2時間点滴静注・5日間連日投与スケジュールで実施された臨床試験の安全性評価症例23例全例(100%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用[10%以上を記載]は、自他覚症状として感染症※7、悪心、注射部位反応[各7例30.4%]、発疹(皮膚障害)[5例21.7%]、頭痛、下痢、便秘、胃炎、疲労[各3例13.0%]であった。また、臨床検査値については好中球減少、白血球減少[各21例91.3%]、リンパ球減少[20例87.0%]、CD4陽性リンパ球減少[19例82.6%]、血小板減少、赤血球減少[各13例56.5%]、ヘモグロビン減少[10例43.5%]、ALT(GPT)上昇[5例21.7%]、AST(GOT)上昇、好酸球増多[各4例17.4%]、IgA減少、総蛋白減少、γ-GTP上昇[各3例13.0%]が認められた。(承認時)
海外臨床試験[ヘアリーセル白血病124症例での有害事象※8]
海外においてヘアリーセル白血病を対象に実施された臨床試験では、投与2週間以内に124例中110例(88.7%)に有害事象が認められている。主な有害事象(10%以上を記載)は、自他覚症状として疲労感(61例49.2%)、発疹(38例30.6%)、悪心(36例29.0%)、頭痛(29例23.4%)、食欲不振(28例22.6%)、注射部位障害(19例15.3%)、嘔吐、便秘、呼吸音異常(各17例13.7%)、悪寒、めまい(各16例12.9%)、下痢、咳嗽、胸部音異常、紫斑(各15例12.1%)、発汗(14例11.3%)、無力症(13例10.5%)であった。
また、投与4週間以内に著明な好中球減少[500/μL未満](85例68.5%)、ヘモグロビン減少[8.5g/dL未満](51例41.1%)、血小板減少[2×104/μL未満](18例14.5%)、発熱(85例68.5%)、感染症(38例30.6%)が報告されている。
※1 感染症:帯状疱疹、単純ヘルペス、敗血症、感染、尿路感染、咽頭炎、上気道感染、細菌尿、腎盂腎炎、アデノウイルス性出血性膀胱炎、細菌性膀胱炎、感染性水疱、サイトメガロウイルス感染、真菌血症、胃腸感染、肺炎、アスペルギルス性肺炎、熱性感染症が認められている。
※2 安全性評価症例77例
※3 安全性評価症例80例
※4 安全性評価症例57例(ヘアリーセル白血病症例では未検討)
※5 安全性評価症例76例
※6 安全性評価症例78例
※7 感染症:咽頭炎、帯状疱疹、感染性結膜炎、感染、膀胱炎、真菌性皮疹が認められている。
※8 本剤との因果関係の有無にかかわらず発現した事象
重大な副作用
1. 骨髄抑制
汎血球減少(頻度不明注))、リンパ球減少(87.0%)、好中球減少(79.8%)、白血球減少(77.9%)、血小板減少(53.8%)、貧血[赤血球減少(48.1%)、ヘマトクリット値減少(45.7%)、ヘモグロビン減少(45.2%)]が発現又は増悪し、遷延性に推移することがある。本剤の骨髄抑制作用は投与開始後最初の1ヵ月間が最も顕著である。特に投与開始後8週間は週1回以上の頻度で血液検査を行うなど患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
2. 重症日和見感染(頻度不明注))
敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与など適切な処置を行うこと。
3. 消化管出血(1.0%)
消化管出血があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 重篤な神経毒性(頻度不明注))
本剤の高用量(持続点滴静注の通常用量の4~9倍)を投与された患者において、重篤な神経毒性(非可逆的不全対麻痺・四肢不全麻痺)が報告されている。神経毒性の発現は用量相関性があると思われるが、通常の用法・用量でもまれに重篤な神経毒性があらわれることがある。神経毒性があらわれた場合には、休薬又は投与中止を考慮すること。
神経毒性の内容1)
高用量
0.3~0.5mg/kg/日×7~14日 不全対麻痺、四肢不全麻痺
0.15~0.2mg/kg/日×7日 ギラン・バレー症候群、ブラウン・セカール症候群
通常用量
0.09mg/kg/日×7日 錯乱、不安・うつ、便秘
Cheson, B. D., et al.:J. Cli