7)
前治療のある患者 全体 全体 25/33(75.8)
前治療のある患者 年齢 65歳未満 13/18(72.2)
前治療のある患者 年齢 65歳以上 12/15(80.0)
前治療のある患者 前治療に対する反応性 無効 3/6(50.0)
前治療のある患者 前治療に対する反応性 再燃 15/16(93.8)
前治療のある患者 前治療に対する反応性 IFN不耐容 7/11(63.6)
前治療のある患者 HCVサブタイプ※ ジェノタイプ2a 15/16(93.8)
前治療のある患者 HCVサブタイプ※ ジェノタイプ2b 9/16(56.3)
**例数(%)
**※系統樹解析による決定
薬効薬理
1. **作用機序45),46)
オムビタスビルは,ウイルス複製に必須なHCV NS5A阻害剤である.パリタプレビルは,HCV遺伝子にコードされる複合タンパク質のプロセシング及びウイルス複製に必須なHCV NS3/4Aプロテアーゼの阻害剤である.リトナビルは,パリタプレビルの血漿中濃度を上昇させる.
2. **抗ウイルス活性47),48),49),50),51),52)
オムビタスビル
オムビタスビルは,HCVレプリコン細胞においてHCV複製を阻害し,ジェノタイプ1a-H77及び1b-Con1に対するEC50値は,それぞれ,14.1及び5.0pmol/Lであった.オムビタスビルは,HCVジェノタイプ2a,2b,3a,4a,5a及び6a由来のNS5Aを含むレプリコン細胞においてHCV複製を阻害し,EC50値は,それぞれ,12,4.3,19,1.7,3.2及び366pmol/Lであった.
パリタプレビル
酵素阻害試験において,パリタプレビルは,遺伝子組換えHCVジェノタイプ1a及び1b NS3プロテアーゼを阻害し,IC50値は,それぞれ,0.18及び0.43nmol/Lであった.パリタプレビルは,HCVジェノタイプ2a,2b,3a及び4a由来の精製NS3プロテアーゼを阻害し,IC50値は,それぞれ,2.4,6.3,14.5及び0.16nmol/Lであった.パリタプレビルは,HCVレプリコン細胞においてHCV複製を阻害し,ジェノタイプ1a-H77及び1b-Con1に対するEC50値は,それぞれ,1.0及び0.21nmol/Lであった.
パリタプレビルは,ジェノタイプ2a-JFH-1レプリコン細胞及び2bキメラレプリコン細胞においてHCV複製を阻害し,EC50値はそれぞれ5.3及び107nmol/Lであった.パリタプレビルは,HCVジェノタイプ3a,4a及び6a由来のNS3を含むレプリコン細胞においてHCV複製を阻害し,EC50値は,それぞれ,19,0.09及び0.68nmol/Lであった.レプリコン細胞において,リトナビルは,抗HCV活性を示さず,またパリタプレビルの抗HCV活性に影響しなかった.
オムビタスビル及びパリタプレビルの併用により,HCVジェノタイプ1レプリコン細胞において,検討したほとんどの濃度で相加から相乗的な併用効果を示した.
3. **薬剤耐性45),48),50),51),53)
ジェノタイプ1
ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者にオムビタスビル,パリタプレビル,リトナビルを投与した臨床試験において,ウイルス学的治療不成功によりSVR12未達成の患者でオムビタスビルに対する主な耐性変異として,NS5AのL31F,Y93H又はR30Q単独,あるいはL31M/V又はP58S及びY93Hとの二重変異,並びにパリタプレビルに対する主な耐性変異として,NS3のD168A/V単独又はY56Hとの二重変異がウイルス学的治療不成功時点で認められた.
HCVジェノタイプ1レプリコン細胞をオムビタスビル又はパリタプレビル存在下で培養したとき,認められた発現変異は,それぞれ,NS5A又はNS3のアミノ酸置換であった.HCVジェノタイプ1bレプリコン細胞において,NS5AのY93H単独,R30Q又はL31MとY93Hとの二重変異が主に認められた.L31F又はY93H変異によりオムビタスビルのEC50値は,それぞれ,野生型の10倍又は77倍に上昇し,R30Q,L31M/V又はP58SとY93Hとの二重変異により,野生型の142~12,328倍に上昇した.HCVジェノタイプ1bレプリコン細胞において,NS3のA156T及びD168H/V変異が主に認められた.A156T又はD168A/H/V耐性変異によりパリタプレビルのEC50値はそれぞれ,野生型の7倍又は27~159倍に上昇し,D168A/V-Y56H二重変異により野生型の700~2472倍に上昇した.
ジェノタイプ2
ジェノタイプ2のC型慢性肝炎患者にオムビタスビル,パリタプレビル,リトナビルを投与した臨床試験において,ウイルス学的治療不成功によりSVR12未達成の患者でオムビタスビルに対するNS5Aの主な耐性変異として,ジェノタイプ2aでは,F28S,T24A,L31I/V又はT24AとC92Sとの二重変異が,ジェノタイプ2bでは,L28F単独又はM31I/Vとの二重変異,並びにパリタプレビルに対するNS3の主な耐性変異として,ジェノタイプ2aでは,D168A/E/V/Yが,ジェノタイプ2bではD168A/F/S/T/V/Yがウイルス学的治療不成功時点で認められた.
HCVジェノタイプ2aレプリコン細胞において,T24A,L31I又はC92S変異によりオムビタスビルのEC50値は,野生型の13倍から38倍に上昇し,F28Sの変異により11618倍に上昇した.HCVジェノタイプ2bレプリコン細胞において,L28F,M31I/V,L28F及びM31I二重変異によりオムビタスビルのEC50値は,野生型の28倍から1427倍に上昇した.
HCVジェノタイプ2aレプリコン細胞において,D168A/E/V/Y変異によりパリタプレビルのEC50値は,野生型の5.3倍から18倍に上昇した.HCVジェノタイプ2bレプリコン細胞において,D168A/F/S/T/V/Y変異によりパリタプレビルのEC50値は,野生型の7倍から11倍に上昇した.
4. **交差耐性54)
NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤に対する耐性変異を導入したHCVレプリコン細胞においてオムビタスビルの活性は保持され,NS5A阻害剤に対する耐性変異を導入したHCVレプリコン細胞において,パリタプレビルの活性は保持された.
有効成分に関する理化学的知見
構造式
一般名
オムビタスビ