汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
10. 急性腎不全,間質性腎炎(0.1%未満)
急性腎不全,間質性腎炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
11. アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害(0.1%未満)
アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので,腱の疼痛や炎症がみられた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.なお,外国において,投与終了数ヵ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている.
12. 錯乱,抑うつ等の精神症状(0.1%未満)
錯乱,抑うつ等の精神症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
13. 重症筋無力症の悪化(0.1%未満)
重症筋無力症の患者で症状の悪化があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
14. 血管炎(0.1%未満)
血管炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
15. QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(0.1%未満)
QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.太字の副作用については投与を中止すること.
過敏症
0.1~5%未満
発疹,そう痒,蕁麻疹,発熱,発赤(結節性紅斑)
過敏症
0.1%未満
浮腫(末梢,血管,顔面,咽頭)
過敏症
頻度不明※
光線過敏症,固定薬疹,血清病様反応
腎臓
0.1~5%未満
BUN上昇,クレアチニン上昇
腎臓
頻度不明※
血尿,結晶尿
肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,LDH上昇,γ-GTP上昇
循環器
頻度不明※
頻脈,失神,ほてり,低血圧,片頭痛
血液
0.1~5%未満
好酸球増多,貧血
血液
0.1%未満
赤血球減少,白血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少,血小板増加,白血球増加
血液
頻度不明※
点状出血,プロトロンビン量増加,溶血性貧血
消化器
0.1~5%未満
下痢,嘔気
消化器
0.1%未満
食欲不振,胃不快感,腹部膨満感,嘔吐,口内炎
消化器
頻度不明※
腹痛,消化不良,膵炎
感覚器
0.1%未満
眼内異物感
感覚器
頻度不明※
味覚異常,無嗅覚,嗅覚錯誤,一過性難聴,耳鳴,視覚異常
精神神経系
0.1%未満
振戦,頭痛,めまい
精神神経系
頻度不明※
眠気,無力症,不眠症,不安,発汗,悪夢,幻覚,精神病,失調,末梢性ニューロパシー(しびれ感等),筋緊張亢進,頭蓋内圧亢進,激越,意識障害
投与部位
0.1~5%未満
注射部位反応(血管痛,静脈炎,紅斑,炎症等)
その他
0.1%未満
倦怠感,高血糖
その他
頻度不明※
関節痛,筋肉痛,モニリア症,呼吸困難,胸痛,背部痛,関節障害,筋無力症,CK(CPK)上昇
※自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした.
高齢者への投与
本剤は主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため,腎機能に十分注意し,患者の状態を観察しながら用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること.[「用法・用量に関連する使用上の注意」,「薬物動態」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]
2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること.[母乳中へ移行することが報告されている.]
小児等への投与
1.
関節障害が発現するおそれがあるので,本剤の投与についてはリスクとベネフィットを考慮し慎重に判断すること.[複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者を対象とした臨床試験において,関節症と判断された被験者の割合はシプロフロキサシン9.3%(31/335例),対照薬6.0%(21/349例)であった4).また,動物実験(幼若イヌ,幼若ラット)で関節異常が認められている.]
2.
低出生体重児,新生児又は乳児に対する安全性は確立していない.
過量投与
徴候と症状
腎毒性があらわれたとの報告がある.
処置
腎機能をモニターするとともに,水分及び電解質の補充を行う.シプロフロキサシンは腹膜透析,血液透析では少量(10%程度)しか除去されない.
適用上の注意
1. 投与経路
本剤は点滴静注にのみ使用すること.
2. 投与前
保管中に白色の結晶が析出することがあるので,このような場合には温めて結晶を溶解して使用すること.
3. 調製方法
原則として,点滴静注に際しては,生理食塩液,ブドウ糖注射液又は補液で希釈すること.
4. 調製時
本剤と配合した時に沈殿,混濁,変色が認められた場合には投与しないこと.特にアルカリ性の溶液と配合しないこと(本剤のpHは3.9~4.5の範囲である).
配合変化試験において,すべての注射剤が検討されているわけではないが,本剤と配合した直後から24時間後までに,沈殿等が観察された薬剤があるので,配合時には配合変化データを参照すること.
5. 投与方法
静脈内急速投与により,血管痛,静脈炎を起こすことがあるので,これらを予防するために注射部位,注射方法等について十分注意し,30分以内の点滴静注は避けること.
6. その他の注意
分割投与しないこと.
その他の注意
1.
大量投与[750mg/回以上(経口剤)]により結晶尿が認められたとの報告がある.
2. プロベネシドによる影響
プロベネシドとの併用により,本剤の最高血中濃度は大きく変化しなかったが,